東京外為:ドルもみ合い、米材料控え見送り姿勢-米景気懸念で上値重い

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=103円前半でもみ合っている。米景気減速懸念や信用不安を背景に引 き続きドルの上値は重いものの、米国時間に地区連銀景況報告(ベージュブッ ク)や経済指標など注目材料を控え、積極的な売買に踏む込みにくい状況とな っている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジ ー・ジャパンの山本雅文氏は、「きのうバーナンキFRB(米連邦準備制度理 事会)議長なども言っていたように、米国の住宅市場を中心とした減速懸念は かなり強まってきている」と指摘。この日発表される米経済指標についても「米 国の景気の悪さが再確認される」と予想しており、米国の悪材料が重なれば、 月内にドル・円が一時的に100円を割り込むこともあり得るとみている。

一方、朝方発表された日本の法人企業統計季報では、全産業の設備投資額 が前年同期比7.7%減少と、3期連続の前年同期比マイナスとなった。減少幅は 7-9月期より拡大し、事前予想を大幅に下回る内容だった。ただ、米景気の 動向に注目となる中、為替市場の反応は限定的となっている。

米景気後退懸念で上値重い

バーナンキFRB議長は4日、フロリダ州オーランドで開かれた地域銀行 の会議で講演し、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの不良債 権化に伴う持ち家の差し押さえ急増に対処するため、金融機関に対し住宅ロー ン元本の削減を呼び掛けた。

FRB議長が住宅市場について厳しい認識を示したことを受け、4日の米 国株式相場は売りが先行。複数のアナリストによる米金融機関の利益見通し引 き下げも嫌気され、S&P500種株価指数は一時1.8%安となった。

また、外国為替市場ではドル売り・円買いが先行し、ドル・円は一時、102 円66銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)まで下落。ユーロ・円も1 ユーロ=156円台前半までユーロ安・円高に振れた。

もっとも、引けにかけては、米金融情報局CNBCが金融保証会社(モノ ライン)大手アムバック・ファイナンシャル・グループの救済計画は進展して いると報じたことが好感され、米国株は下げ幅を縮小。また、リスク回避に伴 う円買い圧力の後退からドル・円、ユーロ・円も値を戻した。

一方、5日の東京株式相場は、TOPIXと日経平均株価がともに小幅安 で始まった後にプラスに転じる場面もあり、前日終値を挟んで方向感に乏しい 展開となっている。

山本氏は、米景気の後退懸念が強い中、前日の米国の反発も一時的なもの という感じがするといい、この日の日本株も軟調な展開となれば、ドル・円の 上値の重たさが意識されてくると指摘する。

米経済指標、ベージュブックを警戒目

米国ではこの日、2月のISM(米供給管理協会)非製造業景況指数や1 月の製造業受注が発表される。また、週末の米雇用統計を占う手掛かりとして、 給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(AD P)エンプロイヤー・サービシズが発表する2月の民間雇用統計にも注目が集 まる。

そのほかには、FRBがベージュブックを公表するが、厳しい景気判断が 示されれば、今月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、大幅利下 げを織り込む動きが強まる可能性もある。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレジデン トは、米景気の悲観論が続く中、週末の雇用統計に向けて、あまりいい材料も 見込まれず、ドルが売られやすい基調が残ると説明。その上で、米国時間に重 要指標を控えて、東京時間は動きづらい面もあるといい、日中は103円台前半 を中心としたもみ合いが続くと予想している。

-共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Hidenori Yamanaka

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