日本株:銀行や不動産中心に小幅安、金融機関損失に疑心暗鬼(2)

午前の東京株式相場は小幅安。金融機関の追 加損失への警戒が根強く、みずほフィナンシャルグループが52週安値を更新す るなど銀行株中心に下落した。信用収縮懸念から不動産株も安く、午前の東証1 部の業種別下落率で首位。6日に決算見通しの公表を予定する新日本製鉄が52 週安値を更新するなど、鉄鋼株もコスト高による業績不透明感から売られた。

DIAMアセットマネジメントの加藤泰浩シニアポートフォリオマネジャー は、「金融機関の追加損失に対する疑心暗鬼があるものの、18日のFOMC (米連邦公開市場委員会)を前に下値も売り込みにくい」と指摘。7日の米雇用 統計の内容を見極めたいとしていた。

日経平均株価の午前終値は前日比27円87銭(0.2%)安の1万2964円41 銭、TOPIXは5.22ポイント(0.4%)安の1260.44。東証1部の売買高は概 算で8億3925万株、売買代金は同9191億円。値上がり銘柄数は528、値下がり 銘柄数は1033。売買代金は、半日立ち会いを除いて実質今年最低だった2月28 日の午前時点に比べて4.6%減少しており、手控えムードが強い。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が12、値下がり業種が21。 北海ガス田での埋蔵確認報道から丸紅株が上昇したことが刺激となった卸売をは じめ、陸運、情報・通信、医薬品などが高い。半面、銀行、鉄鋼、不動産、輸送 用機器、機械、電気・ガスは安い。

内憂外患で小動き、米住宅、国内設備投資

株価指数は前日終値を挟んでもみ合いとなり、全般は動意に乏しい展開とな った。野村証券プロダクト・マーケティング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケ ットアナリストは、「米国の景況感や来週の米証券決算などへの警戒、国内の景 気や政治の閉塞感という内憂外患で買い材料に乏しい」と、今の相場状況につい て懸念を示す。

バーナンキFRB議長は4日、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅 ローンの不良債権化に伴う持ち家の差し押さえ急増に対処するため、金融機関に 対して住宅ローン元本の削減を呼び掛けた。住宅ローン元本の削減は、金融機関 には負担増加となる。

また、国内では午前発表の法人企業統計の設備投資が事前予想以上に悪化し た。「12月から景況感が急速に低下したことから、相場は1-3月のさらなる 減速まで織り込んですでに下落している」(DIAMアセットの加藤氏)として 大きな売り材料とはされなかったものの、上値の重しにはなった。

日経平均は直近高値から約1000円の値幅調整後ということもあり、米重要 景気指標による今後の相場の方向性を見極めたいとの見方が出ている。米国時間 5日には2月米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数や地区連銀経済報告、 7日には2月雇用統計などが発表される。

銀行や不動産株安い、REITは52週安値

業種別では信用収縮の影響が不安される銀行と不動産の下げが目立った。バ ーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が住宅市場の厳しさに言及した上、 銀行破たんの可能性についても事前に触れたことが尾を引いている。アナリスト が米銀最大手シティグループについての損失拡大を予想し、「来週にはベアー・ スターンズなど米証券の業績発表が相次ぐことも買い手控えにつながっている」 (野村証の佐藤氏)。

銀行では、みずほフィナンシャルグループが連日で52週安値を更新し、三 井住友フィナンシャルグループが一時70万4000円と52週安値(1月22日70 万円)に接近した。

海外での商業不動産ローンの焦げ付きへの警戒が指摘されている不動産株は、 三菱地所や三井不動産などが安い。「不動産業界はグローバルで資金調達がしに くくなっており、レバレッジもかけにくいことで投資利回りが低下する可能性が ある」(DIAMアセットの加藤氏)という。東証REIT指数は前日比で一時

3.7%安まで下げ、1月22日の52週安値を更新した。

伊藤園が急落、Jフロント急反発

個別に材料が出た銘柄では、販売促進費や原油高に伴う運送費の増加などで、 9カ月累計の連結営業利益が前年同期比11%減となった伊藤園が東証1部値下 がり率で実質1位。日興シティグループ証券が投資判断を格下げした横浜ゴムと 住友ゴム工業はともに下落した。傘下の野村証券のオンライン取引システムに不 具合が発生していると発表した野村ホールディングスは小幅安。

半面、大和総研が新規アウトパフォームと新規格付けしたJ.フロント リ テイリングが急反発。08年2月中間期の連結営業利益が期初予想を上回るとの 一部報道を受けたファーストリテイリング、期末配当を増額する日本化学工業は ともに急伸した。

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