日本株は反発へ、資源高受け商社上昇-円高小休止で輸出見直し(3)

東京株式相場は反発する見通し。インフレ 懸念から原油価格が最高値を更新するなど資源価格の高騰を背景に、三井物産 などの大手商社株や非鉄金属株などが利益の上乗せ期待から上昇しそう。円高 の勢いがやや一服したことで、前日大幅安となったトヨタ自動車などの輸出関 連株にも見直し買いが入る可能性がある。

きのしたてるのぶ事務所の木下晃伸代表取締役は、「先週には騰落レシオ が1年2カ月ぶりの高水準となるなど、東京株式市場は楽観的な水準にあっ た」と指摘。その反動として日経平均株価が過去3営業日で1000円強下げて おり、「原油高や資源高の恩恵を受ける業種や栗田工業など内需の一角を中心 に、短期的な大幅下落を取り戻すことになりそうだ」と見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の3日清算値は1万 3135円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2990円)に比べて145円高。

インフレ懸念で代替探し

ドル安を背景としてインフレ懸念が高まっており、代替投資先としての商 品の魅力が増している。米国がソマリア空爆を実施したとの報道も支援材料と なり、3日のニューヨーク(NY)原油先物相場は一時バレル当たり103.95 ドルまで上昇し、最高値を更新。NY金先物相場も1オンス=992ドルと過去 最高値を付け、同じく銅相場も終値ベースで過去最高値となった。

また,シティグループの豪州チームは3日、中国の粗鋼生産の拡大を理由 として鉄鉱石の09年度の価格見通しを08年度比変わらずのトン当たり83.6 ドルから、30%上昇の108.7ドルへと引き上げた。日興シティグループ証券に よると、今回の上方修正で大手商社の09年度純利益は三井物産で約650億円、 伊藤忠商事で約150億円、三菱商事で約50億円の押し上げ効果があると見込 んでいる。

米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和によってドルはなお先安観が あり、商品市況は調整が入りづらい状況となっている。大手商社株や住友金属 鉱山などの非鉄金属株、国際石油開発帝石ホールディングスといった鉱業株は、 「資源高の恩恵を受けるとされ、業績期待からの買いが増加しそうだ。

特に商社株に関しては、大和総研が増益予想に対してPERなど投資指標 が割安として、伊藤忠商事や三井物産、住友商事、三菱商事など大手の目標株 価を軒並み引き上げるという材料も出ている。

3日の米株式相場では、S&P500種株価指数が買い優勢で引けた。過去 最高値をつけた原油や金相場を好感して商品株が上昇し、テクノロジー株や金 融株の下落を補った。同終値は前週末比0.71ポイント(0.1%)高の1331.34。

半面、ダウ工業株30種平均は7.49ドル(0.1%)安の12258.90ドル、ナ スダック総合指数は12.88ポイント(0.6%)安の2258.60だった。

円高の勢い一服

一方、外国為替市場では円高の勢いがやや一服傾向にある。ドルが対ユー ロで最安値を更新した後、ルクセンブルクのユンケル首相兼財務相がユーロ高 について「懸念を強めている」と発言したことがドル買いにつながり、やや下 げ渋った。ドル・円相場は先週から5円強の急激なドル安・円高が続き、3日 には102円62銭まで上昇していた。4日早朝では103円台半ばで推移。前日 に大幅安となったトヨタ自動車やソニーなど輸出関連株には、下値での見直し 買いが入ることも予想される。

化学株などは軟調も

もっとも、資源高は大手商社や非鉄金属、素材などがメリットを受ける半 面、「マイナスのコスト高も含めて減益となる企業も出てくる」(きのした事 務所の木下氏)という一面もある。化学株などコスト高による価格転嫁が相対 的に困難な業種は下落が見込まれる。

パイオニアや野村HLDが上昇公算

個別に材料が出た銘柄では、プラズマテレビ用のパネル生産から全面撤退 する方向で最終調整に入ったと4日付の日本経済新聞朝刊が報じたパイオニア が高くなりそう。米投資ファンドのサーベラスが1株325円で株式を買い増す あおぞら銀行、トップ人事を大幅に刷新して経営改革を進める野村ホールディ ングス、第1四半期の連結純利益が前年同期に比べて大幅に増えた巴工業など が上昇の公算。

半面、09年1月期利益が減益計画となった積水ハウス、2月の既存店売 上高が前年同月比11%減と落ち込んだポイント、08年3月期通期の利益予想 を下方修正した協栄産業などは業績懸念で売りが先行しそう。

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