3月4日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:下落。金融株や商品株が売られた。バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が金融機関に対し住宅ローン元本の削減を求めたほか、原油や 金、銅などが最高値から反落したことが手掛かりとなった。

米金融情報局CNBCが金融保証会社(モノライン)大手アムバック・フ ァイナンシャル・グループの救済計画は進展していると報じたことが好感され、 引け前1時間で相場は値下がり分を縮小した。金融株はアナリストによる利益 見通しの下方修正が材料となり、2003年8月以来の安値をつけた。特にシティ グループは9年ぶり安値に下落。石油のコノコフィリップスや産金のフリーポ ート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドを中心にエネルギー株や鉱山 株も下げた。

S&P500種株価指数は前日比4.59ポイント(0.3%)下げて1326.75。 ダウ工業株30種平均は45.10ドル(0.4%)安の12213.80ドル。ナスダック 総合指数は1.68ポイント(0.1%)上げて2260.28。ニューヨーク証券取引所 (NYSE)の騰落比率は3対5。

フィデュシャリー・トラストのファンドマネジャー、マイケル・マレーニー 氏は、「銀行はまだ明らかに追加損失を抱えている」と語った。

S&P500種は年初から9.6%安。米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン市場の混迷に伴い、銀行の貸し倒れ損失額は世界規模で1810億ドル に達したことから、2001年以来最悪の企業業績はしばらく続くだろうとの懸念 が背景。

金融株が低迷

シティグループは1998年12月以来の安値。メリルリンチのアナリスト、 ガイ・モスコウスキー氏は4日付文書で、シティが1-3月(第1四半期)にサ ブプライム住宅ローンや債務担保証券(CDO)、レバレッジド・ローン、消費 者金融、不動産ローンなどに関連して180億ドルの評価損を計上するとの見通し を示した。同アナリストは1-3月期のシティの1株当たり損益を1.66ドルの 赤字(従来予想同55セントの黒字)に下方修正した。

証券大手のゴールドマン・サックス・グループやベアー・スターンズ、リー マン・ブラザーズ・ホールディングスおよびモルガン・スタンレーも売られた。 米銀ワコビアのアナリスト、ダグラス・シプキン氏はリポートで、同4社の第1 四半期利益予想を下方修正した。住宅ローン関連資産の価値が引き続き下落する との見通しが理由。

この日はワコビアおよびバンク・オブ・アメリカも下落した。

ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想では、S&P500種に採用さ れている金融機関の第1四半期利益は20%以上落ち込む可能性がある。

S&P500種の金融株で構成する株価指数は0.8%安。一時は最大3.3%安 まで下げる場面もあった。

エネルギー株や産金株

S&P500種に採用されているエネルギー企業のうち34社が下落。原油相 場が2.9%下落し、ガソリンやヒーティングオイルの価格が下落した。S&P500 種のエネルギー株で構成される株価指数は1.5%安。石油のコノコフィリップス やエクソンモービルはいずれも下落した。

このほかフリーモント・マクモランやニューモント・マイニングは商品相場 の下落が嫌気され、売られた。

後発医薬(ジェネリック品)メーカー、バー・ファーマシューティカルズは 上昇。米連邦判事が独製薬バイエルの避妊薬「ヤスミン」の特許を無効としバー・ ファーマシューティカルズが勝訴した。

○米国債:相場は10年債を中心に下落。金融保証会社(モノライン)、アムバ ックの再編計画が進展しているとの観測から、安全な投資先としての米国債需要 が弱まり、売りが優勢となった。

米金融専門局CNBCがニューヨーク州保険当局者を引用し、アムバック救 済計画が完了はしていないものの、進展しつつあると報じたことを受けて、債券 相場はそれまでの上昇分を失い、米主要株価指数は下落幅を縮小した。2年債に 対する10年債の上乗せ利回りは一時2%と、約4年間で最大に拡大した。リセ ッション(景気後退)回避のために米金利が一段と引き下げられるとの見通しが 背景だった。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・フラナガン氏は「全 体的な投資家心理は非常にぜい弱かつ不安定で、状況は一瞬にして変化し得る」 と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時29 分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)上昇して3.61%。10年債(表面利率3.5%、2018年2月償還)価格は15/32 下落して、99 3/32だった。2年債利回りは前日比1bp上昇し1.65%。一時 は1.495%と、2004年3月以来の低水準を付けた。

また、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、オンライン版)はアムバック が地方債保証部門とストラクチャード・ファイナンス事業部門を統合会社の一部 として維持する方針を固めたと報じた。

2重の懸念

米国大和証券の債券部門責任者、レイモンド・レミー氏は「懸念は2つある」 として、「一つは経済への懸念、もう一つはインフレへの懸念だ。これが利回り 曲線のスティープ化の理由だ」と述べた。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オドネル氏 は「混乱が収まれば、信用市場にとって強材料で、債券にとっては弱材料となる ことは明らかだ」と述べた。

バーナンキ議長発言

バーナンキFRB議長はこの日、サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローンの不良債権化に伴う持ち家の差し押さえ急増に対処するため、金融機関 に対し住宅ローン元本の削減を呼び掛けた。また、複数のアナリストがシティグ ループとゴールドマン・サックス・グループの利益見通しを引き下げ、信用市場 の損失がさらに拡大する可能性が示唆された。

5年物インフレ連動債(TIPS)の利回りは3営業日連続でゼロ水準を下 回った。米景気が鈍化する一方でインフレが加速するとの観測が背景にある。英 バークレイズによると、5年物TIPSの利回りはマイナス0.04%だった。

