NY外為:ドル、対円で一時102円台に下落-対ユーロでは最安値

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。 対円では一時、1ドル=102円62銭と3年ぶりの安値を付けた。対ユーロで は過去最安値を更新した。米景気の失速により、サブプライム(信用力の低い 個人向け)住宅ローン関連損失が拡大するとの思惑がドル売りにつながった。

ドルは円に対し、5営業日連続で下落。2005年以来の103円割れとなっ た。米供給管理協会(ISM)が2月の製造業景況指数が拡大と縮小の境目を 示す50を割り込んだこともドル売り材料。50割れは過去3カ月で2回目。た だ、米政権が強いドルを望んでいると表明していることは「重要だ」と、トリ シェ欧州中央銀行(ECB)総裁が発言したため、対ユーロでのドルは下げが 限定的になった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケット・グルー プで世界戦略を担当するサマルジット・シャンカー氏は「世界市場と世界経済 の先行きが暗くなっていることがドルの急落につながっている。リスク回避の 動きは全体に広がっている」と述べた。

ドルは対円で一時、1ドル=102円62銭と、2005年1月28日以来の安 値を付けた後、ニューヨーク時間午後4時10分現在、103円24銭で推移し ている。前週末は103円74銭だった。対ユーロでドルは一時、1ユーロ=

1.5275ドルまで下げ、1999年のユーロ導入以来の最安値を更新した。その 後に下げ渋り、同時刻現在では1.5209ドル。前週末は同1.5179ドルだった。

ブラジル・レアルはドルに対して1.4%高の1ドル=1.672レアルと、主 要16通貨で最大の上昇となった。投資家のウォーレン・バフェット氏は会長 を務める保険・投資会社バークシャー・ハサウェイの株主あての書簡(2月29 日付)で、ブラジル・レアルが昨年唯一、「直接」投資した通貨だったことを 明らかにした。

トリシェ総裁は「財務長官や大統領を含め米当局が強いドルは国益にかな うと繰り返し述べているのは非常に重要だ」と語った。

ブッシュ政権の「強いドル」政策

ルクセンブルクのユンケル首相兼財務相はユーロ高について「懸念を強め、 警戒している」と発言した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア為替ストラテジストのウィン・ シン氏は「一連の発言は欧州当局がユーロ高への関心を高めていることを反映 している可能性がある」と指摘した。

ブッシュ米大統領は2月28日の記者会見で、「強いドルを支持してい る」と表明。ポールソン財務長官は3日、ブルームバーグテレビジョンでのイ ンタビューで、「強いドルが米国の利益であると確信している」と述べた。

ISMの製造業景況指数が48.3と、前月の50.7から低下しことをきっ かけにドルは対ユーロで最安値を付けた。

ABNアムロ銀行の通貨ストラテジスト、グレッグ・アンダーソン氏(シ カゴ在勤)はブルームバーグラジオに対し、「ECBが為替介入に踏み切るの は非常に困難だ。口先介入はあるだろうが、ユーロ高が1.60ドルを超え、パ ニックにならない限り、実弾介入はないだろう」と述べた。

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