パイオニア株が急騰、プラズマパネルの生産撤退報道-収益期待(2)

パイオニアの株価が買い気配で始まり、 寄り付き後は一時前日比190円(18.2%)高の1233円まで4営業日ぶりに急 反発。プラズマテレビ用のパネル生産から全面撤退する方向で最終調整に入っ たとの一部報道を受け、不採算部門の整理を通じた収益改善期待が高まった。 取引時間中の上昇率としては1975年3月(18.4%高)以来、およそ33年ぶり の大きさを記録。午前終値は同135円(13%)高の1178円。

みずほ証券の張谷幸一シニアアナリストは、「プラズマの生産縮小・撤退 に伴いホームエレクトロニクスの赤字が縮小すれば、来年度以降の利益回復に 弾みをつけることになる」と評価。その上で、何らかの固定費削減は想定され ていたものの、「全面撤退ということについては、会社側はこれまで否定して きた。報道が事実だとすれば、ポジティブ」との認識を示した。

今期ホームエレクは175億円の営業赤字に

パイオニアが発表している2008年3月期の営業利益予想は100億円で、 部門別ではカーエレクトロニクスが260億円の営業利益となる一方、プラズマ を中心とするホームエレクトロニクスは175億円の営業赤字の見通し。

従来は145億円の赤字を予想していたが、1月31日の第3四半期(2007 年10-12月)業績発表時に、プラズマテレビの売り上げが欧州や北米で計画 を下回る見込みであるとして下方修正した。同時に、今期56万台としていた プラズマテレビ出荷計画は、前期比26%減の48万台に下方修正した。

4日付の日本経済新聞朝刊は、パイオニアがプラズマパネル生産から全面 撤退する方向で最終調整に入ったと報じた。週内にも発表予定としている。販 売低迷で苦戦しているためで、年内にも生産を中止、同社の技術を生かしたパ ネル生産を世界首位のプラズマメーカーである松下電器産業に委託し、組み立 てに特化する方針という。取材源は明示していない。

パイオニアは価格競争激化のあおりで、プラズマパネル増産計画を凍結。 昨年秋には液晶大手シャープとの資本提携を通じ同社からパネルを調達して液 晶テレビを販売すると発表し、国内唯一のプラズマ専業メーカーの座から降り ていた。

米調査会社ディスプレイサーチの調べでは、2007年第4四半期(10-12 月)のプラズマパネルの世界出荷実績は前年同期比62%増の約440万台と過 去最高。ただ、大幅な価格下落で出荷金額は同3%増の19億ドル(1966億 円)にとどまっている。市場が拡大する中、世界5位のパイオニアの出荷台数 は前年同期比39%減と、6社中唯一減少し、シェアを第3四半期(7-9 月)の4.2%から3.2%へ1ポイント落としている。

7日に社長会見

報道を受け、パイオニアは「当社から発表したものではなく、何も決定し ていない」とするコメントを発表。その上で、同社が現在検討している事業構 造改革については、今後内容の確定と機関決定を経て、7日に発表するとして いる。同社は7日に企業説明会を開催する予定で、須藤民彦社長が出席する。

パイオニアは現在、子会社パイオニアプラズマディスプレイ(鹿児島県出 水市)、パイオニア・ディスプレイ・プロダクツの静岡工場(静岡県袋井市)、 山梨工場(山梨県中央市)の3拠点でプラズマパネルを生産しており、3拠点 の従業員は2007年3月末で約1400人。

薄型テレビ用パネルをめぐっては、昨年末に松下、日立製作所、キヤノン が液晶ディスプレー事業で提携したほか、東芝は液晶テレビのパネル供給をシ ャープから受けることで合意した。先月にはシャープが大阪府堺市に建設中の 液晶パネル工場を分社化し、生産と販売を行う共同出資会社をソニーと設立す ると発表するなど、各社の合従連衡が進んでいる。

--共同取材:鈴木 宏 Editor:Shintaro Inkyo

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 林 純子 Junko Hayashi +81-3-3201-3059 juhayashi@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先:

大久保 義人Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net ソウル Young-Sam Cho +82-2-3702-1639 ycho2@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE