日本株は大幅反落、信用不安や円高警戒再燃-輸出や銀行、不動産主導

午前の東京株式相場は大幅反落。信用不安 や円高などが重なり、投資家がリスクを回避する動きが広がった。輸出関連や 銀行株中心に東証業種別33指数はすべて安く、日経平均株価の下げ幅は一時 前日比470円に達した。新日本製鉄やトヨタ自動車、ソニーなどが大幅安。み ずほフィナンシャルグループは40万円割れで、04年10月以来の安値となった。 三菱地所が一時6.7%安となるなど、不動産株の下げは突出した。

T&Dアセットマネジメントの天野尚一ファンドマネジャーは、「貸し出 しや株など信用を背景にした金融資産が回避される動きはある。リスクテイク をしていく環境と投資家が判断するには、時期尚早」との見方を示した。

日経平均株価の午前終値は前日比378円60銭(2.9%)安の1万2836円 82銭、TOPIXは32.99ポイント(2.6%)安の1254.56。東証1部の売買 高は概算で9億9141万株、売買代金は1兆816億円。値上がり銘柄数は211、 値下がり銘柄数は1423。業種別33指数でTOPIXへの下落寄与度が大きい のは、電気機器、銀行、輸送用機器、化学、情報・通信、不動産など。

日経平均は4日安値下回る

金融不安の高まりによる米国株安や円高の進行から、日経平均は前日の上 昇分(243円)をすべて失った。一時は1万2744円まで下げ、4日安値(1万 2883円)を割り込んだ。円高の進行がやや鈍化するとともに午前終了にかけて はやや下げ渋ったが、取引時間ベースで1月23日安値の1万2619円、52週安 値1月22日の1万2572円が再び視野に入っている。米国時間7日には重要経 済指標である雇用統計も控え、景気や為替市場の不透明感から下値にも買いが 入りにくい状況だ。

市場が懸念しているのは米国株安の動向。6日にはS&P500種株価指数 が終値での1月22日安値を下回り、先行きへの不安感が高まっている。日興 コーディアル証券の河田剛シニアストラテジストによると、前日の米国株の下 げは「ファンドへの直接融資も不良債権化することで、金融機関の資本増資が 十分ではないとの信用不安を織り込み始めたものだ」という。

米国での信用不安がその後のリセッション(景気後退)につながった90 年の株価下落率から判断し、河田氏は米ダウ工業株30種平均の下値めどを1 万1300-1万1400ドルあたりと予想していた。米ダウ工業株30種平均の6日 終値は前日比1.8%安の1万2040ドル。

一方、外国為替市場では急激なドル安・円高が加速し、東京時間午前では 一時1ドル=102円40銭台と、直近高値である3日水準より円高が進んだ。十 字屋証券の岡本征良投資情報室長は、「米ダウ平均に比べ、東京市場の下げが 大きくなっている。為替の円高の動きが要因だろう」と述べた。18日のFOM C(米連邦公開市場委員会)で大幅利下げとなれば、「1ドル=100円割れも あり得るかも知れない」(同氏)と警戒する。

銀行と不動産の下げきつい

全面安となったこの日の東京市場で、米サブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン問題の影響拡大による信用不安から、銀行や不動産の下げが きつい。三井住友フィナンシャルグループが52週安値を更新なるなどメガバ ンク中心に下げ、銀行株指数は52週安値を更新。また、東証1部売買代金2 位となった三菱地所が急反落し、クレディ・スイス証券が格下げした東急不動 産は値下がり率1位。不動産株指数も52週安値となり、東証1部業種別下落 率で1位となった。東証REIT指数は1400ポイントを割り込み、04年12月 以来の安値水準。

またクレディS証では、積水ハウスや松下電工などの投資判断も引き下げ ており、不動産関連の下落は住宅、住設メーカー株などにも波及している。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)が6日発表した統計によると、住宅ロー ン延滞率(季節調整済み)は2007年末時点で全体の5.82%と過去最高を記録。 JPモルガン・チェースは6日、スイスのUBSが保有するプライムAlt- Aローン資産を「投げ売りした可能性が高い」としてUBSの評価損見積もり を引き上げた。米カーライル・グループ傘下のクレジットファンド、カーライ ル・キャピタルは6日、デフォルト(債務不履行)通知を受け取ったと発表し た。5日の担保差し入れ要請に応じられなかったという。

SUMCOが値下がり2位、ドワンゴは値上がり首位

個別に材料が出た銘柄では、09年1月期連結営業利益が大幅減少見通しと なったSUMCOが急落して東証1部値下がり率2位となった。モルガン・ス タンレー証券が目標株価を引き下げた日本ゼオンも急落し、通期の受注高が会 社想定を下回るとの懸念が浮上したコーセルは5年ぶり安値。ユニバーサル造 船(川崎市)を子会社化したJFEホールディングス、午後4時発表の構造改 革を前に足元の業績悪化懸念が広がったパイオニアも安い。

半面、JPモルガン証券が投資判断を引き上げたドワンゴが値上がり1位 となり、次期中期経営計画を策定して業績期待が高まるピジョン、前日値幅制 限いっぱいのストップ高となっていた協和発酵工業もそろって急伸した。売買 代金上位では、ロンドン金属取引所の銅相場最高値を受けて住友金属鉱山が続 伸したほか、丸紅や三洋電機が堅調。

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