米国債:10年債下落、利回り3.70%-ベージュブックでインフレ懸念

米国債市場では10年債が3日続落。地区連 銀経済報告(ベージュブック)でエネルギーと原材料のコスト上昇が指摘され たことから、インフレ懸念が強まった。

追加利下げはインフレ加速につながるとの見方から、2年債に対する10年 債の上乗せ利回りは2.04ポイントに拡大。2004年3月以来の最大となった。 商品市場では原油価格が1バレル当たり104ドルを突破し、過去最高値を更新。 石油輸出国機構(OPEC)総会で増産の可能性が示唆されなかったことが買 いの一因となった。

パイオニア・アセット・マネジメント(ボストン、運用債券資産440億ド ル)のポートフォリオマネジャー、リチャード・シュランガー氏は、「イール ドカーブのスティープ化(傾斜拡大)は続く」と予想。「ドル安と原油価格の 高騰、商品価格の急騰。インフレ上昇への圧力だ」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時13 分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)上昇して3.70%。10年債(表面利率3.5%、2018年2月償還)価格は同 19/32下げて98 13/32だった。2年債利回りは1.65%とほぼ変わらず。

ベージュブックによると、ほぼすべての地区連銀が原材料価格やエネルギ ーコストの上昇に伴う「物価上昇圧力」を報告した。

ベージュブックはまた小売業と製造業の不振、住宅市場の悪化により、 「12地区連銀のうち3分の2は経済活動の速度が弱まった、もしくは減速し た」と指摘した。

TIPSスプレッド

10年物で比較したインフレ連動債(TIPS)と通常国債の利回り格差は 2006年8月以来で最大の2.55ポイントに拡大。投資家のインフレ懸念が反映 された。連邦公開市場委員会(FOMC)は2006年8月、17回連続での利上 げに終止符を打ち、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を5.25%で据え 置いた。

ベル・カーブ・トレーディング(ニュージャージー州フリーホールド)の 主任市場ストラテジスト、ビル・ストラッツーロ氏は、「スプレッドはさらに 拡大する可能性がある」と語る。リセッション(景気後退)に陥る可能性と消 費者物価上昇への懸念に挟まれ、「FOMCは二つの災いのうち、いくらかま しなほうを選ばなくてはならない。この場合はインフレがましな災いだと判断 した」と述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)で取引されるFF金利先物の動向に基づく と、今月18日のFOMC定例会合までに、現在3%の政策金利が2.25%に引 き下げられる確率は50%。前日の78%から低下した。0.5ポイント利下げの確 率は残る50%となっている。

サービス業の景況感

サービス業の景況感改善を示す経済指標を受け、米経済が景気後退に入る との懸念が和らいだ。米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造 業総合景況指数は49.3と、1月の44.6から上昇した。ブルームバーグがまと めた予想は47.3だった。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を 示す。

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