日航:1500億円超の優先株発行へ、14社に割り当て-航空機更新(4)

経営再建中の日本航空は29日、財務体質 改善などのため、第三者割当方式で総額1500億円超の優先株式を発行すると 発表した。主力取引銀行や取引先など14社に割り当てる。発行期日は3月17 日。燃費効率に優れた航空機への更新を進めるほか、資本の充実や有利子負債 の削減ペースを加速、財務体質の向上を図る。

西松遥社長は発表会見で、1500億円超の目標額について「自己資本比率を 20%にしたいと思ったから」と述べた。この増資が予定通り完了すれば自己資 本比率は22%になるが、同時に発表した再生中期プランでは2010年度までに 30%まで引き上げる計画。増資が実現すれば「スムーズなファイナンスができ るようになる」と見込んでいる。

また、今回の調達資金は設備投資に充当して、内部資金を借入金の返済や 社債の償還に回すことができるため、有利子負債の削減ペース加速が可能にな る。同社は有利子負債の削減ペースを加速させる意向で、社債・借入金、リー ス債務、未認識債務などの有利子負債総額は06年度の1兆6985億円に対し、 07年度が1兆5520億円、10年度は9660億円の見通し。

増資の引受先には金融機関のほか事業会社が入っている理由として、西松 社長は取引関係があることを挙げた。

また、西松社長は割当先が14社にとどまらず、「まだ複数社と交渉中で 追加される可能性がある」と述べた。増資目標額は変更しない考えで、新たな 引受先が決まった場合、現在の引受先分から割り振る格好になると説明した。

今回の優先株は普通株への転換が可能だが、発行後3年間は、その請求が できない条項を付け、株式の希薄化を防ぐ仕組みにした。このため、西松社長 は「この3年間に企業価値を向上させれば、株式価値の希薄化が何とか防げる。 そのための時間をいただきたいと思っている」と語った。

一方、カード子会社、ジャルカード株式の一部売却協議について、西松社 長は「どのようにしてジャルカードを生かしていくかが重要なテーマだ」と述 べ、現在も検討や協議を前向きに継続していると語った。その協議を「止める こともないわけではない」としながらも、日航本体の営業戦略とも関連させな がら、今後のジャルカードの将来像を検討していると話した。

日航は06-10年度に航空機関連など総額6720億円の設備投資を行う。今 回の調達資金は手取り概算額で1515億円となり、燃費効率に優れた航空機へ の更新を進めるほか、安全運航の確立や利便性の向上などに必要な設備投資に 充当する。この結果、10年度末には、国際線機材で燃費効率に優れた航空機の 比率が約50%へと向上する予定。07年度見込みでは25%。

また、日航は同日、2008-10年度のJALグループ再生中期プランを発 表。10年度の営業利益の連結目標を、前中期経営計画の880億円から960億円 へ引き上げた。人件費抑制策では、08年度末までに連結ベースの社員数を4万 8800人へ削減(06年度比4300人減)、従来計画を1年前倒すほか、08年度以 降のグループ人件費を06年度比で引き続き500億円圧縮する。さらに賃金、 諸手当の制度改正で年間100億円の収支改善効果を見込む。ただ、具体策は 「今後検討する」(西松社長)としている。

日航の株価終値は前日比1円(0.4%)高の259円。

【日航の優先株発行の割当先】 ----------------------------------------------------------------------

企業 金額 ---------------------------------------------------------------------- 総合商社 双日 150億円 三井物産 200億円 丸紅 50億円 伊藤忠商事 50億円 住友商事 50億円 主力銀行など 日本政策投資銀行の関係会社 200億円 みずほコーポレート銀行 200億円 三菱東京UFJ銀行 170億円 三井住友銀行 55億円 UBSセキュリティーズ・ジャパン・リミテッド

250億円 石油会社 新日本石油 50億円 ジャパンエナジー 50億円 出光興産 50億円 コスモ石油 10億円 ---------------------------------------------------------------------- *T