セブン銀初値は16万8000円、公開比20%高-ジャスダック上場(2)

時価総額で日本最大の流通グループ、セ ブン&アイ・ホールディングスの銀行子会社であるセブン銀行が29日、ジャ スダック市場に新規上場し、午前9時24分ごろ16万8000円で初値を形成し た。売出価格14万円よりも20%高い水準。全国に約1万3000台のATM(現 金自動預払機)を設置、主に個人を対象に小額決済に特化した金融サービスを 提供するという事業戦略が評価され、買いが優勢となった。

新規公開株(IPO)情報を投資家などに提供するマーケット・ウィーク の鮎川良代表は、この日の初値形成とその後の値動きについて、「想定通り順 調な滑り出しだ。本来ならば東証1部へのIPOが妥当だと思われるが、セブ ン銀側がジャスダックを選んだため、ジャスダック指数などへの影響が大きい。 機関投資家も今後、同社株を組み入れて行くとみられ、基本的に株価は堅調に 推移するのだろう」とみていた。

鮎川氏は、米サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の発覚以 降、既存の大手金融機関に対する警戒感が高まり、世界の銀行株が値を下げて きたことに触れ、「セブン銀はATM専業で来たため、サブプライム関連の損 失や過去の不良債権問題などで懸念がないとみられている」という。このため、 「特段業績は伸びないが、安定感と抜群の知名度で投資家の注目を集めていく だろう」と、鮎川氏は予想している。

午前終値は16万3000円。初値形成直後の午前9時26分に17万円まで上 昇する場面もみられたが、10時以降は16万円台前半でもみ合う展開となった。

時価総額は1990億円で、ジャスダック市場(全964銘柄)で7位となっ た。6位は日本マクドナルドホールディングスの2280億円、8位はビックカ メラの1180億円、時価総額トップはヤフーの2兆9500億円。

会社側の今期業績予想で算出した株価収益率(PER)は15倍。東証1 部に上場する銀行株85銘柄の平均PER16倍に近い。

口座数拡大中

同社は2001年設立。当初は「アイワイバンク銀行」の名で事業を行って いたが、05年10月にセブン&アイ・ホールディングスの企業再編に伴い「セ ブン銀行」に改称。ATMを通じた入出金サービスを核にリモートバンキング サービス(携帯電話やパソコンなどでの金融サービス)を手掛けている。

ATMの大半は親会社セブン&アイ・ホールディングスのコンビニエンス ストア「セブン-イレブン」の店舗内に設置。原則24時間365日利用できるう え、深夜でも店員がいるため顧客も安心だと会社側はアピールする。

昨年末時点の提携金融機関は554社。銀行88行や信用金庫263のほか、 JAバンク、生命保険会社、証券会社、クレジットカード会社などとも連携し ており、提携先のカードでセブン銀のATMから入出金ができる。07年12月 末現在の個人顧客の口座数は54万8000件(07年9月末比5.6%増)、預金残 高は905億円(同89億円増)。

08年3月期の単独業績予想は、売上高が前期比11%増の834億円、純利 益が同3.4%増の131億円。1株あたり利益(EPS)を1万738円と見込む。 1株あたり配当は4100円。

セブン銀は上場に際して37万3750株の売り出し(1万株のオーバーアロ ットメントを含む)を実施。主幹事は野村証券、日興シティグループ証券、モ ルガン・スタンレー証券の3社が共同で務めている。

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