3月3日の海外株式・債券・為替市場(3)

(米国株に情報を追加します)

○米国株:買い優勢で引けた。過去最高値をつけた原油や金相場を好感して商品 株が上昇し、テクノロジー株や金融株の下落を補った。

S&P500種は一時前週末比0.8%下落していたが、石油のエクソンモー ビルや産金のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドの上げ が寄与し、過去4営業日で初めて値上がりして取引を終了した。証券のゴール ドマン・サックス・グループやコンピューターのアップルはアナリストによる 利益予想の下方修正が嫌気され、下落した。

S&P500種株価指数は前週末比0.71ポイント(0.1%)上げて1331.34。 ダウ工業株30種平均は7.49ドル(0.1%)安の12258.9ドル。ナスダック総 合指数は12.88ポイント(0.6%)低下し2258.6。ニューヨーク証券取引所(N YSE)の騰落は949株対930株。

シティズンズ・ファンズ(ニューハンプシャー州ポーツマス)で約8億ドル の資産運用に携るマイケル・ギャリッポ氏は、「この先の市場動向を楽観視する のであれば、その根拠となる材料の一つはエネルギー株の良好なパフォーマンス が金融株の不振を補っていることだ。今のところ順調なようだ」と語った。

原油相場がバレル当たり102.45ドルをつけ、金相場も一時オンス当たり 992ドルまで上昇するなか、商品企業が買いを集めた。

エクソン、フリーポート・マクモラン

エクソンのほか石油3位のコノコフィリップスも上昇した。S&P500種の エネルギー株で構成する株価指数は0.8%上昇した。

フリーポート・マクモランが原材料株の上げを主導し、S&P500種の原材 料株で構成する株価指数は1.6%高と産業別10指数のなかで値上がり率トップ だった。産金2位のニューモント・マイニングが高い。

電機のゼネラル・エレクトリックや航空機制御装置メーカー最大手のハネウエル・ インターナショナルも値上がりした。ドイツ銀行のアナリストが、米国外市場からの売 り上げが全体の半分以上を占める鉱工業企業は、ドル安を背景に今年1-3月期決算で 5%増益となる可能性があると指摘したのが手掛かりだった。

ノースロップ、エネルギー企業

防衛関連企業のノースロップ・グラマンは2003年7月以来の大幅高。米空軍との 最大350億ドル規模の契約をめぐり、同社と航空宇宙業界で欧州最大手のEADSがラ イバル企業のボーイングに競り勝った。

発電所運営のエクセロンとエンタジー、フロリダ州最大の電力会社FPLグループ はいずれも値上がりした。S&P500種の公益事業株で構成される株価指数は1.2%上 昇した。ジェフリーズのアナリストは公益事業株に買いを推奨した。

スーパーマーケットチェーン大手のスーパーバリューは2009年2月期の利益見通 しがアナリスト予想を上回ったのが好感され、上昇した。

○米国債:相場は下落。米利下げがインフレ高進につながるとの観測 を背景に、2年債に対する10年債の上乗せ利回りが拡大した。

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁がこの日の講演で、金融市 場が安定すれば利上げが必要になるとの考えを示したことも、債券の売 りを誘った。原油と金の先物相場は過去最高値を更新し、インフレで債 券の価値が目減りするとの懸念が強まった。

ドレスナー・クラインオートの米国債トレーディング責任者トーマ ス・ロス氏は「インフレ水準を考慮すると、スティープ化トレンドは現 在、恐らく変わっていない」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時10分現在、10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01ポイント)上昇して3.56%。10年債(表面利率3.5%、2018 年2月償還)価格は1/4下落して、99 17/32。2年債利回りは前週末比 ほぼ変わらずの1.64%。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは1.93ポイントと、2004年 7月以来の最大に拡大した。これは回り曲線のスティープ化を反映して いる。

プロッサー総裁

プロッサー総裁はこの日、バージニア州アーリントンで講演し、現 在の米政策金利は金融政策に関する多くの理論に照らし低い水準にある との見方を示した。

同総裁は「現在は恐らく異常な状況にあり、単純な規則が示唆する 水準から離れている」が、「そのような乖離(かいり)は一時的なもの とし制限するべきであり、通常の状態に戻り次第、元に戻す必要があ る」と述べた。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日のFRB理事によ る会合で利下げを検討しているとの憶測が否定された後、米国債は朝方 の上昇分を縮小した。FRBは2月28日、ウェブサイト上で「理事会は 地区連銀が貸し出す公定歩合の審議および承認について協議する」と通 常通り日程を掲載していた。

FRBのスミス報道官はこの日開催されたFRB理事による会合に ついて「定例のもので、通常の会合以外の何ものでもない」と指摘した。 ブルームバーグ・ニュースの問い合わせに対し、電子メールで返答した。

