米住宅不況:空き家急増、1970年代以来の水準に-相場下落に拍車か

米カリフォルニア州北部のエルドラドヒル ズに住むクイン・カスバートソンさんが近所を見渡せば、空っぽの家と荒れ果 てた斜面ばかりだ。建つはずの学校もクラブハウスも、まだ実現していない。

カスバートソンさんはこの町で4つの寝室が付いた自宅を46万ドル(約 4800万円)で購入した。だが今は、近所の家が4万5000ドル安く手に入る。 米高級住宅最大手トール・ブラザーズが売り出している付近の98区画のうち、 87区画はまだ造成もされていない。

米商務省によれば、新築一戸建て住宅のほぼ20万戸が空いたままだ。これ は1973年の統計開始以来、最大だという。

ハーバード大学の住宅研究共同センターでディレクターを務めるニコラ ス・レツィナス氏は、中途半端な宅地開発は自治体の収入を減らし、企業活動 にとってマイナスになると指摘する。米市長会が昨年11月発表した報告書によ れば、住宅差し押さえの増加と不動産相場の下落で、ニューヨークやカリフォ ルニア、フロリダを含む10州で税収が合わせて66億ドル余り減少する公算が ある。

住宅都市開発省で次官補を務めた経歴を持つレツィナス氏は「中途半端な 開発は、住宅相場の下落を宣伝するようなものだ。周辺のコミュニティーにも 影響が波及するだろう」と述べた。

調査会社クレジットサイツのアナリストらは2月15日付のリポートで、約 37万戸の新築住宅が売りに出されていると指摘。仮契約をしたものの、購入を キャンセルする消費者が増えているためだという。商務省の統計は、さらに21 万6000戸が建設中であることを示している。

米国勢調査局によれば、全米の人口が約2億1200万人だった1973年1月、 完成した新築住宅の売り出しは9万7000戸。2007年12月は19万7000戸、08 年1月は19万5000戸だ。現在の全米人口は3億350万人となっている。

ドイツ銀行のアナリスト、カレン・ウィーバー氏は13日付のリポートで、 住宅価格は底を打つ前に07年7-9月期から最大26%下落するとの見通し示 した。ニューヨーク在勤のウィーバー氏は同行の証券化調査の世界責任者。

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