日本株(終了)商社や金融中心反発、商品高や為替不安後退-午後先物

東京株式相場は上昇し、TOPIXは6日 ぶり反発。米国景気や急速な円高進行など外部環境に対する過度の不安が和ら ぎ、午後には先物主導で一段高となった。原油最高値など商品市況の高騰を背 景として、三菱商事が売買代金トップで3日続伸となるなど大手商社株が総じ て高い。金融機関の損失縮小期待から、銀行や保険、不動産なども買われた。

岡三投資顧問の伊藤嘉洋常務は、「株価が売られ過ぎ水準にあっただけに、 円高一服や経済指標、米住宅ローン政策といった外部環境改善への反応度が大 きくなった」と指摘した。

日経平均株価の終値は前日比243円36銭(1.9%)高の1万3215円42銭、 TOPIXは23.64ポイント(1.9%)高の1287.55。東証1部の売買高は概 算で19億9256万株、売買代金は2兆2464億円。値上がり銘柄数は1476、値 下がり銘柄数176。東証業種別33指数の騰落状況では、鉄鋼と空運を除く31 業種が値上がりした。指数への寄与度が高い業種は、銀行、電気機器、輸送用 機器、卸売、化学、保険など。

円高、米統計、住宅ローン

円高、米経済指標の悪化、アジア株安という外部環境の懸念材料が、やや 改善を示した。原油相場が過去最高値を付けたことで商品輸出国の株価が上昇 するとの見方が強まり、外国為替市場では1ドル=104円台まで円安が進行。 米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総合景況指数も予想 を上回った。特に為替に関しては、「対ドルで101円台へ向かうリスクがいっ たん後退したことで、株価指数先物へ買い戻しが入った」(三菱UFJ証券の 藤戸則弘投資情報部長)という。

また、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に対する 政策への期待も上昇を後押しした。6日の米国株相場の通常取引時間中に、 「下院金融小委員会のフランク委員長が、早ければ来週にも住宅ローンを政府 が買い取る法案を提案する計画であると語った」とのニュースが各メディアで 流れた。米国株はこのニュースに対して反応薄だったものの、TOPIXが前 日には今年初の5連敗となるなど株価水準は低かっただけに、東京市場では 「サブプライム問題の根源に一歩踏み込んだとして次第に売り方が慌てた」 (岡三投資顧問の伊藤氏)。これまで、この問題の余波で株価が下落傾向にあ った銀行株や保険株などは午後に上げ幅を拡大させた。さらに世界的な景気後 退懸念でこれまで売られていたアジア株の上昇も、市場全体の追い風となった。

米雇用統計にらみ

もっとも、日経平均は一時前日比393円高の1万3365円まで上昇しなが ら、取引終了にかけては伸び悩み傾向も顕著だった。7日の米雇用統計を占う 意味で注目された、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズの集計調査によると、2 月の米民間部門の雇用者数は2003年6月以来のマイナスに落ち込んだ。三菱 U証の藤戸氏は、「雇用統計が同様にマイナスの結果となれば、ドルが売り直 されることも考えられる」と、なお警戒感を持って株式市場を見つめている。

市況関連株にぎわう

東証1部の業種別上昇率では、鉱業や卸売など国際商品市況高の恩恵を受 ける業種が上位に並んだ。石油輸出国機構(OPEC)総会で増産の可能性が 示唆されなかったことや地政学要因などから、5日のニューヨーク原油先物相 場は終値で1バレル=104.52ドルと高値を更新。「先進国の景気減速下でも 世界経済は約4%成長が続いており、資源ナショナリズムの動きも資源需給の タイト感につながっている」(ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用 部長)ことが高騰の背景となっている。

ゴールドマン・サックス証券では、08年度原料炭価格見通しをトン当た り250ドルへ再上方修正した。この改定を織り込んだ場合、08年度純利益へ のプラスは三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の順になるとリ ポートで指摘。最も増額の影響が大きいとされた三菱商はこの日の東証1部売 買代金で首位となり、ほかの4社も上昇した。

新興国のおう盛なエネルギー需要が追い風となり、ばら積み船の運賃指標 となるバルチック・ドライ指数は5日で5連騰となった。商船三井が反発した のをはじめ、海運株は東証1部の全10銘柄が上げた。

協発酵がストップ高

個別では、血液がん治療用抗体で米社と契約したと午前の取引終了後に発 表した協和発酵株がストップ高。2月の既存店売上高が好調だったゼビオが大 幅続伸。発行済み株式の割合2.85%に相当する自己株の消却を決議した小森 コーポレーションが大幅高。ゴールドマン・サックス・グループが発行済み株 式総数の7%超を保有していることが明らかになったミスミグループは3日続 伸し、石油天然ガス機構が西豪州沖探鉱事業に出資する豊田通商も堅調。

新日鉄など鉄鋼は安い

半面、鉄鋼株が安い。午後に今期の業績予想を下方修正した新日本製鉄が 一段安となり、JFEホールディングスや住友金属工業も業績警戒から下げた。 クレディ・スイス証券が目標株価を引き下げた日本ガイシは6日続落。

新興市場は上昇

国内新興市場も上昇。東証1部市場の上昇による投資家心理の改善で、下 値での買いがやや優勢となった。ジャスダック指数の終値は前日比1.09ポイ ント(1.7%)高の64.41と続伸。東証マザーズ指数は5.30ポイント (0.8%)高の653.68、大証ヘラクレス指数は11.90ポイント(1.2%)高の

1005.33とそれぞれ5日ぶりの反発。

個別では、サイバーエージェントが値幅制限いっぱいのストップ高となっ たほか、楽天やジュピターテレコム、業績予想を増額したザッパラスが上げた。 純利益予想を引き上げたケア21も堅調。半面、モルガン・スタンレー証券が 格下げしたミクシィがストップ安となり、大量の売り注文を残した。前日上場 のナノキャリアもストップ安で、沖縄セルラー、ngi、日本風力開発も軟調。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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