金融機関にずしりと重い「売れ残り」社債-07年債券発行は過去最高

昨年の債券発行高は4兆2000億ドル(約434 兆円)相当と過去最高を更新し、金融機関に計188億ドルの引受手数料収入を もたらした。ブルームバーグが毎年集計する手数料収入トップ20ランキングで 4年連続首位となったシティグループは、16億9000万ドルを獲得した。

ただ不運なことに、銀行や証券会社は2008年が明けても、07年のレバレ ッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保に資金調達する買収)向けに 発行された高利回り債の売れ残りを抱えてしまった。しかも買い意欲を示す投資 家はほとんどいない。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損 失が急増し、信用が逼迫(ひっぱく)した昨年後半、高リスク社債市場は干上が った。今年になっても、その状況は変わらない。

シティグループのグローバル債券シンジケーション部門の責任者、ジョン・ パーセル氏は昨年の状況について、「発行は上期に過去最高となり、6月遅くに は実質なくなってしまった」と述べた。金融機関が売却できずに手元に残したL BO関連のジャンク(高リスク・高利回り)債は昨年6月時点で約1100億ドル 相当、今年1月半ば時点でもまだ650億ドルあったと、同氏は試算している。

パーセル氏は「市場はかなりの量を消化したが、残っている規模は依然大き 過ぎて、市場はこの問題の終わりがまだ見えないでいる」と述べた。

売れ残ったジャンク債には、カナダ最大の電話会社BCEを対象とするLB O向けに発行された社債113億ドルが含まれる。BCEの買い手はオンタリオ 州教職員年金基金と米投資会社プロビデンス・エクイティ・パートナーズ、マデ ィソン・ディアボーン・パートナーズ、メリルリンチ。

モルガン・スタンレーの社債資本市場の世界責任者、ラジ・ダンダ氏も「新 しい年になったからという単純な理由で、投資不適格級の社債市場が昨年7月よ りも前の状況に回復するとは思わない」と語る。

高利回り債は債券事業の中でも最もうまみがあるため、LBO向け社債販売 の鈍化は金融機関に打撃となる。ブルームバーグのデータによれば、昨年のジャ ンク債発行体が支払った手数料は平均で額面の1.447%と、投資適格級社債発 行体が払った同0.618%の約2倍だった。

07年債券引受手数料ランキングで2位となったJPモルガン・チェースは 首位シティとの差を縮めた。シティの手数料はJPモルガン・チェースの11億 8000万ドルを43%上回ったが、この差は06年には83%だった。3位はメリ ルリンチで11億6000万ドル。前年からは40%超の増加となり、シティの13% 増を上回る伸びだった。

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