日本株(終了)急反落、信用不安や円高警戒-輸出や銀行、不動産主導

週末の東京株式相場は急反落。信用不安の 高まりや円高などが重なり、輸出関連や銀行、不動産株中心に幅広く下げた。 トヨタ自動車やソニーなどが大幅安となったほか、業績悪化の新日本製鉄は1 年3カ月ぶりの500円割れ。みずほフィナンシャルグループは終値で04年10 月以来、40万円を割り込んだ。三菱地所が一時7.5%安となるなど、不動産株 の下げは突出し、東証1部の業種別値下がり率で1位。

明治ドレスナー・アセットマネジメントの萩野祐次執行役員は、「米住宅 ローンの延滞率が上昇すれば、金融機関の評価損は増える可能性がある」と指 摘。先行きの懸念を織り込んできた金融市場は、これまで実体経済以上に悪く 見えがちだったとした上で、「足元で発表される指標はその懸念通りになって きている」(同氏)と話した。

日経平均株価の終値は前日比432円62銭(3.3%)安の1万2782円80銭、 TOPIXは39.78ポイント(3.1%)安の1247.77。東証1部の売買高は概算 で20億7743万株、売買代金は2兆3532億円。値上がり銘柄数は180、値下が り銘柄数は1491。業種別33指数では水産・農林を除いた32業種が安く、TO PIXへの下落寄与度が大きいのは、電機、銀行、輸送用機器、化学、鉄鋼、 情報・通信、不動産、卸売だった。

延滞率上昇、信用不安、円高

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響拡大によ る信用不安から、幅広く売られた。全米抵当貸付銀行協会(MBA)による住 宅ローン延滞率(季節調整済み)は、2007年末時点で全体の5.82%と過去最 高を記録。JPモルガン・チェースがスイスのUBSの評価損見積もりを引き 上げたことや、米カーライル・グループ傘下のクレジットファンドがデフォル ト(債務不履行)となったことも信用不安につながり、6日には米S&P500 種株価指数が終値での1月22日安値を下回った。

一方、外国為替市場では急激なドル安・円高が加速し、一時1ドル=102 円40銭台と、直近高値である3日水準より円高が進行。モルガン・スタンレ ー証券では6日、6月末のドル・円予想を102円から97円へと円高方向に見 直した。十字屋証券の岡本征良投資情報室長は、「米ダウ平均に比べ、東京市 場の下げが大きくなっている。円高の動きが要因」としていた。大幅利下げと なれば、「1ドル=100円割れもあり得るかも知れない」(同氏)と警戒する。

日経平均は過度の米政策期待が高まった前日の上昇分(243円)をすべて 失った。一時は前日比470円安の1万2744円と4日安値(1万2883円)を割 り込み、52週安値の1月22日の1万2572円が再び視野に入っている。米国時 間7日には重要経済指標である雇用統計も控え、景気や為替市場の不透明感か ら下値にも買いが入りにくい状況だ。さらにアジア株安も買い手控えムードに つながった。香港ハンセン指数は日本時間午後4時すぎ時点で3%を超す下落。

日米とも下値不安高まる

日米とも下値不安が高まった状況だが、日興コーディアル証券の河田剛シ ニアストラテジストによると、米国での信用不安がその後のリセッション(景 気後退)につながった90年の株価下落率から判断し、「米ダウ工業株30種平 均は1万1300-1万1400ドルあたりが下値めどとなりそう」という。

また、モルガン・スタンレー証券の神山直樹ストラテジストは、「金融機 関の問題や経済指標などはまだ悪い材料が出やすい段階にあり、日本株はまだ 最悪期に達したとの見方は早い」と分析。来週には、52週安値を下回る場面も あり得ると予想していた。

銀行と不動産の下げ目立つ

幅広い業種が下げる中、金融収縮への警戒から銀行株と不動産株の下げが 特に目立った。銀行株ではみずほフィナンシャルグループに続き、きょう三井 住友フィナンシャルグループが1月22日安値を下回って52週安値を更新。三 菱UFJフィナンシャル・グループは安値引けで1月22日安値に並び、銀行 株指数は52週安値となった。

また、不動産株は事業環境の悪化も指摘され、三井不動産や住友不動産な どが52週安値を更新。クレディ・スイス証券が格下げした東急不動産をはじ め、アーバンコーポレーション、レオパレス21、サンケイビルなどが東証1部 値下がり率上位となった。不動産株指数は52週安値となり、東証1部業種別 下落率で1位。東証REIT指数は1400ポイントを割り込み、終値では04年 9月以来の安値。「不動産株は新規優良物件の減少、官製不況の影響、国内景 況感の悪化など悪材料が多い」(明治ドレスナー・荻野氏)という。

SUMCOが大幅安、ドワンゴはストップ高

個別に材料が出た銘柄では、09年1月期連結営業利益が大幅減少見通しと なったSUMCO、業績計画の未達懸念が高まったハニーズ、スパークス・ア セット・マネジメントの持ち株比率低下が明らかになったユーシン精機がそろ って大幅安。午後になって業績予想を減額した石塚硝子も急落した。ユニバー サル造船(川崎市)を子会社化したJFEホールディングスは、利益相反も懸 念されて鉄鋼株指数の下げを先導した。

半面、JPモルガン証券が投資判断を2段階引き上げたドワンゴが値幅制 限いっぱいのストップ高で、東証1部値上がり率の1位。みずほ証券が格上げ した協和発酵工業、次期中期経営計画を策定して業績期待が高まったピジョン、 SUMCOが株式交換で完全子会社化するSUMCO TECHXIVが急伸。

国内新興市場も下落

国内新興市場も下落した。国内外株価の急落からリスク回避の動きが強ま り、ジャスダック指数の終値は前日比1.09ポイント(1.7%)安の63.32と3 日ぶり反落。東証マザーズ指数は19.04ポイント(2.9%)安の634.64、大証 ヘラクレス指数は21.43ポイント(2.1%)安の983.90とそれぞれ反落した。

KBC証券などが格下げしたミクシィ、HSBC証券が投資判断を2段階 引き下げたAQインタラクティブがともに急落。セブン銀行、SBIイー・ト レード証券、サイバーエージェントなども安い。半面、08年1月中間業績が従 来計画を上回る見通しとなったフルスピードやアトラスがそろって上昇。親会 社のエフエム東京が完全子会社化するジグノシステムジャパンはストップ高。

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