日本株(終了)TOPIXが今年初の5日続落、銀行に売り-金融警戒

東京株式相場は小幅安となり、TOPIXは 今年に入ってから初めての5日続落となった。金融機関の追加損失への警戒が根 強く、みずほフィナンシャルグループが連日の52週安値となるなど銀行や保険 など金融株中心に安い。信用収縮懸念から不動産株の下げもきつく、東証REI T指数は52週安値を更新した。

新光投信の浅谷智運用企画部長は、「投資家心理が非常に弱気に傾いており、 来期減益をいったん織り込んだ後の日経平均1万3000円近辺は反発が見込める 水準」と述べた。ただ、「クレジットバブルが崩壊過程にある上、政治のリーダ ーシップも不在で、きっかけが見えてこない」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比20円22銭(0.2%)安の1万2972円6銭と反 落。TOPIXは1.75ポイント(0.1%)安の1263.91と昨年12月中旬以来、 2カ月半ぶりの5日続落。東証1部の売買高は概算で19億5286万株、売買代金 は同2兆1554億円。値上がり銘柄数は541、値下がり銘柄数は1062。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が12、値下がり業種が21。 卸売、情報・通信、陸運、電気機器などが高い。半面、銀行、輸送用機器、不動 産、機械、化学は安い。

内憂外患で薄商い

4日の相場に続き、気迷いムードが強い展開となった。国内外景気や金融機 関の損失拡大による信用収縮に対する警戒が根強く、来週にかけて重要日程が相 次ぐことから投資家の手控えムードが強まっている。米国時間5日には2月米供 給管理協会(ISM)非製造業景況指数や地区連銀経済報告、7日には2月雇用 統計などが発表されるほか、来週にはベアー・スターンズなど米証券の業績発表 が控えている。相場の方向感が見えにくいとあって、売買代金は半日立ち会いを 除き、2月28日に次ぐ今年2番目の低水準だった。

バーナンキFRB議長は4日、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅 ローンの不良債権化に伴う持ち家の差し押さえ急増に対処するため、金融機関に 対して住宅ローン元本の削減を呼び掛けた。住宅ローン元本の削減は、金融機関 には負担増加となる。「相当問題が残る元本カットを提案するまで、状況は厳し いのかと受け止められた」(新光投信の浅谷氏)。

クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では、社債のデフォルト (債務不履行)リスクに対する保証料が4日に米国で過去最大を記録し、欧州や 日本もなお拡大中にある。信用収縮に歯止めがかからず、実体経済への影響は払 しょくされていない。4日にはアナリストが米銀最大手シティグループの損失拡 大を指摘している。

一方、国内では法人企業統計の設備投資が予想以上に悪化した。野村証券プ ロダクト・マーケティング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、 「国内の悪化は予想されていた。むしろ海外の景況感の方に市場の関心が向かっ ている」と主張。その上で、「米国の景況感や来週の米証券決算などへの警戒、 国内の景気や政治の閉塞感という内憂外患で買い材料に乏しい」という。

銀行、不動産指数が52週安値

金融機関の追加損失と信用収縮に対する警戒を受け、業種別では銀行と不動 産の下げが目立つ。株式市場全般では52週安値となった1月22日水準が意識さ れているが、銀行株指数はきょう1月22日安値を下回って52週安値を更新。不 動産株指数も52週安値となった。東証1部業種別下落率では銀行が2位、不動 産が3位。

海外での商業不動産ローンの焦げ付きへの警戒が指摘されている不動産株は、 三菱地所や住友不動産などが下げを先導した。「不動産業界はグローバルで資金 調達がしにくくなっており、レバレッジもかけにくいことで投資利回りが低下す る可能性がある」(DIAMアセットマネジメントの加藤泰浩シニアポートフォ リオマネジャー)という。

第3位大株主だった米系投資ファンドが保有比率をゼロにしたことが明らか になったアーバンコーポレイションが11営業日続落となったほか、東証1部値 下がり率上位には不動産ファンド関連株が並んだ。

新日鉄も安値に

個別に材料が出た銘柄では、6日に決算見通しの公表を予定する新日本製鉄 が反落して52週安値となった。9カ月累計の連結営業利益が前年同期比11%減 となった伊藤園は急落して04年来の安値。既存店売上高が7年4カ月ぶりの2 けた減となったユナイテッドアローズも大幅安。傘下の野村証券のオンライン取 引システムに一時的に不具合が発生した野村ホールディングスは小幅安。

商社株は高い、Jフロント急反発

半面、北海ガス田での埋蔵確認報道から丸紅株が急騰したほか、三菱商事や 三井物産なども売買代金上位で上昇した。景気の先行き不透明感が漂う中、相対 的に今・来期の業績安心感があるとの声が聞かれた。

このほか、大和総研が新規アウトパフォームと新規格付けしたJ.フロント リテイリングが急反発。期末配当を増額する日本化学工業は急伸し、08年2月 中間期の連結営業利益が期初予想を上回るとの一部報道を受けたファーストリテ イリングは大幅高。5日付の日経産業新聞が太陽光発電パネルと一体化したテン トシートを共同開発したと報じた高島は、値上がり率1位。

新興市場は高安まちまち

国内の新興3市場は、株価指数が高安まちまち。ただ、企業の景況感悪化に よる業績不透明感を背景として、値下がり銘柄数が優勢だった。ジャスダック指 数の終値は前日比0.08ポイント(0.1%)高の63.32と4日ぶり反発。半面、東 証マザーズ指数は11.62ポイント(1.8%)安の648.38、大証ヘラクレス指数は

18.88ポイント(1.9%)安の993.43と4日続落。

セブン銀行が上場後初めて前日比で下落したほか、ミクシィが3日続落で 100万円割れ。アセット・マネジャーズやダヴィンチ・アドバイザーズなど不動 産関連株も、東証1部市場の不動産株安の流れから大幅安となった。一方、薬効 を予測する遺伝子解析技術を共同で開発したと昼に発表したDNAチップ研究所 は値幅制限いっぱいのストップ高。新規上場のナノキャリアは公募価格を35% 上回る初値となり、ストップ高比例配分となった。08年3月期の連結純利益予 想を引き上げたハドソンも堅調。

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