東京外為:ドル・円が一時3年超ぶり102円台-株安と米ISM指数警戒

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が一時、3年超ぶりとなる1ドル=102円台へ突入した。米景気の後退懸念や追 加利下げ観測からドルの先安観が強まるなか、世界的な株安や信用不安を背景 にリスク資産圧縮の動きから円を買い戻す動きも加わり、ドル安・円高の流れ が加速した。

HSBC為替資金本部外国為替営業部の花生浩介部長は、「2月は株が落 ち着いていたので、円高も一服していたが、再び株が下げてきており、株が戻 らない間はドル・円もなかなか戻りにくい」と指摘する。また、この日発表さ れる米供給管理協会(ISM)の2月の製造業景況指数は悪化する可能性が高 く、一段のドル安・円高を警戒する必要があるとしている。

ドル、対円で3年超ぶり安値

前週末の流れを引き継ぎ、週明けの東京市場では朝方からドル売り・円買 いが先行。ドル・円は1ドル=103円台後半で早朝の取引を開始すると、午前7 時過ぎには103円半ばを下抜け、103円台前半までドルが下落。その後、断続的 に買いも見られたが、ドル売り圧力が強く、午前10時前には103円ちょうどを 突破。一時、102円93銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と2005年 1月28日以来の水準までドル安・円高が進んだ。

その後はドル売りも一服し、ドル・円は103円台前半で小康状態を保って いるが、戻りも103円20銭程度までとドルの反発力は弱く、欧州時間にかけて は再びドル売り・円買いが強まる可能性が警戒される。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジ ー・ジャパンの山本雅文氏は、「ドルに悪い材料が相次ぐなか、世界的な株安 やボラティリティ(変動率)の上昇を背景に円買い圧力も強まっている」とい い、「円高バイアスが高い状況になっている」と指摘する。

ユーロ・円も1ユーロ=157円台後半で週明けの取引を始めると、一貫して ユーロ売り・円買いに押される格好となり、午前10時半過ぎには一時、156円 55銭と先月13日以来、約2週間半ぶりの水準までユーロ安・円高が進んだ。

一方、ユーロ・ドルは前週末に一時、1ユーロ=1.5239ドルと1999年のユ ーロ導入以来のドル最安値を更新したが、週明けの取引では1.5200ドルを挟ん でもみ合う展開が続いている。

ISM景況指数、雇用統計でドル一段安も

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 米国で発表される2月のISM製造業景況指数は48と、景気の拡大と縮小の境 目を示す50を2カ月ぶりに下回り、03年4月以来の最低を記録したとみられて いる。

シカゴ購買部協会が29日に発表した2月のシカゴ地区の製造業景況指数 (季節調整済み)は44.5と、製造業活動の拡大と縮小の境目を示す50を下回 り、2001年12月以来の低水準となった。また、先に発表されたフィラデルフィ ア連銀の2月の製造業景況指数はマイナス24と前回リセッション(景気後退) に陥る直前の2001年2月以来の低水準に落ち込んだ。

HSBCの花生氏は、「1月の月初にドルが急落したのもISMの50割れ からだった」とした上で、「これまで一連の米指標を見れば、今回のISM指 数もとても50を超えてくるとは思えない」と指摘。悪い数字をかなり織り込み にいってはいるものの、ISMが予想対比で下ぶれれば、ドルがさらに下落す る可能性は否めないとしている。

為替介入

週明け午前の東京株式相場は大幅続落。米国の景気懸念を背景とした円高 加速、金融機関の損失による信用収縮不安が重なり、日経平均株価の下げ幅は 2月6日以来の500円超となった。

一方、額賀福志郎財務相は3日、財務省内で記者団に対し、為替動向につ いては承知しえいるがコメントしないと語った。町村信孝官房長官も同日午前 の記者会見で、為替動向を注視していると述べる以外、発言を控えた。

HSBCの花生氏は、仮に株安が危機的状況になった場合など、グローバ ルな金融市場を支える政策の一環としてなら為替介入もあり得るかもしれない が、前回日本が大規模介入を実施した03年から04年に比べると市場規模も様 変わりしており、ドル・円相場のレベルなどを理由とした為替介入は「100%な い」とみている。

また、ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の湯本健一ヴァイスプレ ジデントも、全面的なドル安に日本の当局だけで対応することは無理だと指摘 し、ドル・円相場については、2005年1月に付けた安値(101円68銭、ブルー ムバーグ・データ参照)や心理的な節目である100円ちょうどが目先のターゲ ットになるとみている。

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