米国債(29日):上昇、信用市場の混迷で利下げ観測強まる(2)

米国債相場は上昇。2年債利回りは2004 年4月以来の低水準をつけた。信用市場での損失拡大や米経済悪化を受けて投 資家は比較的安全性の高いとされる債券に買いを入れた。

週間ベースでの2年債は1月4日に終了した週以来で最大の値上がり。ス イスの大手銀UBSが証券会社や銀行、保険会社は少なくとも6000億ドルの 損失を計上する可能性があるとの見通しを示したのが手掛かり。午前に発表さ れた2月のシカゴ購買部協会景気指数は2001年12月以来の最低に落ち込んだ。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オドネル 氏は、「市場のストレスが相乗的に高まっており、債券市場が数少ない隠れ場 所となっている」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時40 分現在、2年債利回りは前日比18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)低下して1.64%。2年債(表面利率2%、2010年2月償還)価格は11/32 上昇して、100 23/32。週間ベースで利回りは39bp低下した。

10年債利回りは15bp低下して3.52%。週間ベースでは29bp下げた。

2年債利回りは株安を背景に年初から135bp下げた。2カ月の下げ幅と しては対米同時多発テロが起きた2001年9月以来の最大。株式市場では年初 から時価総額2兆8000億ドルが失われた。

サブプライム市場の混迷

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連した損失は 1810億ドル以上に達し、世界的に金融機関の貸し渋りがみられる。連邦公開市 場委員会(FOMC)は昨年9月以降、連続的に利下げを実施、フェデラルフ ァンド(FF)金利誘導目標は5.25%から3%に引き下げられた。

投資家は数週間前まではFOMCによる利下げがインフレを引き起こし、 債券相場が下落するとみていたが、利下げによる景気浮揚効果は十分ではない との兆候に再び債券を購入している。

金融保証会社(モノライン)のMBIAはこの日、損失が著しく増加する との見通しを示した。また保険大手のアメリカン・インターナショナル・グル ープ(AIG)が前日遅く発表した四半期決算では、株式公開以来で最大の赤 字となった。

メリルリンチのデータによると、全償還期限を対象にした米国債の投資リ ターンは年初から前日までに2.7%と、1995年以来で最高となっている。

米シカゴ購買部協会指数

シカゴ購買部協会が発表した2月のシカゴ地区の米製造業景況指数(季節 調整済み)は44.5と、前月の51.5から低下した。

金利先物市場の動向によると、3月18日のFOMC会合までにFF金利 誘導目標が2.25%まで引き下げられる確率は72%となっている。1週間前は 2%だった。4月30日までに2%に引き下げられる確率は57%となっている。

インフレがなお加速しつつあり、原油や金などの商品価格の過去最高値に 高騰しているなかで、FOMCが利下げを実施するとの見方が強まったことか ら、今週はインフレ連動債(TIPS)が上昇した。

5年物TIPSと通常の5年債の利回り格差は2.27ポイント。同格差は 今後5年間の平均インフレ率見通しを示す。

TIPSの利回りはマイナス0.22%。1997年の同債発行開始以来の最低。 10年物TIPSは1.08%。

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