FRB議長:貸し手に「住宅ローン元本削減」要請、差し押さえ抑制で

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長は4日、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの不良債 権化に伴う持ち家の差し押さえ急増に対処するため、金融機関に対し住宅ロー ン元本の削減を呼び掛けた。議長はフロリダ州オーランドで開かれた地域銀行 の会議で講演した。

バーナンキ議長は「政府と民間部門の取り組みが不必要な差し押さえを防 ぐために役立っているが、追加措置の実行は可能であり不可欠だ」として、 「元本の減額によって住宅保有者の持ち分を増やすことは、延滞や差し押さえ を防ぐためにより効果的かもしれない」と指摘した。

同議長のこの日の発言は、ブッシュ政権とFRBのこれまでの方針から踏 み出している。2月27日の議会証言で、バーナンキ議長は住宅ローンの条件 変更や支払いの延期などによる「慎重な整理」を貸し手に求めていた。

バーナンキ議長は住宅価値がローン残高を下回ることによる脅威を強調。 ポールソン財務長官と考えに温度差があることが浮き彫りになった。議長は返 済遅延が最近、増加していることは「住宅資産の減少と密接に関連している」 と指摘した。

ポールソン長官は3日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 住宅価格がローン残高を下回っている住宅所有者に対する懸念は「ほとんど行 き過ぎと言える」と述べていた。さらに、金融機関にローンの条件変更を求め る政権の戦略は「正しい対処方法で、実のある進展を遂げている」と話してい た。

マクロフリン財務省報道官はブルームバーグの質問に対し、貸し手がどの ように住宅ローンの条件を変更するかについては「財務省は指示しない」と電 子メールで返答。「元本減額が抵当物件の差し押さえよりもコストが安く済む と貸し手が判断すれば、それも検討に値する選択肢ということだ」と述べた。

一方、共和党の議会指導部はローン条件の変更を金融機関に任せているた め、十分な進展が見られていないと主張し、政府がより責務を負うことを求め ている。

バーナンキ議長は「延滞と差し押さえは今後も当分増える見通しだ」と指 摘。住宅の供給過多を背景に「価格下落が続く可能性が高い」と述べた。

株価下落

カントリーワイド・ファイナンシャルやワシントン・ミューチュアルなど を含むS&P貯蓄金融機関および住宅金融株指数は、前日比2.5%安の42.61 で終わった。

バーナンキ議長はさらに、サブプライム住宅ローンの借り手は1ポイント を超えるローン金利の上昇に直面していると指摘し、「短期金利低下と金利凍 結に向けた取り組みが衝撃を和らげるものの、変動金利の切り替えは多くの家 計にとって負担となるだろう」との懸念を示した。

同議長は、「以前ならローンの借り換えが可能だった借り手も、サブプラ イム住宅ローン担保証券が事実上、凍結しているため、その選択肢はほとんど 使えなくなった」と述べ、「この状況を打破するためには力強い対応が必要 だ」と主張した。

バーナンキ議長は「貸し手は元本減額には消極的であることをFRBに表 明している。元本を減額すれば、住宅価格がさらに下落し、再び元本を減額す るよう圧力を受けると主張している」ことを明らかにした。しかし、ローン残 高を減らせば、「デフォルト(債務不履行)や差し押さえのリスクが低下し、 予想される返済が増える可能性がある」と反論した。

住宅ローン担保証券の保有者に対しては、借り手に低い元本での借り換え を認め、ローンの全額を受け取れないことを許容するよう呼びかけた。そうす れば、「借り手が新規ローンを組むことができるようになり、一段の評価損や デフォルトという下振れリスクを取り除くことが可能になる」と説明した。

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