東京外為:ドルもみ合い、米景気懸念が重し-下落スピードに警戒感も

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=103円台前半から半ばでもみ合い。急速なドル安の進行に対する警戒 感からドル売りの勢いはやや鈍っているものの、米国のリセッション(景気後 退)懸念がくすぶるなか、雇用統計など週内に重要な経済指標の発表を控えて、 ドルを買い戻す動きも抑制されている。

みずほコーポレート銀行国際為替部の岡田雅雄参事役は、前週末から週初 にかけてかなり激しいドル売りが入っていたが、欧州当局者からのユーロ高を 懸念する発言などをきっかけに調整の動きが出ていると説明。ただ、「引き続 き米国の経済指標および各国の株式市場に注目が集まるなか、週末に発表され る雇用統計が3月相場を決定付けるとの見方から、リスクを膨らませることに は慎重になっている」とみている。

急速なドル安進行に警戒感

ユーロ・ドル相場は前日に一時1ユーロ=1.5275ドルと、1999年1月のユ ーロ発足後初めての水準を付けているが、急速なユーロ高・ドル安の進行を受 けて、ユーロ圏の財務当局者は警戒姿勢を強めている。

そうしたなか、米国のポールソン財務長官は3日、ブルームバーグテレビ ジョンのインタビューで、強いドルを望んでいるとの見解をあらためて強調し、 ドルは「底堅い」米経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を最終的には 反映するとの考えを明らかにした。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は同日、「現在の状況にかんがみ、 財務長官や大統領を含め米当局が強いドルは国益にかなうと繰り返し述べてい るのは非常に重要だ」と語っている。

米欧当局者の発言を受けて、目先は対ユーロでドルの下値を試す機運が衰 えており、ユーロは最高値更新後にこの日の東京時間では1.52ドルちょうどを 挟んだ水準でもみ合っている。対ユーロでのドル下げ渋りを背景に対円でもド ル売りの勢いが鈍っている面がある。

また、福田康夫首相も前日に、102円台までのドル安・円高進行について、 「あまり急速に変化するのはよくないと思うが、これは為替の市場の問題だ。 われわれとしては重大な関心を持って見ている」と言明。為替市場の現状につ いては「円高というよりドル安という状況ではないか」との認識を示した。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、「日本の当局が円高 でなくドル安という認識を示し、全般的にドル安をどうするかというムードが 出てきているなかで、それほどどんどんドル売りもやりにくいところがある」 と指摘する。

米リセッション懸念くすぶる

一方、シカゴ購買部協会指数など先週後半から米経済指標の悪化が目立っ ていることから、リセッション懸念が強まり、外為市場では急速にドル売りが 進行。ドル・円相場は前日の取引で一時102円62銭(ブルームバーグ・データ 参照、以下同じ)と、2005年1月28日以来、約3年ぶりの安値を付けた。

そうしたなか、米供給管理協会(ISM)が前日に発表した2月の製造業 景況指数は48.3と、前月の50.7から低下。ブルームバーグ・ニュースがまと めた市場予想の48.0は若干上回ったものの、景気の拡大と縮小の境目を示す50 を再び割り込んでいる。

米国のリセッション懸念がぬぐい去れない状況となるなか、今週はISM の非製造業景気指数や注目度の高い雇用統計の発表が控えており、警戒感から 引き続きドルの上値が抑えられる展開が見込まれる。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

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