東京外為:ドル軟調、米金利先安観や雇用統計悪化を警戒-103円台後半

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=103円台後半を中心に、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた 104円01銭からドルが水準を切り下げて推移した。7日の米雇用統計発表を前 に民間の調査結果がマイナスに落ち込むなど、米景気の先行きに対する警戒感 や金利先安観が根強く残ることから、ドルに売り圧力がかかりやすくなってい る。

住友信託銀行マーケット資金事業部門の松本三郎チーム長は、原油相場が 再び上昇基調を強めるなか、原油高は基本的に米景気減速につながるため、ド ルは売られやすいと説明。「あすは米国の雇用統計も控えており、ドル・円相 場は104円台に乗ってくると輸出企業のドル売り需要が強い」といい、103円台 後半ではドルの上値が重くなるとみている。

ECBは政策据え置きへ、ユーロ高けん制に警戒感も

この日は欧州中央銀行(ECB)が政策決定会合を開く。ECBは原油相 場の高騰などを背景にインフレ警戒姿勢を崩していないものの、米国のサブプ ライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題から派生した世界景気の不透 明感から利上げにも踏み込みにくく、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市 場予想では、政策金利が4%に据え置かれると見込まれている。

半面、米国では、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・ プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日に発表した給与 名簿に基づく集計調査で2月の民間部門の雇用者数が2003年6月以来初めてマ イナスに転落。加えて、連邦準備制度理事会(FRB)が同日に公表した地区 連銀経済報告(ベージュブック)では、全米12地区連銀のうち8連銀が管轄地 域の経済成長は年初から鈍化したと報告している。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、米国の雇用については伸びの悪 さが懸念されており、あす発表される雇用統計が弱含みの内容となれば、利下 げ観測が高まると予想。「一方で、ECBは足元のインフレ懸念があるので、 利下げに言質を与えないと思われる」とみている。

このため、「金利を下げる幅とタイミングからいうと、地合いとしてはユ ーロを買いたいという力が強い」(林氏)情勢となっており、前日の海外市場 でユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5303ドル(ブルームバーグ・データ参 照、以下同じ)と、ユーロが1999年1月の導入後の最高値を更新している。

ただ、「1.52ドル程度がユーロ圏側の許容限度かなという感があったが、

1.53ドルまでユーロが上振れたことで、トリシェ総裁が会合後の記者会見で足 元の市場の動きに懸念を示す可能性もある」(林氏)といい、会合後にはユー ロの売り戻しが進む展開もあり得そうだ。

日銀総裁人事の混迷が円に重し

一方で、ドル・円相場は前日の海外市場で、米供給管理協会(ISM)の 非製造業景気指数が市場の予想を上回ったことに加え、米株が上昇したことで、 リスク回避姿勢の緩和から円売りが進行。一時は104円19銭と、2月29日以 来の水準までドル高・円安が進んだ。

また、円弱含みの背景として「日本銀行の総裁人事の混迷が日本への信任 の低下につながっていることから、日本売りといった状況」(住友信託銀・松 本氏)との指摘も聞かれている。福井俊彦総裁は今月19日で任期満了を迎える が、次期総裁人事が難航している。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で、一時1ユーロ=159円21銭と、2月 29日以来の水準までユーロ高・円安が進行。この日は158円台後半で取引され ている。

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