07年金融機関手数料収入、シティ1位維持-08年は01年以来最悪も

スイスの銀行最大手UBSが銀行史上最悪の 四半期損失を発表した1月30日から5日後、同行の投資銀行部門の共同責任者、 リック・リーマン氏は顧客を訪問するため、コネティカット州の自宅からニュー ヨークのラガーディア空港に向かっていた。

リーマン氏は「契約が取れていなくても、現場にいる必要がある。顧客の前 に行き、構想を生み出す必要がある」と語る。

UBSが昨年、M&A(企業の合併・買収)助言業務や株式・債券の引き受 けで受け取った手数料は同行として過去最高の55億4000万ドル(約5710億 円)に達した(ブルームバーグ調べ)。同行はまた、株式引き受け手数料で世界 1位に躍進した。

それでもUBSの投資銀行部門が稼いだ手数料収入は、米国のサブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン関連で同行が計上した評価損184億ドル の前にかすんでしまった。同行の株価は2月29日までの年初来で34%下落し ている。

欧米の金融機関ではどこも似た状況だ。手数料収入も増えたが、損失も急増 の構図だ。ブルームバーグが年に1回集計する世界の投資銀行手数料収入ベスト 20ランキングによれば、各社合わせた手数料収入が4年連続で過去最高を更新 した。

ランキング1位を堅持したのは米シティグループで、各社が2007年にM& A助言業務と株式・債券の引き受けで得た手数料収入は計869億ドルとなった。 06年の710億ドルと比較して22%、05年と比べ64%それぞれ増えた。

CDO

手数料収入拡大を求める各社は昨年、債務担保証券(CDO)の引き受けや 投資を拡大。サブプライム住宅ローンなどを組成したCDOは当初、高い利回り や格付けで各社に収入増をもたらしたが、担保差し押さえ急増を受けて価値が下 がり、金融機関は資本維持で融資を抑制せざるを得なくなった。そして、米景気 減速を前に、各社は業務の新規掘り起こしに苦戦している。

UBSのリーマン氏(45)は「われわれは皆、2008年の戦略を考える上で 『いったん止まって、よく見てよく聞く』という態勢に入っている」と語り、同 行の投資銀行部門の今年の収益については、米景気に関してはっきりとした見通 しが持てる3月末までは予測できないとも述べた。

経験則によれば、UBSを含む各社は今年、逆境に立たされる可能性がある。 インターネットバブルの崩壊がきっかけで投資銀行業務が縮小した01年に、今 年のランキングでトップ10入りした金融機関のうち9社のM&A助言業務手数 料収入が少なくとも22%減少。シティの減少率は49%だった(ブルームバーグ 調べ)。8社では株式引き受け手数料収入も減り、モルガン・スタンレーとクレ ディ・スイス・グループで36%減少した。

07年ランキング詳細

07年のランキングによれば、上位5社は4年連続で変更がなかった。シテ ィに続く2位は米ゴールドマン・サックス・グループで、3位はモルガン・スタ ンレー、4位はJPモルガン・チェース、5位はメリルリンチだった。

シティのM&A助言業務および株式・債券の引き受け手数料収入は68億 8000万ドルで06年の57億9000万ドルを19%上回った。ゴールドマンは66 億6000万ドルで前年から18%増。モルガン・スタンレーは63億6000万ドル で同22%増。JPモルガン・チェースは62億3000万ドルで同33%増、メリ ルは55億5000万ドルで23%増だった。

シティがトップを堅持した背景には、債券引き受けで他社よりも稼いだ点が ある。各社合わせた07年債券引き受け手数料収入は前年比30%増の188億ド ルで、うちシティは16億9000万ドルと、同13%増だった。

M&A助言業務の手数料収入は各社合わせて前年比21%増の424億ドル。 3年連続で1位はゴールドマンだった。同社は前年比34%増の39億3000万 ドルを稼いだ。2位はモルガン・スタンレーで24%増の32億3000万ドル。 3位は前年4位だったシティで、16%増の29億ドルだった。

株式引き受けでは前年に5位だったUBSが1位に躍り出た。同行の手数料 収入は50%増の24億5000万ドルだった。

ランキングの詳細は添付ファイルの通り(添付ファイルのグラフィックスを クリックして参照してださい)。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE