ヤマハ発社長:インドから欧州に二輪車を輸出へ-早ければ来年にも

自動二輪車生産で世界2位、ヤマハ発動機は 早ければ来年にもインドから欧州に二輪車の輸出を開始する。ヤマハ発は赤字が 続くインド事業の再建策の一環として、欧州向けをベースにしたスポーツタイプ モデルに生産車種を全面的に切り替える計画。その一部を欧州にも供給すること で、工場の稼働率向上につなげるのが狙い。ヤマハ発の梶川隆社長が6日、ブル ームバーグニュースのインタビューで明らかにした。

ヤマハ発はこれまで、東南アジアで販売している廉価モデルをそのままイン ドで生産、販売してきたが、現地メーカーが得意とするカテゴリーだけに「太刀 打ちできなかった」(梶川社長)のが現状で、赤字の原因にもなっていた。この ため、欧州向けをベースに「ヤマハ発のブランドイメージであるスポーティーで ハイパフォーマンスなモデル」(同)で、インド市場向けに複数車種を新たに開 発。6月から順次投入し、全面的に切り替える方針。

さらに梶川社長は、インドでつくった低コスト商品は欧州でも売れるとした うえで「インドを欧州への輸出拠点として考えたい」と述べ、今年から3年間の 中期経営期間中の「できるだけ早い時期に実現したい」との考えを示した。

クレディスイス証券の遠藤功治シニアアナリストは「インドとヨーロッパは テイストがとても似ている。安い値段でつくって輸出するというのは理にかなっ ている。利益を出そうと思ったら、輸出で稼働率を上げるのは一つのやり方」と みる。

ヤマハ発は中計で、インド事業の再建を最重要課題の一つに据えている。ヤ マハ発によると2007年のインドの二輪車需要は730万台で、中国に次ぐ世界第 2位の市場となっている。しかし、ヤマハ発の同年の販売実績は12万台で、シ ェアが1.6%と大きく出遅れ、赤字が続いている。07年は88億円の営業赤字だ った。

このためヤマハ発は今後3年でインド事業に70億ルピー(約200億円)を 投じ、専用モデルの開発をはじめ、販売網の再構築などに乗り出す。中計の最終 年度となる10年には販売台数を65万台まで引き上げるとともに、インド事業の 営業損益を収支均衡にまで改善する計画。

ヤマハ発のインドの二輪車年産能力は70万台程度あるが、07年の生産実績 は輸出分も含めて16万5000台だった。新商品への切り替えに加えて、欧州向け 輸出を開始することで、稼働率向上も図る。

インド事業で三井物産と協調

インド事業をめぐっては、昨年にヤマハ発の株式を取得した三井物産の協力 も仰ぐ。ヤマハ発が昨年10月にニューデリー近郊に設立した二輪車製造会社、 インディア・ヤマハ・モーター(IYM)が発行する第三者割当増資を三井物産 が引き受ける。IYMの現在の資本金は15億ルピー(約39億円)だが、4月末 までに26億ルピーに増資する段階で、三井物産の出資比率を30%にする。さら にIYMは年末までに56億ルピーにまで増資し、この時点でも両社の出資比率 は7対3を維持する。

梶川社長はインド事業に関して物流や販売網の構築など、三井物産に「われ われの弱いところをどんどん手伝ってもらう」としている。さらに現在、インド にある全額出資の販売会社を年内にもIYMに吸収し、「生産、販売を一緒にし て一から出直す」としている。

ヤマハ発の株価は前日比107円(5.3%)安の1898円(午前10時32分現 在)。

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