東京外為:ドル続落、米雇用指標を警戒-ユーロは史上初の1.54ドル台

週末の東京外国為替市場ではドルが続落。 米景気の後退懸念や信用不安の拡大を背景に株安が進む中、米雇用統計の下振 れの可能性も意識され、ドルは対円で1ドル=102円台半ばと約3年1カ月ぶり の安値を更新。対ユーロでは史上初となる1ユーロ=1.54ドル台へ下落した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の佐藤大調査役は、米雇用統計につい て、市場は悪い数字を織り込んでいるため、仮に予想よりも強めの内容となれ ば、若干のドルの買い戻しにつながる可能性はあるとしながらも、「ドル売り、 リスク回避の動きは根本的に変わらないので、ショートカバーの範囲を出ない」 と予想。ドルの反発余地は限られるとみている。

ドル、対円で3年1カ月ぶり安値更新

この日の東京市場は、米国の景気減速懸念や信用不安の拡大を背景に「株 安・ドル安」が進んだ海外市場の流れを引き継ぎ、朝方からドル売りが先行。 ドル・円は1ドル=102円65-70銭付近で早朝の取引を開始すると、午前8時前 には一時、102円半ば付近までドルが値を下げた。

その後は、「輸入企業の買いや一部投信の買いのうわさ」(佐藤氏)もあ り、午前11時前には102円91銭までドルが下げ幅を縮小。しかし、103円ちょ うど付近は重く、午後にかけてはずるずると値を切り下げ、欧州時間に向けて は102円36銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と2005年1月19日 以来の安値を付けた。

ユーロ・ドルも早朝の取引で、前日に付けたドル最安値を下回る1ユーロ =1.5395ドルまでドル売りが進行。その後は、オプション・トリガーの存在が 指摘される1.5400ドル手前でドルは下げ渋る格好となったが、午後には再びド ル売りが強まり、1.5400ドルを突破。1.5430ドルの史上最安値を記録した。

一方、欧米株安を受けリスク回避に伴う円買い戻しが進む中、ユーロ・円 は7日早朝にかけて一時、1ユーロ=157円70銭まで円高に振れたが、その後 は158円ちょうど付近でもみ合う展開が続いた。

米雇用統計の下振れを警戒

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 発表される2月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比2万3000人 増加したもよう。1月は同1万7000人減と03年8月以来、初めての減少とな ったが、2月も労働力人口の伸びと均衡するのに必要な約10万人増を大きく下 回る見通しで、2月の失業率も5%と、前月の4.9%から上昇すると予想されて いる。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の佐々木融チーフFXストラテ ジストは、今週発表された民間雇用統計では雇用の減少が示されており、きょ うの雇用統計でも雇用者の増減が「ひょっとするとマイナスになる可能性」が あると指摘。原油高や株安が進み、市場が非常に不安定な状況にある中で、雇 用統計が仮にマイナスになれば、「一気にドル・円の下げが加速する可能性は 十分ある」と語る。

6日の海外市場では、信用不安の拡大から米国株が大幅反落。7日の東京 株式相場も急落し、日経平均株価は前日比430円超の下げとなった。

日銀総裁人事

福田康夫内閣は7日午後、19日に任期満了を迎える日本銀行の福井俊彦総 裁の後任に、武藤敏郎副総裁(元財務次官)を昇格させ、副総裁に元日銀理事 の白川方明京大教授、経済財政諮問会議民間議員の伊藤隆敏東大大学院教授を 起用する人事を衆参議院運営委員会の「合同代表者会議」で与野党に提示した。

日銀はこの日、福井総裁の下で最後となる金融政策決定会合で、無担保コ ール翌日物金利の誘導目標を「0.5%前後」とする方針を維持することを全員一 致で決めた。

みずほコーポレート銀の佐藤氏は、日銀総裁の後任人事について、「実は あまり関心がない」としながらも、「空席というような話になってくると、こ の先介入などがしにくくなるのではないかというような投機筋の思惑を呼びや すい」と指摘する。

ユーロ・ドル、1.55ドルが視野

一方、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は6日の会見で、「中・長 期的なインフレ期待をしっかりと抑制することが、政策委員会にとって最優先 事項」であるとし、市場の早期利下げ観測をけん制した。また、為替相場につ いては、米国の「強いドル政策」を注視している姿勢を示したものの、ユーロ 上昇に対する懸念を表明することは避けた。ECBは同日開いた定例政策委員 会で政策金利を4%に据え置いた。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、「米国の経 済指標が悪くなり、一段の利下げが見込まれる中、ファンダメンタルズ(経済 の基礎的諸条件)に沿ったドル安は仕方がない」とした上で、トリシェ総裁が ユーロ高をけん制しなかったことでユーロ買い・ドル売りに安心感が広がって いると指摘。「米雇用統計で悪い数字が出ようものなら、1.55ドルということ もあり得る」とみている。

-共同取材:柿崎元子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Hidenori Yamanaka

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