米国経済は資産デフレ、経常赤字国で財政出動も限界-ABN・永井氏

ABNアムロバンク国際資金為替部の永井 伸マネージングディレクターは、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュー で、米国は住宅市場の資産デフレに陥っており、経済のパイ縮小が世界にも影 響を与えると指摘した。経常赤字国の米国が財政出動を拡大するとドル安が加 速するため、かつての日本のような対応も難しいとみる。インタビューは2月 29日に行った。

経済はパイ縮小へ:

「米国は資産デフレ。住宅価格の下落がまったく止まっていない。デフレ になるとお金を使わず、借金返済が先になる。そういう行動が広がると、経済 のパイは小さくなっていく。利下げが継続されるだろうが、日本はゼロ金利に しても資金の借り手がいなかった。問題解決は簡単ではない」

日本との相違点:

「民間が資金を使わない代わりに、国が減税や公共投資を拡大できればい いが、米国がそこまで踏み込めるか疑問。日本はかつて100兆円使ったが、海 外を頼りにファイナンスしている米国は、赤字を垂れ流すとドル安が加速する。 ただ、手をこまねいていれば経済のパイはどんどん縮小し、世界にも影響が大 きくなる」

V字回復はあり得ない:

「秋口になれば米国の景気は回復するとの見方もあるが、金融機関が痛ん だバランスシートを回復するにはかなり時間がかかる。日本は15年かかり、公 示地価が上がってきたのもつい最近だ。通常の景気サイクルにはなく、V字型 の回復などあり得ない。4、5年はL字が続くのではないか」

インフレよりデフレ:

「バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長はインフレを警戒して いるのではなく、景気が加速度的に落ちる方が怖いのではないか。景気が悪く なれば消費も減退していく。利下げをしても効かないのは分かっている。だか ら政府の財政政策に賛辞を送っている」

日銀利下げもリスクシナリオ:

「日本も景気後退に入る可能性がある。経済のパイ縮小で輸出数量が減る が、円高が交易条件の悪化となってさらに苦しくする。生産・所得・支出の好 循環メカニズムは働かなくなる。欧州が4-6月に利下げすれば、リスクシナ リオとして日銀の利下げも当然みておいていい」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE