米国債:10年債下落、信用損失をめぐる懸念弱まる-利回り3.61%(3)

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米国債相場は10年債を中心に下落。金融保 証会社(モノライン)、アムバックの再編計画が進展しているとの観測から、 安全な投資先としての米国債需要が弱まり、売りが優勢となった。

米金融専門局CNBCがニューヨーク州保険当局者を引用し、アムバック救 済計画が完了はしていないものの、進展しつつあると報じたことを受けて、債 券相場はそれまでの上昇分を失い、米主要株価指数は下落幅を縮小した。2年 債に対する10年債の上乗せ利回りは一時2%と、約4年間で最大に拡大した。 リセッション(景気後退)回避のために米金利が一段と引き下げられるとの見 通しが背景だった。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・フラナガン氏は「全 体的な投資家心理は非常にぜい弱かつ不安定で、状況は一瞬にして変化し得 る」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時29 分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)上昇して3.61%。10年債(表面利率3.5%、2018年2月償還)価格は15/32 下落して、99 3/32だった。2年債利回りは前日比1bp上昇し1.65%。一時は

1.495%と、2004年3月以来の低水準を付けた。

また、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、オンライン版)はアムバック が地方債保証部門とストラクチャード・ファイナンス事業部門を統合会社の一 部として維持する方針を固めたと報じた。

2重の懸念

米国大和証券の債券部門責任者、レイモンド・レミー氏は「懸念は2つあ る」として、「一つは経済への懸念、もう一つはインフレへの懸念だ。これが 利回り曲線のスティープ化の理由だ」と述べた。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オドネル氏 は「混乱が収まれば、信用市場にとって強材料で、債券にとっては弱材料とな ることは明らかだ」と述べた。

バーナンキ議長発言

バーナンキFRB議長はこの日、サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローンの不良債権化に伴う持ち家の差し押さえ急増に対処するため、金融機 関に対し住宅ローン元本の削減を呼び掛けた。また、複数のアナリストがシテ ィグループとゴールドマン・サックス・グループの利益見通しを引き下げ、信 用市場の損失がさらに拡大する可能性が示唆された。

5年物インフレ連動債(TIPS)の利回りは3営業日連続でゼロ水準を下 回った。米景気が鈍化する一方でインフレが加速するとの観測が背景にある。 英バークレイズによると、5年物TIPSの利回りはマイナス0.04%だった。

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