○NY外為:円が対ドルで小幅ながら6日続伸。3年ぶりの高値圏で推移した。 住宅ローン関連証券の評価損が拡大するとの思惑を受け、低金利の日本で資金を 調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引を解消する動きが優勢になった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は金融機関に対し、住宅 ローン元本の削減を呼び掛けた。これをきっかけにキャリー取引の巻き戻しが 強まり、円はこの日の高値を付けた。その後、米株式相場が下げ渋ったため、 円は伸び悩んだ。ドルは対ユーロで最安値近辺で推移した。米連邦公開市場委 員会(FOMC)が18日の定例会合で政策金利を0.75ポイント引き下げ、

2.25%に設定するとの観測が根強い。

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・マルピ ード氏(シカゴ在勤)は「主な材料はまだリスク回避だ。それが円高につなが っている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時現在、円は対ドルで1ドル=103円33銭と、 前日の103円49銭から小幅に上昇した。前日には一時、102円62銭と、 2005年1月28日以来の円高・ドル安水準を付ける場面があった。対ユーロで は1ユーロ=157円18銭と、前日の157円35銭から強含んだ。ドルはユー ロに対し、1ユーロ=1.5211ドルと、前日の1.5204ドルからほぼ変わらず。 前日は一時、1.5275ドルと、1999年のユーロ導入以来の最安値を更新した。

バーナンキ議長は「元本の減額によって住宅保有者の持ち分を増やすこと は、延滞や差し押さえを防ぐために、より効果的かもしれない」と指摘した。

コーンFRB副議長は上院銀行住宅都市委員会での証言で、「米金融業界 は深刻な問題に直面している」と述べた。

銀行の損失

2007年初頭以来、約45の金融機関が1810億ドルの評価損や不良債権の 引当金を計上している。S&P500種株価指数は一時1.8%安となったが、

0.3%安まで下げ渋って終えた。金融保証会社(モノライン)大手アムバッ ク・ファイナンシャル・グループの救済計画が進展しているとの報道が買いを 誘った。

米2年債利回りは一時1.495%と、独2年債利回りを約1.5ポイント下 回った。シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先 物相場の動向によると、0.75ポイントの大幅利下げの確率が依然として高い。

クレディ・スイス・グループの通貨ストラテジスト、ダニエル・カッツィ ブ氏は「米国の利回りはほかの先進国の利回りに比べて非常に急速に低下して おり、それがドル売り材料になっている」と述べた。

豪ドルの天井感

ICEフューチャーズのドル指数は73.664と、前日に付けた過去最安値

73.354から持ち直した。前日はドル安を材料に、原油と金が過去最高値を更 新した。

オーストラリア・ドル は米ドルに対し下落。オーストラリア準備銀行 (RBA)のスティーブンス総裁が個人消費に減速の兆しがみられると指摘し たことが売りを誘った。RBAは4日に開いた政策決定会合で、政策金利を

0.25ポイント引き上げ、7.25%に設定した。豪ドルは1豪ドル=92.69米セ ントと、前日の93.96セントから下落した。2月28日には94.98セントと、 1984年以来の高値水準を付けていた。

ティム・トゥーイ氏らゴールドマン・サックスのアナリストは4日付のリ ポートで、豪ドルが「天井を付けた可能性が高い」と指摘。「長期的な見通し を懸念している」との見解を明らかにした。

○英国債:相場は5営業日連続で上昇。2年債利回りは2005年7月以来の低水 準となった。株安を背景に安全投資としての国債需要が高まった。

イングランド銀行による利下げペースが欧州中央銀行(ECB)を上回ると の観測が広がったことを受け、2年債に対する10年債の上乗せ利回りは拡大し、 ここ2週間で最大となった。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が 金融機関に対し住宅ローンの元本削減を呼び掛けたのに加え、アナリストが米シ ティグループ とゴールドマン・サックス・グループの利益見通しを引き下げたこ とから、世界的に国債相場が上昇した。

野村インターナショナルの欧州金利戦略責任者、チャールズ・ディーベル氏 (ロンドン在勤)は「質への逃避による資金流入と、信用収縮の影響が根強いた め、他の国債市場でも似たような相場動向がみられる」と指摘した。

2年債利回りはロンドン時間午後5時22分までに、前日比5ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)下げ3.99%。前日に付けた日中最低水準に並ん だ。同国債(2009年12月償還、表面利回り5.75%)価格は0.09ポイント上 げ102.95。10年債利回りも5bp下げ4.40%となった。

2年債と10年債の利回り格差は2bp拡大し41bpと、先月20日以降で 最大となった。

○欧州債:相場は上昇。米国のリセッション(景気後退)懸念を背景に株式相場 が下落したのを受けて、安全投資としての国債需要が高まった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が金融機関に対し住宅ロー ンの元本削減を呼び掛けたのに加え、アナリストが米シティグループとゴールド マン ・サックス・グループの利益見通しを引き下げたことを背景に、ドイツ2年 債利回りは低下し、2週間ぶりの低水準まで4ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)未満に迫った。また、安全度が低いとみなされる資産からの資金流出 で、ドイツ10年債に対するイタリア10年債の上乗せ利回りはほぼ10年ぶりの 幅に拡大した。

カリヨンの債券戦略部門責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン在勤) は、「市場は大きなパニックの最中にある」と述べた上で、「多少ともリスクが あれば買い手がつかない。リスク期間が短い短期債が好調だ」と指摘した。

2年債利回りはロンドン時間午後5時43分までに、前日比5bp下げ

3.17%。一時は3.11%まで低下した。同国債(2009年12月償還、表面利回り 4%)価格は0.08ポイント上げ101.39。10年債利回りは6bp下げ3.79% となった。

この日のイタリア10年債とドイツ10年債の利回り格差は49bpと、61b pだった1998年10月以降で最大となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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