日本株は輸出中心に上昇へ、米指標と円高一服-商社や海運堅調(2)

東京株式相場は上昇する見通し。米国経済 指標の一段の悪化や為替相場における急速な円高進行に対する過度の不安が和 らぎ、トヨタ自動車やキヤノンなど輸出関連株に見直し買いが入りそう。原油 最高値や海運市況上昇などを背景として、利益上積みが期待される商社株や海 運株なども高くなる公算が大きい。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「米国株高 と円高一服という外部要因の落ち着きで、きょうは日経平均1万3000円台を 固める動きとなりそうだ」と予想した。もっとも若生氏は、米地区連銀経済報 告が景気減速感の強い内容だったことで疑心暗鬼はなお残るとし、「7日の米 雇用統計発表前に結論は出せない」とも指摘している。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の5日清算値は1万3035 円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2970円)に比べて65円高だった。

円安、ISM非製造業は予想上回る

5日のニューヨーク外国為替市場では、円がユーロやドルに対して下落し た。原油相場が過去最高値を付けたことで商品輸出国の株価が上昇するとの見 方が強まり、高利回り資産への需要が高まった。対ドルでは104円台まで円が 下げ、5日の東京株式市場の取引終了時である103円半ばに比べて円安となっ ている。6日早朝の東京時間では、103円90銭台での動き。

米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総合景況指数は

49.3と、1月の44.6から上昇した。ブルームバーグがまとめた予想は47.3だ った。エコノミストの間で注目されていた雇用指数は、46.9(前月43.9)へ上 昇した。米景気指標はこのところ予想を下回るケースが相次いでいた。為替の 円高が一服していることもあり、景気や企業業績への過度の不安がいったん和 らぐことで輸出関連株は買いが先行するとみられる。

米主要株価3指数の5日終値は、S&P500種株価指数が前日比6.95ポイ ント(0.5%)高の1333.70。ダウ工業株30種平均は41.19ドル(0.3%)高の

12254.99ドル。ナスダック総合指数は12.53ポイント(0.6%)高の2272.81。

米株式市場はISM非製造業の堅調を評価して上昇したものの、米金融保 証会社(モノライン)大手のアムバック・ファイナンシャル・グループの15 億ドルの資本増強計画が、予想より少ないとしてやや伸び悩んだ。S&P500 種の業種別10指数で、金融は安い。このほか、米連邦準備制度理事会(FR B)が5日発表した地区連銀経済報告によると、全米12地区連銀のうち、8 連銀が管轄地域の経済成長は年初から鈍化したと報告した。

原油や海運市況は上昇

一方、5日の国際商品市況は上昇した。石油輸出国機構(OPEC)総会 で増産の可能性が示唆されなかったことなどから、ニューヨーク原油先物相場 は前日比5%上昇し、終値ベースで過去最高値の1バレル=104.52ドルで終了。 ニューヨーク金先物相場も大幅反発し、インフレ懸念の高まりから最高値とな った。業績期待から大手商社や住友金属鉱山などが高くなる公算。

また、石炭や鉄鉱石などを運搬するばら積み船の運賃指標となるバルチッ ク・ドライ指数は、前日比2.1%高で5連騰となった。海運市況が再び騰勢を 強めていることは、海運株の株価にも刺激となりそう。

小森やアニメ関連が上昇か

個別に材料が出た銘柄では、発行済み株式の割合2.85%に相当する自己株 の消却を決議した小森コーポレーション、発行済株式総数の割合2.22%に相当 する自己株取得を決議したオークワが上昇の見込み。シャッター依存体質から の脱却などを盛り込んだ中期経営3カ年計画を策定した、三和ホールディング スも業績期待から上昇が予想される。

6日付の日本経済新聞朝刊は、米娯楽大手ウォルト・ディズニーが日本で 東映アニメーションなどと共同でアニメーション制作に乗り出すと報じた。ア ニメなどコンテンツ関連株も人気化の公算がある。

半面、07年10月に発生した航空自衛隊の墜落事故で、事故原因が配線ミ スだったことが分かったと6日付の日本経済新聞朝刊が伝えた三菱重工業は軟 調となりそう。きょう取引時間中に業績見通しを発表する予定の新日本製鉄や 日新製鋼も、業績警戒から下落する可能性がある。

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