3月5日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株とNY外為を更新します)

○米国株:上昇。金融保証会社(モノライン)アムバック・ファイナンシャル・ グループが発表した15億ドルの増資計画では同社の救済には不十分との見方が あったが、資源株の上昇がアムバックに対する悲観を打ち消した形。

石油のシェブロンと産金のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ ゴールドを中心に石油株や鉱山株が値上がりした。原油相場が最高値を記録した ほか、金属価格の上昇が買い材料だった。バンク・オブ・アメリカ(BOA)と JPモルガン・チェースは下落、金融株はこれで5営業日連続安となった。アム バックはこの2カ月近くで最大の下落を記録した。

S&P500種株価指数は前日比6.95ポイント(0.5%)上げて1333.7。 ダウ工業株30種平均は41.19ドル(0.3%)高の12254.99ドル。ナスダック 総合指数は12.53ポイント(0.6%)上げて2272.81。ニューヨーク証券取引 所(NYSE)の騰落比率は3対2。

米バンク・オブ・アメリカ(BOA)の主任市場ストラテジスト、ジョゼフ・ クインラン氏は、「景気のなかで期待が持てるのは輸出部門だけだ。それは明ら かにドル安によるものだ。世界的に経済成長は鈍化しているが大きく崩れること はないだろうとの安心感がある」と語った。

資源株

午前中に発表された給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・ プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズの統計で2月の雇用減が 示された。一方、米供給管理協会(ISM)発表の2月の非製造業総合景況指数 が49.3と前月比で約5ポイント上昇したことから、安心感が広がり、株価上昇 につながった。

石油のシェブロンが高い。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引さ れている原油先物4月限は前日比5.00ドル(5.02%)上昇し、終値ベースで過 去最高値の1バレル=104.52ドルで終了した。天然ガスは39セント高の100 万Btu(英国熱量単位)当たり9.741ドル。

フリーポート・マクモランも上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX) COMEX部門の金先物4月限は前日比22.20ドル(2.3%)高の1オンス=

988.50ドルと終値ベースでの最高値を更新した。銀や銅も値上がりした。

ディーア、マイクロソフト

世界最大の農業機械メーカー、ディーアとソフトウエア大手のマイクロソフ トを中心に工業株とテクノロジー株が買われた。ドル安が海外市場での米国製品 の売り上げ拡大につながるとみられた。

ディーアは3%高。ブルームバーグのデータによると同社は売上高の約33% を海外市場に依存している。一方、マミクロソフトは1.9%上昇。同社の売上高 のうち海外市場は約39%を占める。

一方、アムバックは19%安。同社は普通株とエクイティユニット売り出しに よる15億ドルの資本増強計画を明らかにした。

○米国債:10年債が3日続落。地区連銀経済報告(ベージュブック)でエネルギ ーと原材料のコスト上昇が指摘されたことから、インフレ懸念が強まった。

追加利下げはインフレ加速につながるとの見方から、2年債に対する10年 債の上乗せ利回りは2.04ポイントに拡大。2004年3月以来の最大となった。 商品市場では原油価格が1バレル当たり104ドルを突破し、過去最高値を更新。 石油輸出国機構(OPEC)総会で増産の可能性が示唆されなかったことが買い の一因となった。

パイオニア・アセット・マネジメント(ボストン、運用債券資産440億ドル) のポートフォリオマネジャー、リチャード・シュランガー氏は、「イールドカー ブのスティープ化(傾斜拡大)は続く」と予想。「ドル安と原油価格の高騰、商 品価格の急騰。インフレ上昇への圧力だ」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時13 分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)上昇して3.70%。10年債(表面利率3.5%、2018年2月償還)価格は同 19/32下げて98 13/32だった。2年債利回りは1.65%とほぼ変わらず。

ベージュブックによると、ほぼすべての地区連銀が原材料価格やエネルギー コストの上昇に伴う「物価上昇圧力」を報告した。

ベージュブックはまた小売業と製造業の不振、住宅市場の悪化により、「12 地区連銀のうち3分の2は経済活動の速度が弱まった、もしくは減速した」と指 摘した。

TIPSスプレッド

10年物で比較したインフレ連動債(TIPS)と通常国債の利回り格差は 2006年8月以来で最大の2.55ポイントに拡大。投資家のインフレ懸念が反映 された。連邦公開市場委員会(FOMC)は2006年8月、17回連続での利上げ に終止符を打ち、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を5.25%で据え置 いた。

ベル・カーブ・トレーディング(ニュージャージー州フリーホールド)の主 任市場ストラテジスト、ビル・ストラッツーロ氏は、「スプレッドはさらに拡大 する可能性がある」と語る。リセッション(景気後退)に陥る可能性と消費者物 価上昇への懸念に挟まれ、「FOMCは二つの災いのうち、いくらかましなほう を選ばなくてはならない。この場合はインフレがましな災いだと判断した」と述 べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引されるFF金利先物の動向に基づくと、 今月18日のFOMC定例会合までに、現在3%の政策金利が2.25%に引き下げ られる確率は50%。前日の78%から低下した。0.5ポイント利下げの確率は残 る50%となっている。

サービス業の景況感

サービス業の景況感改善を示す経済指標を受け、米経済が景気後退に入ると の懸念が和らいだ。米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総 合景況指数は49.3と、1月の44.6から上昇した。ブルームバーグがまとめた 予想は47.3だった。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

