クリーブランド連銀総裁:経済のスラックがインフレ低下に寄与へ(2)

米クリーブランド連銀のピアナルト総裁は 5日、ニューヨークで講演し、国内景気の減速が「高め」の水準にあるインフ レ率の低下に寄与するとの見方を示した。

同総裁は「経済のスラック(たるみ)に加え、エネルギーや商品相場の安 定が、インフレ率をこのところの高めの水準から、物価の安定に沿ったレベル へと低下させることにつながる」と指摘した。

ピアナルト総裁は、景気減速の長期化を避けるため追加利下げが必要だろ うとの考えを示唆することは避けた。これは、バーナンキFRB議長を含めた 金融当局者の過去2週間の発言とは対照的だ。市場関係者は、今月18日のF OMCまでに政策金利のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が少なく ても0.5ポイント引き下げられると予想している。

ピアナルト総裁は今年投票権を持つ連邦公開市場委員会(FOMC)メン バーで、「現在の国内の経済環境は極めて流動的で、米経済は相当規模の一部 リスクに直面している」と語った。同総裁は、インフレ率の高まりと景気減速 のペースはともに自身の予想を上回っているとしてリスクに挙げた。

米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日発表した地区連銀経済報告(ベ ージュブック)によると、全米12地区連銀のうち8連銀が管轄地域の経済成 長は年初から鈍化したと報告した。小売り部門、製造業部門の不振や住宅市場 の低迷が背景。またベージュブックは、原材料価格やエネルギーコストの上昇 を報告した。

弱さは継続

ピアナルト総裁は「経済活動は2007年10-12月期に大きく減速し、そ の弱さが08年1-3月期に入っても継続していることは明白だ」と語った。 ただ、質疑応答で同総裁は、米経済のリセッション(景気後退)入りは予想し ていないと述べた。

また、個人・法人向けの与信縮小による成長「抑制効果」がやがて「小さ くなる」との見方を示した上で、「貸し渋りは経済活動を一層抑制する公算が あり、私個人の基本的な見通しの下振れリスクとなっている」と指摘した。

ピアナルト総裁は、物価関連の数字を「注意深く」監視しており、商品相 場に落ち着きがみられない場合、インフレ率は同総裁の予想を上回って上昇す るリスクが存在すると語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物4月限 は5日、史上初の1バレル=104ドル台で引けた。

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