米国株(29日):大幅続落、ダウ315ドル安-景気失速と評価損懸念

米株式相場は大幅続落。月間ベースでは 4カ月連続の下げとなった。シカゴ購買部協会の製造業景況指数が2001年以 来の低水準となり、UBSが金融機関の損失が6000億ドルを上回る可能性が 高いとの見方を示したため、売りが膨らんだ。

保険最大手の米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は 2週間ぶりの大幅安。28日に発表した2007年10-12月(第4四半期)決算 が上場来で最大の純損失となったため、売りが殺到した。スプリント・ネクス テルは顧客の解約が一段と増えるとのアナリスト予想を嫌気し、ほぼ6年 ぶりの安値を付けた。金融株や通信株を中心にS&P500種株価指数の全10 セクターが下げた。

S&P500種株価指数は前日比37.05ポイント(2.7%)下げて

1330.63で終えた。下落率は2日以来で最大。ダウ工業株30種平均は

315.79ドル(2.5%)安の12266.39ドル。ナスダック総合指数は60.09 ポイント(2.6%)下落し2271.48。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の 騰落比率は1対11。

マニング・アンド・ナピアー・アドバイザーズのシニアアナリスト、マイ ケル・マギエラ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「明らか に悪いニュースには事欠かない」と述べた。

S&P500種の月間の下落率は3.5%。29日はシカゴ地区の製造業景況 指数が生産や雇用を中心に製造業活動の縮小を示したことが企業業績の不振が 続くとの見方につながった。S&P500種とダウ平均の4カ月連続の下落は 2002年以来で最長。

業績不振

S&P500種構成企業の2007年第4四半期決算は平均で23%の減益。ブ ルームバーグが集計したアナリスト予想によると、第1四半期は3%減益が見 込まれている。ただ、08年通年では13.7%の増益が予想されている。2カ月 前は第1四半期の予想が4.7%増益、通年は15.1%増益だった。

AIGは6.6%安。純損失は52億9000万ドル(1株当たり2.08ド ル)。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券などで111 億ドルの評価損を計上したことが響いた。同社は追加の評価損計上も予想した。

ハイマーク・キャピタル・マネジメント(サンフランシスコ)の最高投資 責任者(CIO)、デービッド・ゲーツ氏は、週末に悪いニュースがさらに出 てくることを懸念して投資家が株の買い持ちを避ける傾向があるため、「金曜 は売りが出やすい」と指摘。「AIGのニュースでムードが冷め切った」と述 べた。

シティグープやゴールドマン・サックス・グループも安い。

「最大の難点」

スイスの銀行大手UBSの欧州クレジットストラテジー責任者、ジェロ ー・シャルパン氏(ロンドン在勤)は29日付のリポートで、金融機関の損失 が少なくとも6000億ドル(約62兆5700億円)に上る可能性が高いとの見 方を示した。金融機関がこれまでに明らかにした評価損や信用損失は1600億 ドル超。

同氏は「レバレッジを効かせたリスク資産の持ち高は現在の市場では最大 の難点だ。早く対処するほど良い」と指摘。AIGについては「評価損に苦し んでいるのは銀行だけではないということを明確に示している」との見解を示 した。

ドイツ銀行のアナリスト、マイケル・マヨ氏はリーマン・ブラザーズ・ホ ールディングスとベアー・スターンズのサブプライム関連証券の評価損が拡大 すると予想。2007年12月―08年2月期(第1四半期)の収益見通しを引き 下げた。リーマン、ベアー・スターンズともに株価は下げた。

S&P500種の金融株指数はこの日、4%下落した。2月全体では11% 安と、2002年9月以来の大幅な下げとなった。

モノライン

米金融保証会社(モノライン)大手のアムバック・ファイナンシャル・グ ループも下落。同社の救済策が暗礁に乗り上げたとCNBCが報じたことを嫌 気した。

MBIAも安い。新たな債券保証の需要が「ごくわずか」であることを明 らかにした。「AAA」格付けが見直されていた時期に保証を敬遠する動きが 強まったことが背景にある。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE