法季統計:10-12月全産業設備投資は7.7%減-予想大幅下回る(6)

昨年10-12月期の国内企業の設備投資額は、 前年同期比で3期連続マイナスとなり、減少幅は7-9月期より拡大、事前予 想を大幅に下回る内容だった。内需の低調や企業収益の減少を背景に、10-12 月期の国内総生産(GDP)2次速報値の下方修正につながる可能性が大きい。

財務省が5日発表した法人企業統計季報によると、全産業の設備投資額は 前年同期比7.7%減少した。減少幅は02年7-9月期(同12.2%減少)以来の 大きさ。ソフトウエアを除くと、投資額は同7.3%の減少だった。ブルームバー グ・ニュースが行った事前予測調査の中央値は、全産業の設備投資額が同2.1% 減、ソフトウエアを除く設備投資額が同3.4%減だった。

法人企業季報は金融・保険業を除く資本金1000万円以上の企業を対象に3 カ月ごとに調査している。ソフトウエア投資額を除く設備投資が国内総生産(G DP)統計の基礎統計として使われるため、内閣府が12日に発表する10-12 月期GDP2次速報の設備投資を予測する上で注目されている。

日本政策投資銀行調査部の鈴木英介調査役は発表後のリポートで、「中小企 業のサンプル替えの影響を除いても、設備投資が減速傾向にあることが鮮明と なった」と指摘。企業収益も減速感が強まっていることから「企業の設備投資 マインドは弱く、先行きについても下振れに警戒が必要」としている。

BNPパリバ証券の丸山義正シニアエコノミストは発表後、設備投資の寄 与が大きかった10-12月期GDPの2次速報は下方修正されると予測したうえ で、「世界経済の減速がコンセンサスとなり、先行きの不透明感が強まっており、 ここ2、3四半期の設備投資にも表れてきている。08年はGDPベースで、前 回の景気後退期以来、初めてのマイナスになる」とみている。

また住友商事総合研究所の奥田壮一チーフエコノミストは、「建築基準法の 改正の影響によって住宅投資は冷え込んでおり、不動産 、小売りといった関連 業種で設備投資の様子見に転じている」とし、内需の落ち込みが設備投資の減 少につながったと指摘。その上で「GDP2次速報では、かなりの下方修正を 覚悟しておかなければならない」との見方を示した。

経常利益は4.5%減少

発表によると、10-12月期の製造業の設備投資額は前年同期比0.5%増加 した。一方、非製造業の設備投資額は同12.0%減少した。また、全産業の経常 利益は同4.5%の減少、全産業の売上高は同2.3%の増加だった。

設備投資の減少は、採算性重視のための絞り込みが続いているリース業や 携帯電話向けの基地局設置が一巡した情報通信業など非製造業の落ち込みが主 因。製造業は19期連続で増加したものの、前期に大型案件があった電気機械や 高炉の定期修理が集中した鉄鋼業などの反動減を受け、伸び幅を縮小した。

下げ幅が大きかった設備投資の非製造業の内訳をみると、情報通信業が前 年同期比33.5%減少したのをはじめ、リース業を含むサービス業が同28.7%減、 不動産業が同23.6%減、卸売・小売業が同11.6%減などとなっている。

同省財務総合研究所の後藤正之次長は企業部門の動向について「底堅く推 移しているものの、このところ改善に足踏みが見られている」との基調判断を 示した。先行きについては売上高が19期連続で増収となり、経常利益もバブル 期を上回る水準を維持しているほか、設備投資や収益の見通しも日銀短観で引 き続き好調さを見込んでいることから、基調に変更はないとしている。

企業マインド一段と慎重に

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主任研究員はブルー ムバーグテレビジョンで、「製造業は0.5%増とプラスを維持したが、非製造業 が12.0%減と大きく落ち込んで全体を押し下げた。全般的に、企業の設備投資 に対するマインドの慎重さが一段と増してきた」と指摘。その上で、「今回経常 利益は4.5%減と2四半期連続の前年割れとなっており、企業収益も少し厳しく なっている」と述べた。

小林氏はまた、「売上高は伸びているが、利益率が悪化している。すなわち、 コストがかなり上がっているということだ。中でも売上原価、いわゆる原材料 価格の高騰による影響が出てきている点が一つ。もう一つは人件費を含めた固 定費の上昇も続いているということでダブルパンチにコストが上がってきてい る」と分析した。

GDP2次速報値への影響については、「設備投資に関してはGDPを0.2、

0.3ポイントほど押し下げる影響が出ると考えている」との見方を示した。

統計発表後のドル円相場は小動きで、午前11時10分現在、1ドル=103円 35銭前後で推移している。発表直前は同103円45銭前後だった。

GDP1次速報では、設備投資は前期比2.9%増加し、事前予想を上回る高 い伸びを示したが、市場予想では2次速報で下方修正されるとの見方が強い。

--共同取材 亀山律子 乙馬真由美 鎌田泰幸 氏兼敬子  Editor:Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki、Yoshito Okubo、Kenshiro Okimoto

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 下土井京子 Kyoko Shimodoi +81-3-3201-3142 kshimodoi@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

David Tweed +81-3-3201-2494 dtweed@bloomberg.net

種類別ニュース: 政府 NI GOV 日本政府 NI JGOV, NI JGALL 財務省 NI MOF 内閣府・総務省など  JBN14、NI JEA、NI JCO 経済指標など JBN16、 NI SHIHYO、NI ECOSTAT マクロ経済、日本経済  NI ECO、

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE