日本株(終了)安値引けで13000円割れ、円高加速と信用懸念-全面安

週明けの東京株式相場は3日続落し、この 日の安値引けとなった日経平均株価は終値で1月23日以来となる1万3000円 を割り込んだ。米国の景気懸念を背景に円高進行の流れが加速、国内外金融機 関の損失による信用収縮不安が重なった。トヨタ自動車など輸出関連や金融を 中心に東証1部の33業種中、32業種が安い。鉄鋼や非鉄金属など景気敏感株 への売り圧力も高まり、鉄鋼は東証1部の業種別下落率で1位。

ニッセイアセットマネジメントの豊島太郎チーフ・ポートフォリオ・マネ ジャーは、「米景気は極端な悲観に振れる必要はないと思うが、減税効果が表 れる前の4月までは弱含みのものが多いだろう」と予測した。米景気の悪化で トップラインは伸びにくい状況にあるだけに、「為替の円高に対する市場の反 応度が大きくなってしまう」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前週末比610円84銭(4.5%)安の1万2992円18 銭。TOPIXは53.13ポイント(4%)安の1271.15と、終値での1300ポ イント割れは2月13日以来。東証1部の売買高は概算で21億2602万株、売 買代金は2兆4795億円。値上がり銘柄数は91、値下がり銘柄数は1615。東証 1部業種別33指数では空運を除く32業種が下げ、下落寄与度が高いのは、電 気機器、銀行、輸送用機器、機械、卸売、化学、鉄鋼など。

2番底割り込む

景気や企業業績への不安から、日本株はチャート上では1月安値後の2番 底水準を割り込んだ。29日発表の2月のシカゴ地区米製造業景況指数(季節調 整済み)は44.5と、ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査 の予想中央値49.5を下回った。米国では市場予想を下回る経済指標が継続し ていることに加え、金融機関の損失は少なくとも6000億ドル(約62兆5700 億円)に上る可能性が高いとの見方をスイスの銀行大手UBSのアナリストが 示唆。景気の先行きに対する警戒が払しょくできない状況にある。

米国時間3日には2月のISM製造業景況指数、5日はISM非製造業景 況指数、7日には雇用統計などの重要経済指標が発表される。ブルームバー グ・ニュースが実施した事前調査によると、ISM製造業景況指数は前回実績 の50.7に対して48.0への悪化が見込まれている。住信アセットマネジメント の三澤淳一株式運用部長は、「米国で今週発表される経済指標が予想通り悪け れば、米国株はもう一段の調整があり得る」と、警戒感を隠さない。

一方、外国為替市場では1ドル=102円台と2年超ぶりとなるドル安・円 高が進展している。ニッセイアセットの豊島氏によると、対ドルでの1円の円 高は企業業績にとって0.5%利益を押し下げる要因になる。「103-105円はお おむね来期の損益分岐点だが、トップラインが期待できない中では厳しい為替 水準になる」(同氏)。

PBR分析では03年4月にらむ声も

売買代金上位では時価総額上位銘柄の下げが大きくなった。トヨタがほぼ 1カ月ぶりの5500円割れまで一時売られたほか、みずほフィナンシャルグル ープは52週安値の42万円に接近する42万2000円まで下げた。今期連結経常 利益が期初予想の前期比0.4%増に届かない公算が大きいと2日付の日本経済 新聞が報じた新日本製鉄は、52週安値を更新。5日の法人企業統計を受けて、 07年10-12月期GDP(国内総生産)2次速報では設備投資が下方修正され るとの不安も根強く、三菱重工業など機械株の下げもきつい。

時価総額上位30社で構成するTOPIXコア30は先週末比4.1%安の

793.90となり、終値では1月23日以来の800ポイント割れ。

日経平均は、1月安値後の相場の2番底と見られていた2月8日の終値 (1万3017円)を割り込んだ。同水準を下回ったことで、「1月22日安値が 下値抵抗としての大きな意味がなくなりつつある」(東海東京調査センターの 隅谷俊夫投資調査部長)との声もある。隅谷氏は、03年4月のバブル崩壊後安 値7603円時のPBR(株価純資産倍率)1.29倍に相当する1万1500円が下値 めどの1つになると見ていた。

もっとも、コスモ証券エクイティ部の清水三津雄副部長は、日経平均の今 期1株利益は1000円が有力視されると分析。日経平均の1月22日安値は来期 業績の20%減益を織り込む水準に相当するとし、「来期業績はそこまで悪化す る公算は小さい」と予想している。

日立プラTが下落率1位、NTTは逆行高

個別に材料が出ている銘柄では、今期連結純損失が拡大する見通しとなっ た日立プラントテクノロジーが東証1部値下がり率1位となった。KBC証券 が格下げしたオーエムシーカード、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を 引き下げたエービーシー・マート、UBS証券が目標株価を引き下げたナブテ スコはそろって急落。社債の仕組み金融取引で、最大300億円の損失を計上す る可能性を開示した武富士は続落。

半面、クレディ・スイス証券が格上げしたNTTが売買高を伴って反発。 イオンの追加出資受け入れについて産経新聞が報じたCFSコーポレーション は3営業日ぶり反発した。08年12月期が業績回復見通しの東海観光、配当予 想を引き上げたサンマルクホールディングスもそれぞれ急伸した。

新興市場は続落

国内新興市場はそろって続落した。外部環境の不透明感や東証1部市場の 急落から、幅広く下げた。もっとも、市場では「円高の流れから新興銘柄は1 部市場をアウトパフォームする動きになるだろう」(ドイツ証券の下出衛チー フ・エクイティ・ストラテジスト)と今後に期待を寄せる向きもあった。ジャ スダック指数の終値は前週末比1.21ポイント(1.9%)安の63.81、東証マザ ーズ指数は21.82ポイント(3.1%)安の673.51。大証ヘラクレス指数は

23.77ポイント(2.3%)安の1019.83。

個別では、円高や景気の先行き不透明から竹内製作所が大幅安となったほ か、ミクシィ、ngi、アセット・マネジャーズなどが下落した。半面、自社 株買い実施を発表したレイは値幅制限いっぱいのストップ高となり、08年12 月期の連結純利益を前期比35%増と計画しているアップルインターナショナル が堅調。上場2日目となるセブン銀行も高い。

--共同取材:PATRICK RIAL   Editor:Shintaro Inkyo

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