MFグローバルの小麦不正取引:元トレーダーに自己破産と借金の過去

小麦の不正取引で1億4150万ドル(約150 億円)の損失を出したMFグローバルの元トレーダー、エバン・ブレント・ド ーリー氏(40)は、2002年に自己破産を申請して自宅と自動車を失い、その後 も家族や友人から借金をしていたことが明らかになった。

ドーリー氏に関する公文書やインタビューからは、財政的に何度も破たん しながらも、困難からの脱出を図る男の姿が浮かび上がる。離婚裁判所の記録 によると、同氏は、ミシシッピ州チュニカのカジノで一晩中ギャンブルに興じ ることもあった。

先物取引で最大手のMFグローバルは先週、同社のメンフィス事務所に勤 務していたドーリー氏が「権限を大幅に上回る」小麦先物取引を行ったことが 明らかになったため、同氏を解雇した。MFグローバルは直ちにリスク管理を 強化し、外部監査を要請。ただ、ドーリー氏のような経歴を持つ人物が、なぜ 同社の安全管理を回避できたかについては説明していない。

ボストン大学のマーク・ウィリアムズ教授(金融学)は「これだけの規模 の損失が出る場合、管理システムに問題があったことは間違いない」と指摘す る。

MFグローバルの広報担当者、ダイアナ・デソシオ氏は5日のインタビュ ーで、「身元調査では、ドーリー氏の採用の妨げになるような要素はなかったよ うだ。わが社は内部調査を続けており、現時点では詳細なコメントはできない」 と述べた。

MFグローバルのケビン・デービス最高経営責任者(CEO)は2日付の顧 客向け書簡のなかで、同社の資本状況は引き続き良好であり、必要な受注シス テムの「調整」を既に行ったとしている。

デービスCEOは先週、アナリストらに対し、ドーリー氏が自身の口座で、 2月27日の午前零時から6時までの間に「非常に、非常に迅速に」小麦先物の 「大量のポジション」を積み上げることができたことを明らかにした。事情に 詳しい関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、ドーリー氏は、シ カゴ商品取引所(CBOT)で小麦7500万ブッシェルを手当てするために1万 5000枚以上を売買した。時間外取引の相場に基づくと、ポジションの総額は約 8億ドルから10億ドルに上る。

自己破産

MFグローバルの代理人で、法律事務所、カッテン・マーチン・ローズマ ン(シカゴ)のシェルドン・ゼナー氏によると、シカゴの検察当局がドーリー 氏の取引を捜査している。デービスCEOは「会社のリテール取引部門に隔離 されたターミナルが数台あり、これらに関しては購入量が管理されていない状 態だった」と述べ、迅速な取引に関しては制限が効かない状況だったことを明 らかにした。ドーリー氏の取引は社内で発覚し、今後このような取引は不可能 であるとしている。

ドーリー氏の2番目の妻であるロリ・ドーリー氏(42)は電話インタビュ ーで、自身は乳がんの治療中で、夫と4歳の娘とともに困難な状況と闘ってお り、「前向きな姿勢でいるよう努めている」と語った。ロリ氏が所有者として登 録されているミシシッピ州デソトにある自宅は7万7035ドルと査定されている。

ブレント・ドーリー氏は02年、メンフィスとシカゴにある商品ブローカー 2社に関連する無担保の負債39万590ドルを抱えて自己破産。連邦所得税の確 定申告書によると、02-05年には個人的な取引による損失として9万ドルを計 上している。また、裁判所の記録によると、離婚後の扶養手当と養育費1万252 ドルの支払いも滞っている。

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