日本株は反発、資源高で商社や非鉄、海運高い-パイオニア急騰(2)

午前の東京株式相場は反発。インフレ懸念 を背景に原油価格が最高値を更新するなど、資源価格が高騰しており、三菱商 事などの大手商社株や住友金属鉱山といった非鉄金属株が利益の上乗せ期待か ら買われた。資源需要の高まりから船舶市況が堅調に推移する海運は、午前の 東証1部の業種別上昇率で首位。円高の勢いがやや一服した影響もあって、ホ ンダやソニーなど輸出関連株の一角がプラスを維持、プラズマパネル生産から の撤退報道を受けたパイオニアは急騰した。

ノーザン・トラスト・グローバル・インベストメンツの小諸直人ファン ド・マネジャーは、「米国経済減速の影響は避けられないが、中国など新興国 の成長は若干スピードが鈍化する程度にとどまるだろう」と指摘。グローバル 需要の増加を背景として、「資源高は当面続く」(同氏)と予測した。

日経平均株価の午前終値は、前日比94円48銭(0.7%)高の1万3086円 66銭、TOPIXは4.30ポイント(0.3%)高の1275.45。東証1部の売買高 は概算で9億5801万株、売買代金は同1兆725億円。値上がり銘柄数は771、 値下がり銘柄数は812。

方向感乏しい、外部環境と実態にらみ

午前の東京株式市場は、外部環境がやや小康状態にあることや前日の大幅 安後の反動から上昇した。外国為替市場では1ドル=103円台半ばと、前日の 102円台からドル安・円高の勢いがやや一服傾向。米供給管理協会(ISM) が3日に発表した2月の製造業景況指数は48.3(前月50.7)に低下したが、 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値48.0は若干上 回った。

また、午前のアジア株も堅調に推移しており、外部環境がやや落ち着いた ことが日本株の追い風となっている。「一時的な懸念材料はあるが、日経平均 1万3000円は日本企業の収益力から考慮すれば、長期スタンスで上昇余地が ある水準」(ノーザントラスト・小諸氏)とされた。

もっとも、朝高の買い一巡後は下落に転じる場面もあったほか、東証1部 は値下がり銘柄数が多いなど、明確な方向感は乏しい。企業が第3四半期決算 を終えた段階で見直した前提為替レートは1ドル=105円が中心で、「今期を 乗り越えても、なお来期の業績の不安感は払しょくできない水準にある」(日 興コーディアル証券の西尾浩一郎マーケットアナリスト)という。

SATOアセットマネジメントの佐藤博社長は、「米景気減速や円高、原 油高騰による原材料高などが予想していたより悪化しており、株価はまだすべ ての悪材料を吸収しきれていない」と指摘。佐藤氏によると、中間決算時に 960円程度だった日経平均の1株利益が、第3四半期を終えた段階では900円 程度まで低下、「来期は0-5%程度の減益もあり得る」そうだ。

米国時間4日にはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演、 5日には米供給管理協会(ISM)の2月の非製造業景況指数などを控え、輸 出関連や銀行に対して積極的に買い向かう動きは限定されている。

資源高の恩恵業種が高い

資源高で恩恵を受ける業種が午前の上昇をリードした。インフレ懸念によ る代替投資先の魅力向上や米国がソマリア空爆を実施したとの報道も支援材料 となり、3日のニューヨーク(NY)原油先物相場は一時バレル当たり103.95 ドルまで上昇し、最高値を更新。NY金先物相場や銅相場も高騰しており、価 格上昇の恩恵を受けるとされる商社や非鉄金属、海運などの業種に買いが膨ら んだ。午前の東証1部業種別上昇率は上位5位までに海運、非鉄金属、卸売、 鉱業が入った。

シティグループの豪州チームは3日、中国の粗鋼生産の拡大を理由として 鉄鉱石の09年度の価格見通しを08年度比変わらずのトン当たり83.6ドルか ら、30%上昇の108.7ドルへと引き上げた。大和総研では増益予想に対してP ERなど投資指標が割安として、伊藤忠商事や三井物産などの目標株価を引き 上げていることも、商社を中心に支援材料となった。

パイオニアが急騰、AOCHは値下がり1位

個別では、プラズマテレビ用のパネル生産から全面撤退する方向で最終調 整に入ったと4日付の日本経済新聞朝刊が報じたパイオニアが東証1部値上が り率2位と急騰。第1四半期業績が順調だった巴工業、米投資ファンドのサー ベラスが1株325円で株式を買い増すあおぞら銀行もそれぞれ急伸した。

半面、子会社保有の鉱区権益を放棄したAOCホールディングスが急落し て午前の東証1部値下がり率1位となった。原油高騰で石油製品のマージンが 縮小するとの警戒感が高まった昭和シェル石油は大幅続落し、09年1月期利益 が減益計画となった積水ハウスが急落。買収した米製薬企業の買収関連費用が 想定より多く、足元の業績を悪化させることが明らかになったエーザイが2年 超ぶりの安値。

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