NY外為:ユーロが対ドル最高値更新、ECBのインフレ警戒で(2)

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドル に対して最高値を記録。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が「インフレ には短期的に強い上昇圧力」があると述べ、利下げを急がない姿勢を示したの が背景。

ユーロは英ポンドに対しても高値を記録。ECBはこの日、定例政策委員会 を開き、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買い オペ=レポ)の応札最低金利を4%に据え置くことを決めた。ブルームバー グ・ニュースが実施したエコノミスト調査では据え置きが予想されていた。2 年物ドイツ国債と同年限の米国債の利回り格差は、過去15年で最大に拡大し た。トレーダーは米連邦公開市場委員会(FOMC)が今月の会合で追加利下 げを決定すると見込んでいる。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツ(コネティカット州グリニッ チ)の国際通貨ストラテジー北米責任者、アラン・ラスキン氏は、トリシェ総 裁の発言は「ドル売りを後押しした。トリシェ総裁は米ドルを支援するために ECBが何か明らかな措置を講じる意向はないことを示唆している」と語り、 発言内容は「ECBにとって今は利下げしづらい時期にある」ことを示唆した ものだと述べた。

ニューヨーク時間午後3時53分現在、ユーロはドルに対して1.5378ドル (前日は1.5265ドル)、一時は1ユーロ=1.5380ドルの最高値まで上昇した。 円はドルに対しては102円57銭(前日は104円1銭)、ユーロに対して157円 73銭に上昇、前日は1ユーロ=158円76銭だった。

ユーロは過去8営業日のうち7営業日で最高値を更新した。昨年11月以降、

1.43-1.49ドルで推移していたが、コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副 議長が2月26日にインフレよりも「金融市場や景気の逆風が米経済の厚生に とってより大きな脅威である」と述べたのを手掛かりに、ユーロが対ドルで

1.50ドルを突破し、上昇が始まった。

トリシェ総裁発言

トリシェ総裁は定例政策委員会後の記者会見で、「最新のデータから、イン フレについて短期的に強い上昇圧力および物価安定に対する上昇リスクがある ことが確認された」と述べ、「当局は金利先物市場の動きに左右されることは ない」と続けた。

同総裁はまた、「米大統領や米財務長官などの当局者が大西洋の向こう側で 繰り返している、強いドルが米国の国益だという発言を強い関心を持って留意 している」と語った。

ユーロは対英ポンドで1ユーロ=76.92ペンスと、最高値を記録。イングラ ンド銀行(BOE)は金融政策委員会(MPC)で、政策金利のレポ金利を

5.25%に据え置くことを決めた。予想通りの結果だった。ユーロの対英ポンド はほぼ変わらずの76.46ペンス。

ドルの下落

ドルはFOMCの追加利下げ観測を材料に下落している。主要6通貨に対す るインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は8日連続で低下し

72.901と、過去最低水準だった。 全米抵当貸付銀行協会(MBA)が発表した 統計で、米住宅ローンの延滞に伴う住宅差し押さえが2007年末時点で過去最 高水準を記録したのが背景。

ドルはスイス・フランに対しても最安値の1ドル=1.0225スイス・フランだ った。

金利先物市場動向によると、3月18日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.75ポイント引き下げられる確率は74%となって いる。残る26%は0.5ポイントの利下げを見込んでいる。

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