日本株は上昇、米統計や為替への不安感和らぐ-商社など活況(2)

午前の東京株式相場は上昇。米国景気や急 速な円高進行に対する過度の不安が和らぎ、幅広い業種で買いが増加した。原 油最高値など商品市況の高騰を背景として、三菱商事が売買代金トップで3日 続伸となるなど大手商社株が総じて高い。鉱業は、午前の東証1部業種別上昇 率1位となった。ソニーやコマツなど輸出関連株も堅調。

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、「先進国の景気減 速下でも世界経済は約4%成長が続いており、資源ナショナリズムの動きも資 源需給のタイト感につながっている」と指摘した。こうした動きは中小企業な どにはコスト増加につながる半面、商社などにとってはプラスになるという。

日経平均株価の午前終値は前日比186円26銭(1.4%)高の1万3158円 32銭、TOPIXは19.06ポイント(1.5%)高の1282.97。東証1部の売買 高は概算で8億3118万株、売買代金は9226億円。値上がり銘柄数は1369、値 下がり銘柄数は237。

東証業種別33指数の騰落状況では、パルプ・紙を除く32業種が値上がり した。指数への寄与度が高い業種は、電気機器、卸売、機械、銀行、化学、輸 送用機器、その他製品など。

101円リスクをいったん回避、ISMも支援

外部環境がやや改善したことで、終始買いが先行する展開となった。市場 関係者が注目しているのは為替の動き。原油相場が過去最高値を付けたことで 商品輸出国の株価が上昇するとの見方が強まり、5日のニューヨーク外国為替 市場では、1ドル=104円台まで円安が進行した。

為替が102円60銭台まで突入した3日には、日経平均は前日比610円 (4.5%)安と急落。その後も円高や米国景気に対する警戒から株価は2日間 ほぼ戻りがない状況にあった。このため、「為替が対ドルで101円台へ向かう リスクがいったん後退したことで、株価指数先物へ買い戻しが入っている」 (三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長)という。

米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総合景況指数は

49.3と、ブルームバーグがまとめた予想47.3を上回った。景気低迷が続いて いるものの、1月の結果ほど足元は厳しくはないことが確認されたことも支援 材料となった。

売買は低調、米雇用統計にらみ

もっとも、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセ ッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した給与名簿に基 づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は2003年6月以来のマ イナスに落ち込んだ。米地区連銀経済報告も景気減速感の強い内容となってお り、「景気に対する疑心暗鬼はなお残るため、雇用統計発表前に結論は出せな い」(野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジスト)と、株価の 先行きには慎重ムードも残っている。

また、米住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージは5日に追加証拠金の 要求に応えられず、債務不履行を宣言されたことを発表した。「先週の段階で 株価には織り込んでいる部分はあるが、金融機関を取り巻く環境は一段と悪化 している」(三菱U証の藤戸氏)との見方も出ていた。

午前の売買代金は、前日午前(9191億円)をやや上回る程度にとどまった。 市場関係者の先行き慎重ムードを反映するように、売買エネルギーは低調だ。

資源株がにぎわう

大手商社株や非鉄金属株、鉱業株など、国際商品市況の上昇による恩恵を 受ける業種が午前の指数の上昇をリードした。石油輸出国機構(OPEC)総 会で増産の可能性が示唆されなかったことや地政学要因などから、5日のニュ ーヨーク原油先物相場は終値ベースで過去最高値の1バレル=104.52ドルを付 けた。

ゴールドマン・サックス証券では08年度原料炭価格見通しをトン当たり 250ドルへ再上方修正した。同改定を織り込んだ場合、08年度純利益へのプラ スは三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の順になるとリポート で指摘。最も増額の影響が大きいとされた三菱商事は午前の売買代金首位とな り、ほかの4社もそろって上げた。

小森が大幅高、新日鉄は軟調

個別では、きょう取引終了後に決算発表を行うSUMCOが急騰。国内で 養殖・漁獲した魚の輸出を始めると6日付の日本経済新聞が伝えたマルハニチ ロホールディングスと日本水産がともに上昇した。発行済み株式の割合2.85% に相当する自己株の消却を決議した小森コーポレーション、発行済株式総数の 割合2.22%に相当する自己株取得を決議したオークワはそれぞれ大幅高。ゴー ルドマン・サックス証券が目標株価を引き上げた三井海洋開発は4日ぶりに反 発した。

半面、きょう取引時間中に業績見通しを発表する予定の新日本製鉄が業績 警戒から軟調。クレディ・スイス証券が目標株価を引き下げた日本ガイシは6 日続落となった。唯一の下落業種となったパルプ・紙では、日本製紙グループ 本社、三菱製紙が下げ、出来高上位では長谷工コーポレーション、積水ハウス などが安い。

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