米国債(7日):3カ月物Tビル利回り上昇-FRBの流動性供給で(2)

米国債市場では3カ月物財務省短期証券 (Tビル)利回りが上昇。連邦準備制度理事会(FRB)が信用危機深刻化へ の対応で、向こう1カ月で2000億ドルもの流動性を供給する計画を明らかに したことが影響した。

朝方は2月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想外に減少したことか ら、住宅不況がリセッション(景気後退)を招くとの懸念があらためて強まり、 3カ月物Tビルの利回りは3年半ぶりの水準に押し下げられていた。このあと にニューヨーク連銀が期間28日のレポ(売り戻し条件付き買いオペ)で150 億ドルを供給したことが伝えられると、利回りは上昇に転じた。

モルガン・スタンレーの米国債・機関債チーフストラテジスト、ジョー・ ゴンキャルベス氏はFRBの流動性供給について、「信頼感を押し上げる効果 がある」と指摘。「市場から不安プレミアムを一部取り除くものだ」と付け加 えた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後3時40分現在、 3カ月物Tビルの利回りは8bp上昇して1.44%。一時は2004年7月以来の 最低となる1.31%まで下げた。週間ベースでは40bpの低下。

2年債利回りは前日とほぼ変わらずの1.52%。一時は2003年7月以来 の1.40%に低下していた。週間では10bpの低下。サブプライム(信用力の低 い借り手向け)住宅ローンの返済遅延が急増し、信用危機が始まった昨年6月 からは350bp以上水準を切り下げている。

10年債利回りは3bp下げて3.55%。週間では3bp上昇した。

FRBの資金入札

FRBは3月10日、24日に予定しているターム物資金入札の規模をそれ ぞれ500億ドルと、従来の300億ドルから引き上げると発表した。公開市場 操作(オペ)で期間28日のレポ(売り戻し条件付きの買いオペ)を通じて 1000億ドルを注入していく方針も明らかにした。

ドレスナー・クラインオートのエコノミスト、ダナ・サポータ氏は、「こ うした措置は銀行システムで高まっている流動性圧力の緩和に役立つと考えら れるが、だからといって18日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に向け た当社の大幅利下げ予想に変わりはない」と述べた。「これまでは0.5ポイン トの利下げを予想していたが、過去3カ月の民間雇用者数が14万1000人減 少したことを考慮すれば、0.75ポイントの可能性は十分考えられる」と付け 加えた。

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業 所調査、季節調整済み)は前月比6万3000人減少した。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は2万3000人増だった。家計調 査による1月の失業率は4.8%と、1月の4.9%から低下した。失業率の低下 は失業者の一部が職探しをあきらめ、労働人口が縮小したのが背景だ。

FRBが流動性供給計画を発表する前の時点では、シカゴ商品取引所(C BOT)で取引されるフェデラルファンド(FF)金利先物の動向に基づくと、 18日のFOMC会合までに1ポイントの利下げがあるとの確率が34%に達し ていた。その後FRBの発表を経て、1ポイント利下げ予想は消え、0.75ポ イント利下げにシフトした。

1月30日のFOMCではFF金利誘導目標は0.5%引き下げられて3%に 設定された。現在の利下げ局面が9月に始まって以来、5度目の利下げだった。

---With reporting by Deborah Finestone and Sandra Hernandez in New York and Craig Torres in Washington. Editors: Dave Liedtka, Dennis Fitzgerald.

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関する記者への問い合わせ先: Daniel Kruger in New York at +1-212-617-2986 or dkruger1@bloomberg.net Liz Capo McCormick in New York at +1-212-617-7416 or emccormick7@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Dave Liedtka at +1-212-617-8988 or dliedtka@bloomberg.net.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE