日経平均500円超安、米景気懸念で円高加速-信用懸念も重なる(2)

週明け午前の東京株式相場は大幅続落。米 国の景気懸念を背景とした円高加速、金融機関の損失による信用収縮不安が重 なり、トヨタ自動車やソニーなど輸出関連や金融を中心に東証1部銘柄の95% が下げた。TOPIXは1300ポイントを割り込み、日経平均株価の下げ幅は 2月6日以来の500円超となった。業績の先行き不安が広がった新日本製鉄が 52週安値となるなど、鉄鋼は東証1部の業種別下落率で1位。

住信アセットマネジメントの三澤淳一株式運用部長は、「米景気後退と為 替の円高を投資家は懸念している」とし、「米国で今週発表される経済指標が 予想通り悪ければ、米国株はもう一段の調整があり得る」との見方を示した。

日経平均株価の午前終値は前週末比545円93銭(4%)安の1万3057円 9銭、TOPIXは50.97ポイント(3.9%)安の1273.31。東証1部の売買高 は概算で10億1489万株、売買代金は1兆1358億円。値上がり銘柄数は56、 値下がり銘柄数は1645。東証1部業種別33指数で下落寄与度が高いのは、電 気機器、輸送用機器、銀行、機械、卸売、化学、鉄鋼など。

景況感悪化、金融機関損失、円高

米国で予想を下回る景気指標が続いていることで、景気や企業業績への警 戒感が高まった。29日発表の2月のシカゴ地区米製造業景況指数(季節調整済 み)は44.5と、ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予 想中央値49.5を下回った。また、スイスの銀行大手UBSのアナリストは、 金融機関の損失が少なくとも6000億ドル(約62兆5700億円)に上る可能性 が高いとの見方を示唆。これらを背景としてドル安・円高が広がり、東京時間 午前では3年超ぶりとなる102円台まで円高が加速した。

東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「米国では景気てこ入 れのため、ドル安が黙認されている」と分析。その要因となっている景気後退 は、ITバブル崩壊や湾岸危機時などに見られる通り、短くとも9カ月から1 年に及ぶだろうと予測した。「すぐに株価に織り込めるようなものではない」 (隅谷氏)という。

米国時間3日は2月のISM製造業景況指数、5日はISM非製造業景況 指数、7日には雇用統計などが発表予定。ブルームバーグ・ニュースが実施し た事前調査によると、ISM製造業景況指数は前回実績の50.7に対して48.0 への悪化が見込まれており、「景気の急減速を確認する内容となろう」(日興 シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト)と、警戒されている。非 製造業景況指数は前回実績44.6に対して47.5への改善が予想されている。

日経平均は2番底水準に接近

米国ではテクノロジー企業の構成比が大きいナスダック総合指数の29日 終値は前日比60.09ポイント(2.6%)安の2271.48となり、2月6日安値 (2278.75)や1月22日安値(2292.27)の水準をすでに下回った。午前の日 経平均も先週末比569円安の1万3033円まで下げ、1月安値後の相場の2番 底と見られていた2月8日の安値(終値で1万3017円)に接近。市場の関心 は、「同水準を維持できるかどうかの1点にかかっている」(立花証券の平野 憲一執行役員)という。

時価総額上位銘柄中心に売買代金上位でも下げが目立ち、トヨタがほぼ1 カ月ぶりの5500円割れまで売られたほか、みずほフィナンシャルグループは 52週安値の42万円に接近する42万3000円まで下げた。今期連結経常利益が 期初予想の前期比0.4%増に届かない公算が大きいと2日付の日本経済新聞が 報じた新日本製鉄は、52週安値である2月8日の536円を下回った。

トヨタ紡が大幅安、NTTは反発

個別に材料が出ている銘柄では、業績予想を増額しながら北米事業の先行 きが警戒されたトヨタ紡織が大幅安。今期営業損益予想が一転赤字に転落した 岩崎通信機、KBC証券が格下げしたオーエムシーカードが急落し、今期連結 純損失が拡大する見通しとなった日立プラントテクノロジーは東証1部値下が り率1位となった。社債の仕組み金融取引で、最大300億円の損失を計上する 可能性を開示した武富士は続落。

半面、クレディ・スイス証券が格上げしたNTTが反発。肺高血圧症治療 薬をスイス社に供与することが評価された日本新薬、08年12月期が業績回復 見通しの東海観光、配当予想を引き上げたサンマルクホールディングスがそれ ぞれ急伸した。イオンの追加出資受け入れについて産経新聞が報じたCFSコ ーポレーションは3営業日ぶり反発。

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