○NY外為:ドルが下落。対円では一時、1ドル=102円62銭と3年ぶり の安値を付けた。対ユーロでは過去最安値を更新した。米景気の失速によ り、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失が拡大す るとの思惑がドル売りにつながった。

ドルは円に対し、5営業日連続で下落。2005年以来の103円割れとなっ た。米供給管理協会(ISM)が2月の製造業景況指数が拡大と縮小の境目を 示す50を割り込んだこともドル売り材料。50割れは過去3カ月で2回目。た だ、米政権が強いドルを望んでいると表明していることは「重要だ」と、トリ シェ欧州中央銀行(ECB)総裁が発言したため、対ユーロでのドルは下げが 限定的になった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケット・グルー プで世界戦略を担当するサマルジット・シャンカー氏は「世界市場と世界経済 の先行きが暗くなっていることがドルの急落につながっている。リスク回避の 動きは全体に広がっている」と述べた。

ドルは対円で一時、1ドル=102円62銭と、2005年1月28日以来の安 値を付けた後、ニューヨーク時間午後4時10分現在、103円24銭で推移し ている。前週末は103円74銭だった。対ユーロでドルは一時、1ユーロ=

1.5275ドルまで下げ、1999年のユーロ導入以来の最安値を更新した。その 後に下げ渋り、同時刻現在では1.5209ドル。前週末は同1.5179ドルだった。

ブラジル・レアルはドルに対して1.4%高の1ドル=1.672レアルと、主 要16通貨で最大の上昇となった。投資家のウォーレン・バフェット氏は会長 を務める保険・投資会社バークシャー・ハサウェイの株主あての書簡(2月29 日付)で、ブラジル・レアルが昨年唯一、「直接」投資した通貨だったことを 明らかにした。

トリシェ総裁は「財務長官や大統領を含め米当局が強いドルは国益にかな うと繰り返し述べているのは非常に重要だ」と語った。

ブッシュ政権の「強いドル」政策

ルクセンブルクのユンケル首相兼財務相はユーロ高について「懸念を強め、 警戒している」と発言した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア為替ストラテジストのウィン・ シン氏は「一連の発言は欧州当局がユーロ高への関心を高めていることを反映 している可能性がある」と指摘した。

ブッシュ米大統領は2月28日の記者会見で、「強いドルを支持してい る」と表明。ポールソン財務長官は3日、ブルームバーグテレビジョンでのイ ンタビューで、「強いドルが米国の利益であると確信している」と述べた。

ISMの製造業景況指数が48.3と、前月の50.7から低下しことをきっ かけにドルは対ユーロで最安値を付けた。

ABNアムロ銀行の通貨ストラテジスト、グレッグ・アンダーソン氏(シ カゴ在勤)はブルームバーグラジオに対し、「ECBが為替介入に踏み切るの は非常に困難だ。口先介入はあるだろうが、ユーロ高が1.60ドルを超え、パ ニックにならない限り、実弾介入はないだろう」と述べた。

○英国債:相場は上昇。イングランド銀行が欧州中央銀行(ECB)よりも速い ペースで利下げを実施するとの観測を背景に、英2年債相場はドイツ2年債相場 のパフォーマンスを上回った。

金融機関の損失拡大への懸念が強まり、英国債への買いを誘った。カリヨン の債券戦略部門責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン在勤)は、「世界的 なリスク認識は手の施しようがないほどに悪化した」と指摘。「クレジットスプ レッドが拡大し、金相場は最高値圏にある。最も安全な投資先としての英国債な どへの質への逃避がみられた」と語った。

10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下 げ4.44%。2年債利回りも同2bp下げ4.06%。

独2年債に対する英2年債の上乗せ利回りは85bpに縮小し、1月18日以 降で最小となった。前週末は91bpだった。

○欧州債:ドイツ10年債相場が上昇。金融機関の信用損失拡大で米経済がリセ ッション(景気後退)入りし、ユーロ圏の経済成長が鈍化するとの懸念が広がり、 株式相場が下落したのが背景。

時価総額で欧州最大の銀行、英HSBCホールディングスが2007年の不良 債権が172億ドルと、06年の106億ドルから増加したと明らかにしたことから、 08年見通しの不透明感が高まった。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長は先週の議会証言で、小規模銀行が破たんする可能性があると示唆した。 3日発表の2月の欧州製造業景気指数は前月から低下した。

RIAキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ニック・スタメンコビッ チ 氏は「典型的な質への逃避がみられた」と述べた上で、「米リセッションが差 し迫っているとの懸念が強まり、欧州債相場の上昇を支えた」と指摘した。

10年債利回りはロンドン時間午後4時8分までに、前週末比4ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げ3.85%となった。同国債(2018年1月 償還、表面利回り4%)価格は0.33ポイント上げ101.20。スタメンコビッチ 氏は、10年債利回りは今週、3.8%まで低下する可能性があるとみている。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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