日本株:全面安続く、金融不安や円高警戒感強い-不動産は下落率首位

午前の東京株式相場は大幅安。米国での住 宅ローン延滞率が過去最高となったことや金融収縮懸念、円高の影響などから、 輸出関連や金融、不動産を中心に幅広く売りが先行している。業績悪化の新日 本製鉄が売買代金首位で大幅続落したほか、三菱地所が急落。三井住友フィナ ンシャルグループは52週安値を更新した。東証業種別33指数は全業種が安く、 不動産は東証1部業種別下落率トップ。

日興コーディアル証券の河田剛シニアストラテジストによると、前日の米 国株の下げは「ファンドへの直接融資も不良債権化することで、金融機関の資 本増資が十分ではないとの金融不安を織り込み始めたものだ」という。信用不 安がその後のリセッション(景気後退)につながった90年の株価下落率から 判断し、米ダウ工業株30種平均は「1万1300-1万1400ドルあたりが底にな りそう」(同氏)と予想していた。

米ダウの6日終値は前日比1.8%安の1万2040ドルで、1月22日安値は 1万1634ドル。

午前10時18分時点の日経平均株価は前日比372円27銭(2.8%)安の1 万2843円15銭、TOPIXは32.70ポイント(2.5%)安の1254.85。東証1 部の売買高は概算で7億3653万株。値上がり銘柄数は138、値下がり銘柄数は 1512。東証業種別33指数の騰落状況でTOPIX下落寄与度が大きいのは、 電気機器、銀行、輸送用機器、化学、情報・通信、不動産など。

日経平均は4日安値下回る

金融不安の高まりや円高の進行から、日経平均は前日の上昇分(243円) をすべて失った。4日安値の1万2883円水準を割り込んだことで、取引時間 ベースでは1月23日安値の1万2619円、1月22日の1万2572円に接近しつ つある。米国時間7日には重要経済指標である雇用統計を控えていることで、 同統計への警戒から下値にも買いが入りにくい状況となっている。

十字屋証券の岡本征良投資情報室長は、「米ダウ工業株30種平均に比べ、 東京市場の下げが大きくなっている。為替の円高の動きが要因だろう」と述べ た。18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で大幅利下げとなれば、「1ド ル=100円割れもあり得るかも知れない」(同氏)という。

全面安となるこの日の東京市場で、銀行や不動産の下げがきつい。三菱地 所は一時前日比6.7%安と急反落し、クレディ・スイス証券が格下げした東急 不動産は東証1部値下がり率1位。不動産株指数は52週安値となり、東証1 部業種別下落率1位。東証REIT指数は1400ポイントを割り込み、04年12 月以来の安値水準となった。

またクレディS証では、積水ハウスや松下電工などの投資判断も引き下げ ており、不動産関連の下落は住宅、住設メーカー株などにも波及している。

米住宅ローン延滞率は過去最高、為替は102円台

全米抵当貸付銀行協会(MBA)が6日発表した統計によると、住宅ロー ン延滞率(季節調整済み)は2007年末時点で全体の5.82%と過去最高を記録。 JPモルガン・チェースは6日、スイスのUBSが保有するプライムAlt- Aローン資産を「投げ売りした可能性が高い」としてUBSの評価損見積もり を185億フランに引き上げた。米カーライル・グループ傘下のクレジットファ ンド、カーライル・キャピタルは6日、デフォルト(債務不履行)通知を受け 取ったと発表した。5日の担保差し入れ要請に応じられなかったという。

また、外国為替市場では急激なドル安・円高が加速し、東京時間早朝では 一時1ドル=102円40銭台と、直近高値である3日水準より円高が進んでいる。

SUMCOが急落、ドワンゴは大幅高

個別に材料が出た銘柄では、09年1月期連結営業利益が大幅減少見通しと なったSUMCOが急落。ユニバーサル造船(川崎市)を子会社化したJFE ホールディングスも大幅安。08年2月期の単体純利益が計画を下回ったもよう の西松屋チェーンは反落。6日付でモルガン・スタンレー証券が目標株価を引 き下げた日本ゼオンも急落している。

半面、JPモルガン証券が投資判断を引き上げたドワンゴ、次期中期経営 計画を策定して業績期待が高まるピジョンがともに大幅高。前日値幅制限いっ ぱいのストップ高となった協和発酵工業は続伸。

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