東京外為:ドル・円が3年超ぶり102円台、米指標を警戒―101円台視野

週明けの東京外国為替市場ではドルが対円 で続落。米景気の後退懸念や追加利下げ観測からドルの先安観が強まるなか、 世界的な株安を背景にリスク資産圧縮の動きから円の買い戻しも加わり、ド ル・円相場は2005年1月以来、3年超ぶりとなる1ドル=102円台までドル安・ 円高が進んだ。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加辺猛参事役は、今週は週末発表の 雇用統計など米国の経済指標が注目となるが、ドル安の流れが強まっているた め、「指標うんぬんにかかわらず、動きが出だすと止まらなくなる可能性は強 い」と指摘。モノライン(米金融保証会社)など突発的なニュースも出やすい 状況下、いったんドル売りが始まると歯止めがかかりにくくなるといい、ドル・ 円は05年1月のドル安値が控える101円台を目指す展開になると予想している。

ドル・円が3年超ぶり102円台

前週末の流れを引き継ぎ、週明けの東京市場では朝方からドル売り・円買 いが先行。ドル・円は1ドル=103円台後半で早朝の取引を開始すると、前週末 に付けたドル安値の103円69銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)を 下抜け、103円台前半までドル売りが進行。さらに午前10時前には103円ちょ うどを突破し、一時、102円93銭と3年超ぶりのドル安・円高値を付けた。

その後はドル売りも一服し、持ち高調整の動きからドルは103円台前半を 回復。しかし、上値ではドルの戻り売りが強く、午後3時半前には再び103円 ちょうどを突破。一時、102円66銭と05年1月28日以来のドル安値を更新し た。

みずほコーポレート銀の加辺氏は、ドル・円について「ドル買いはコンス タントに並んでいるが、それを吸収しながらここまで下げてきている相場なの で、今後もまだ下値リスクはある」と指摘する。

ユーロ・ドルも1ユーロ=1.5200ドル前後でもみ合っていたが、午後には ドル売りが優勢となり、一時、1.5237ドルまでドルが軟化。前週末に付けた1999 年のユーロ導入以来のドル最安値、1.5239ドルにあと2ポイントと迫った。

一方、世界的に株安が進むなか、リスク回避の動きから円の買い戻しが続 き、ユーロ・円は一時、1ユーロ=156円34銭と先月13日以来、約2週間半ぶ りのユーロ安・円高水準を付けた。

ISM景況指数の50割れを警戒

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 米国で発表される2月のISM製造業景況指数は48と、景気の拡大と縮小の境 目を示す50を2カ月ぶりに下回り、03年4月以来の最低水準に落ち込む見通し となっている。

そのほかにも今週は週半ばに地区連銀景況報告(ベージュブック)、週末 には注目の2月の米雇用統計が発表される予定で、内容次第では米景気の後退 懸念や金利先安観が一段と強まり、ドル安がさらに進む可能性がある。

HSBC為替資金本部外国為替営業部の花生浩介部長は、1月のあたまに ドルが急落したのも12月のISM製造業景況指数が50を割り込んだことがき っかけだったとした上で、「これまでの一連の米指標を見れば、今回のISM 指数もとても50を超えてくるとは思えない」と指摘。市場は悪い数字をかなり 織り込みにいってはいるが、ISMが予想対比で下振れれば、ドルがさらに下 落する可能性も否めないとしている。

シカゴ購買部協会が29日に発表した2月のシカゴ地区の製造業景況指数 (季節調整済み)は44.5と、製造業活動の拡大と縮小の境目を示す50を下回 り、01年12月以来の低水準となった。また、先に発表されたフィラデルフィア 連銀の2月の製造業景況指数はマイナス24と前回リセッション(景気後退)に 陥る直前の01年2月以来の低水準に落ち込んだ。

為替介入は無理との見方

週明けの東京株式相場は3日続落。米国の景気懸念を背景とした円高加速、 金融機関の損失による信用収縮不安が重なり、日経平均株価は1月23日以来と なる1万3000円を割り込んだ。

一方、額賀福志郎財務相は3日、財務省内で記者団に対し、為替動向につ いては承知しているがコメントしないと語った。

HSBCの花生氏は、仮に株安が危機的状況になった場合など、グローバ ルな金融市場を支える政策の一環としてなら為替介入もあり得るかもしれない が、前回日本が大規模介入を実施した03年から04年に比べると市場規模も様 変わりしており、ドル・円相場のレベルなどを理由とした為替介入は「100%な い」との見方を示している。

また、ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の湯本健一ヴァイスプレ ジデントも、全面的なドル安に日本の当局だけで対応することは無理とした上 で、ドル・円相場は、2005年1月に付けた安値(101円68銭、ブルームバーグ・ データ参照)や心理的な節目である100円ちょうどを目指す展開になると予想 している。

--共同取材:柿崎元子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Hidenori Yamanaka

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