円強気派、日銀の静観姿勢試す-実効相場にらみ100円突破の見方も

為替トレーダーの間で、日銀は円売り介入 をしないとの見方が約10年ぶりに強まっており、2000年以来の大幅上昇となっ ている円相場は一段高を演じそうだ。

日銀は1995年以降、円相場が100円に近づいた計4回の局面で毎回、円売 り介入を実施し、トヨタ自動車やソニーなど国内の輸出企業を支えてきた。円 相場は先週、8年ぶりの高値となる101円43銭に上昇したが、額賀福志郎財務 相は「為替の動向については注意深く見守りたい」と述べただけで、当局の懸 念を示すには至らなかった。

日本が円売り介入を実施すれば、リセッション(景気後退)の瀬戸際にあ る景気を支えるためドル安をよりどころにしている米国の方針と対立すること になる。

為替売買高ベースで世界3位のシティグループや4位のロイヤル・バンク ・オブ・スコットランド(RBS)は、円の実効相場が95年のピーク時を40 %下回っているため、額賀財務相は100円を上回る円高を容認すると予想して いる。

97-99年に日本の通貨当局のトップを務め、為替相場への影響力から「ミ スター円」と呼ばれた榊原英資元財務官は「わたしが介入した時には米国が同 意した」と語った上で、「米国は現在、ドルの段階的な下落を歓迎している。 米財務省は米自動車業界を支援する姿勢だ。このことが、日本の現在の対応に 影響を与えている」として指摘した。

日本経済は、アジアに対する成長依存度が高まったため、米景気減速の影 響を以前より受けなくなった。昨年の輸出全体に占める対米輸出の割合は、2000 年の約30%を下回る約20%だった。対アジアは約50%を占めた。

形勢は逆転

国際通貨基金(IMF)が1月29日に示した見通しによると、世界2位の 経済大国である日本の今年の成長率は1.5%となり、米国と肩を並べる可能性が ある。日本の成長率が米国と同水準かそれ以上になるのは91年以来だ。

榊原氏は「米国に比べ、日本の成長率は比較的堅調だ」と指摘。「形勢は 逆転した」として、円相場が90円を抜けて80円に向かわない限り、米当局が ドル買い介入を支持することはないだろうとの見通しを示した。

円相場は昨年6月以降これまでに19%上昇。先週は、週間騰落率が主要16 カ国中スイス・フランに次ぐ2位となり、1ドル=102円67銭で取引を終えた。

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