日本株は輸出中心続落へ、米雇用減と円高警戒-機械受注も注意(2)

週明けの東京株式相場は続落する見通し。 2月の米国雇用統計で雇用者数が大幅減となり、米住宅問題の広がりによる実 体経済への悪影響が深刻さを増してきた。外国為替市場での円高基調を背景と した採算悪化懸念も重なる自動車や電機など、輸出関連株を中心に幅広く売り が先行しそうだ。国内景気の先行きを占う上で、朝方発表される機械受注統計 も注目される。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「米景気後退懸念があらためて 意識されており、株式相場では下値不安を解消しづらい状況にある」と話して いる。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)による資金供給枠拡大の決定を 受け、「金融市場の流動性が改善に向かっていることは評価できる」(同氏) とし、朝方の売り一巡後は下げ渋る場面も想定されるという。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の7日清算値は1万 2655円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万2760円)に比べて105円安だ った。7日の日経平均株価は1万2782円80銭で取引を終えていた。

2月の米雇用6万人減、米株は昨年来安値

米労働省が7日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比6万3000人減少。減少は2カ月連続 で、減少幅は2003年3月以来で最大だった。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は2万3000人増。1月の雇用者数も2万 2000人減と、速報値の1万7000人減から下方修正された。

米国の雇用状況が悪化に向かい、景気の先行き不安が高まったことを受け、 7日の米株式相場は、主要株価指数が軒並み昨年来安値を更新した。ダウ工業 株30種平均は前日比146.7ドル(1.2%)安の11893.69ドルと、06年10月以 来の安値で取引を終了。ナスダック総合指数も同8.01ポイント(0.4%)下げ

2212.49と、06年9月以来の安値で終えた。

一時101円台前半、FRBは資金供給拡大

7日のニューヨーク外国為替市場では、米雇用者数が予想外に減少したこ とでドルが売られ、円・ドル相場は午前に一時1ドル=101円43銭と、2000 年1月以来の円高・ドル安水準を付けた。ただその後、FRBがターム物資金 入札の規模を当初予定から引き上げるなどと発表したことを受けてドルは買い 戻され、結局1ドル=102円台後半で取引を終えた。

10日早朝の東京外国為替市場では、1ドル=102円30銭近辺で推移。昨 年12月の日銀短観では、大手製造業の07年度の想定為替レートは1ドル= 116円7銭(下期は113円79銭)となっており、現在の水準は企業経営者の想 定をはるかに超える円高・ドル安だ。こうした為替の動きは、米国の景気不安 とともに日本の輸出関連株には収益の先行き懸念が誘発される点で逆風となり そう。

米国で今年2件目の銀行破たん

米連邦預金保険公社(FDIC)は7日、ミズーリ州の地銀ヒューム・バ ンク(資産規模1870万ドル=約19億円)の閉鎖を発表した。FDICに加盟 する銀行の破たんは今年2件目となる。これを受け、金融システム不安が意識 され、銀行や証券など金融株の一角も軟調な展開を強いられる可能性がある。

機械受注で波乱も

内閣府は、午前8時50分に1月の機械受注統計を発表する。ブルームバ ーグ・ニュースが事前に民間調査機関33社を対象に調査したところ、国内設 備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)の予想平 均値は前月比2.6%増(前回2007年12月はマイナス3.2%)と、3カ月ぶり の増加が見込まれている。振れの大きい統計で、市場予想から大きく外れるこ とも考えられ、その場合は設備投資関連株を中心に波乱となる可能性がある。

ナナオやロックフィに売り公算、ソニーに注目

個別では、主力製品の売り上げ不振などで2008年3月期の業績予想を下 方修正したナナオや山一電機、原材料価格の高騰などを理由に08年4月期の 業績予想を減額修正したロック・フィールドが売られそうだ。

半面、4月下旬から業務用小麦を値上げすると8日付の日本経済新聞朝刊 で報じられた日清製粉グループ本社や日本製粉、4月以降に製品価格を再値上 げすると10日付の日経新聞朝刊が報じた日本ペイントと大日本塗料などが買 われる可能性がある。

このほか、NTTドコモ向けの携帯電話機事業から事実上撤退すると10 日付の日本経済新聞朝刊が伝えたソニー、プラズマテレビ用パネル生産からの 撤退発表と同時に、08年3月期の連結最終損益予想を従来の60億円の黒字か ら150億円の赤字に変更したパイオニアの株価動向も注目される。

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