債券は大幅高、米債高や株続落、月末の買いも-10年は1.365%に(2)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前日 の米国市場で、弱めの指標や米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受 けて株安・債券高となった地合いを引き継ぎ、買い優勢の展開となった。日経 平均株価の大幅続落や、月末の年限長期化の買いが相場を押し上げた。新発10 年債利回りは1月23日以来の低水準となる1.365%まで低下した。

岡三証券投資戦略部のシニアストラテジスト、坂東明継氏は、円債市場に ついて、「バーナンキFRB議長の証言で景気後退に対する懸念が一気に出て きたことで債券が大幅上昇した米国市場の動きを、そっくりそのまま引き継い だ。国内株の動きや月末の年限長期化の買いも影響している」と説明した。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比40銭高い138円10銭で取引開 始。13日以来の138円台乗せとなった。その後、徐々に上げ幅を広げ、一時は 138円42銭まで上昇。結局は64銭高い138円34銭で引けた。

日経平均株価は大幅続落。前日比354円19銭安の1万3571円32銭で取引 を終えた。一時は、400円近く下げ幅を拡大させる場面もあった。

外国為替市場でのドル安・円高の進行が債券高を後押しする材料になって いるという。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストによると、「円高 になると輸入物価が安くなりインフレが抑えられることから債券にポジティブ。 株価が輸出企業の業績懸念から下落することで、やはり債券買いをサポートす る材料になる。債券はまだ上昇余地がある」と指摘する。

市場ではほかにも、「米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロー ン問題に関連してクレジットリスクの地雷があちこちに埋まっていることがあ る。さらに問題は、米国や日本など先進国の景気動向に波及していることだ。 これが新興国の成長を抑える要因になるとの懸念もある」(クレディ・スイス 証券の河野研郎債券調査部長)との声も聞かれた。

新発10年債利回りは1.365%

現物債市場では新発10年物の289回債利回りが、前日比3ベーシスポイン ト(bp)低い1.385%で取引を開始した。10年債利回りの1.4%割れは1月24 日以来となる。いったん1.39%まで戻したが、再び水準を切り下げ、1月23日 (1.31%)以来の低水準となる1.365%まで低下した。

中期債や超長期債も大幅な上昇。新発5年債利回りは、同7bp低い0.835 に低下。0.8%台前半は約1カ月ぶり。新発20年債利回りは、5bp低い2.005% に下げている。

ただ、高値警戒感も出ているようだ。市場では、新発10年債利回りが「1.4% を割れると益出しの売りがでてくると言われていたが、現段階ではもう少し引 っ張ろうとする状況になっている。ただ、1.35%ぐらいまでくれば、売りは出 てくると思う」(カリヨン証券マネジング・ディレクターの加藤進氏)といっ た声が聞かれる。

全国コアCPIは前年比0.8%上昇、失業率は横ばい

朝方に発表された1月の全国の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を 除くコアが前年同月比0.8%上昇、2月の東京都区部のコアCPIは同0.4%上 昇となった。ブルームバーグ・ニュースの調査では、全国コアCPIは同0.9% 上昇、都区部のコアCPIは同0.5%上昇が見込まれていた。

一方、1月の家計調査の全世帯消費支出は前年比3.6%増加と市場予想を上 回った。完全失業率は3.8%、有効求人倍率は0.98%と前月比横ばい。

米国市場では債券高・株安-TB利回り04年以来の低水準

28日の米国債相場は上昇。3カ月物財務省短期証券(TB)の利回りは2004 年以来の低水準を記録した。午前に発表された2007年第4四半期の実質国内総 生産(GDP)改定値が予想を下回る伸びとなったほか、週間失業保険申請件 数が増加したことを受けて、債券に買いが入った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、5年債利回りは前日比18bp低 下して2.71%程度。10年債利回りは14bp下げて3.71%付近。

一方、米株式相場は下落。GDP伸び率が市場予想を下回り、新規失業保 険申請件数が増加したことに加え、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長が一部の銀行が破たんする可能性があるとの見解を示した。そのため、リ セッション(景気後退)は避けられないとの見方から売りが膨らんだ。

(債券価格)                          前日比       利回り
長期国債先物3月物         138.34     +0.64          1.565%
売買高(億円)             32707
10年物289回債            101.17                1.365%(-0.05)

--共同取材:池田祐美、YUMI TESO Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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