○NY外為:円がユーロに対して下落。過去1カ月余りで最大の下げとなった。 原油相場が過去最高値を更新したため、資源輸出国の株価が上昇するとの見方が 強まり、高利回り資産への需要が高まった。

ドルは対ユーロで最安値を更新。ブラジル・レアルに対しても下げた。ド ルを売って、米国よりも高成長の国の資産を買う動きが強まった。米供給管理 協会(ISM)が発表した2月の非製造業総合景況指数が改善したため、低金 利の日本で資金を調達し、高金利通貨で運用する「キャリー取引」が増えた。

スコシア・キャピタルの通貨戦略共同責任者、カミラ・サットン氏(トロ ント在勤)は「この日は商品高が材料になった。リスク許容度が高まり、円安 につながった」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、円は対ユーロで1ユーロ=158円 90銭と、前日の157円30銭から下落。下落率は1月24日以降で最大。対ド ルでは1ドル=104円8銭と、前日の103円37銭から下落した。ドルはユ ーロに対し、一時1ユーロ=1.5303ドルと、1999年のユーロ導入以来の最 安値を更新した。前日は1.5217ドル。

円は主要16通貨すべてに対して下落した。ISM非製造業総合景況指数 は49.3と、1月の44.6から上昇。ブルームバーグがまとめた予想は47.3 だった。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

アムバック

米金融保証会社(モノライン)大手のアムバック ・ファイナンシャル・ グループが普通株とエクイティユニット売り出しによる15億ドルの資本増強 計画を明らかにした後、円は下げ渋る場面もあった。同社は「AAA」格付け の引き下げを回避しようと方策を模索している。最高格付けを失えば、同社が 保証する5560億ドル相当の地方債や資産担保証券(ABS)が影響を受ける 恐れがあり、投資家はこれらの証券の投げ売りを余儀なくされる可能性がある。

スタンダード・チャータード銀行のシニア通貨ストラテジスト、マイク・ モラン氏は「リスク許容度がやや高まっている」と指摘した。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング (ADP)エンプロイヤー・サービシズが5日発表した給与名簿に基づく集計 調査は朝方のドル売り材料。2月の米民間部門の雇用者数は前月比2万3000 人減少した。雇用者数が減少したのは2003年6月(1万1000人減)以来初 めて。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は1万8000人増 だった。1月は11万9000人増(速報値13万人増)に下方修正された。

米連邦準備制度理事会(FRB)が5日発表した地区連銀経済報告(ベー ジュブック)によると、全米12地区連銀のうち8連銀が管轄地域の経済成長 は年初から鈍化したと報告した。小売り部門、製造業部門の不振や住宅市場の 低迷が背景。

より高い成長率へ

ドルはレアルに対して0.3%安、対オーストラリア・ドルでは0.6%下落 した。S&P500種株価指数は0.5%上昇した。アムバックの発表後に下げた ものの、上げに転じた。

石油輸出国機構(OPEC)が生産上限枠の据え置きで合意したため、原 油相場は1バレル=104ドル台に上昇し、最高値を更新。金とトウモロコシも 最高値を記録した。

ブルームバーグの調査によると、今年のブラジル経済成長に対する予想平 均は4.5%、オーストラリアは3.4%。一方、米国は1.8%にとどまっている。

日本の政策金利は0.5%。ブラジルとオーストラリアはそれぞれ11.25%、

7.25%になっている。

トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が6日の政策決定会合後の記者会見 で、ユーロが強過ぎるとの認識を示すのではないかとの思惑から朝方はユーロ 売りが先行した。

欧州財務相会議は4日、ユーロの対ドルでの過去1年の上昇について「懸 念を強めている」との認識を示した。

○英国債:相場は下落。英サービス業景気指数が予想に反して上昇し、イングラ ンド銀行の利下げ観測が後退したことが背景。

英国購買部協会(CIPS)が5日発表した2月のサービス業景気指数は 54と、前月の52.5から上昇した。ブルームバーグ・ニュースが実施した調査の 予想中央値は52への低下だった。

2年債利回りは4.02%と、05年7月以来の低水準前後から上昇した。同国 債(2009年12月償還、表面利回り5.75%)価格は0.05ポイント下げ102.89。 10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ

4.47%となった。

○欧州債:10年債相場は、2週間余りで最大の下落となった。欧州中央銀行(E CB)が6日の定例政策委員会で政策金利を据え置く公算が大きいことを考慮す ると、ドイツ10年債利回りが先週29ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 低下したのは正当化できないとの見方が広がった。

株式相場が上昇し、欧州の社債保有リスクが低下したことも、国債相場の押 し下げ要因だった。米2年債のドイツ2年債に対する上乗せ利回りはほぼ15年 ぶりの幅に拡大した。

英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が5日発 表した2月のユーロ圏サービス業景気指数は52.3と、前月の50.6から上昇し た。ドイツの景気拡大が後押しした。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ペーター・ミューラー氏(フランクフ ルト在勤)は、「好調な経済指標は、国債利回り上昇リスクが高まったことを意 味

する。現行水準は割高」と指摘した。

10年債利回りはロンドン時間午後4時17分までに、前日比7bp上げ

3.86%。同国債(2018年1月償還、表面利回り4%)価格は0.59ポイント下 げ101.04。2年債利回りは10bp上昇し3.27%となった。ミューラー氏によ れば、10年債利回りは今週、3.75-3.8%で推移するとみられている。

5日の独2年債と米2年債の利回り格差は169bpに拡大し、1993年10月 以降で最大となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加利下げをする一 方で、ECBは金利を据え置くとの観測が広がった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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