2月28日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:下落。実質国内総生産(GDP)伸び率が市場予想を下回り、新 規失業保険申請件数が増加したことに加え、バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長が一部の銀行が破たんする可能性があるとの見解を示した。 そのため、リセッション(景気後退)は避けられないとの見方から売りが膨 らんだ。

JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、アメリカ ン・インターナショナル・グループ(AIG)などに売りが出たため、S&P 500種株価指数の金融株は3週間ぶりの大幅安。センテックスやD.R.ホー トン、レナーなどに売りが出たため、S&Pの住宅建設株指数は1月4日以来 の大幅な下げとなった。米携帯電話事業者3位のスプント・ネクステルは5年 ぶりの安値。28日発表した2007年10-12月(第4四半期)決算が295億 ドルの純損失となったことが響いた。

S&P500種株価指数は前日比12.34ポイント(0.9%)下げて

1367.68で終えた。ダウ工業株30種平均は112.10ドル(0.9%)安の

12582.18ドル。ナスダック総合指数は22.21ポイント(0.9%)下落し

2331.57。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対3。

トラスコ・キャピタル・マネジメント(バージニア州リッチモンド)のシ ニア投資ストラテジスト、アラン・ゲイル氏は「住宅市場の悪化は続いており、 信用収縮もまだ収まっていない。信用関連のニュースが出るたびに悪材料とな る」と述べた。

S&P500種は年初から6.9%下落。サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローンの崩壊と景気失速により、企業利益がむしばまれるとの懸念が 背景にある。28日発表の2007年第4四半期(10-12月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比年率0.6%増加と、速報値と 変わらず。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 (0.8%増)を下回った。新規失業保険申請件数は37万3000件と、前週から 1万9000件増加。予想中央値の35万件を上回った。これを背景にS&P500 種の全10セクターのうち8セクターが下げた。

業績不振

ブルームバーグのデータによると、現在までにS&P500種構成企業のう ち440社が07年第4四半期の決算を発表。平均で16%の減益になっている。 アナリストの平均予想では第1四半期は1.6%の減益が見込まれている。

JPモルガンは4.4%安。ダウ平均の構成銘柄の中では下落率首位となっ た。ゴールドマン・サックス・グループとメリルリンチはJPモルガンの収益 見通しを下方修正した。ホームエクイティ・ローンの価値減少に伴う評価損を 計上するとの見通しが理由。BOAも安い。

AIG

AIG株は4%下落。チョルノキー氏らゴールドマン・サックス・グルー プのアナリストはAIGが1-3月(第1四半期)に5年ぶりに純損失に転じ る恐れがあると指摘した。

S&P500種の金融株指数は3%安。全10セクターで下げが最もきつい。 バーナンキ議長は「恐らく一部の銀行は破たんするだろう」と指摘した。ただ、 大手銀については資本が十分にあるとして、破たんを逃れる可能性が高いとの 見方を示した。

KBW地銀指数は3.2%下落。構成する50銘柄のうち48銘柄が下げた。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスはサスケハンナ・バンクシェアズや トラストマークなど地銀や地域銀行8行の格付けを引き下げた。商業用不動産 で損失を出す可能性があることが理由。サスケハンナは2.2%下げ、トラスト マークは3.8%下落した。

ノット・キャピタル・マネジメントの最高経営責任者(CEO)、マイケ ル・バロン氏は「住宅不況と個人の信用問題からの悪影響は続くだろう。今年 下半期の収益見通しはまだ高過ぎる」と述べた。

○米国債:相場は上昇。3カ月物財務省短期証券(TB)の利回りは2004年以 来の低水準を記録した。午前に発表された2007年第4四半期の実質国内総生産 (GDP)改定値が予想を下回る伸びとなったほか、週間失業保険申請件数が増 加したことを受けて市場参加者は債券に買いを入れた。

この日は米株式相場下落のほか、米携帯電話事業者スプリント・ネクステル とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が赤字決算を発表したことも、債券 にとっては支援材料だった。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)は上院 で証言し、前回リセッション(景気後退)時の2001年と比べて現在の景気悪化 に対応するほうが厳しいというのは「正しい」と言えるとの見解を示した。

ドイツ銀行のプライベートバンク部門の債券トレーディング責任者、ゲーリ ー・ポーラック氏は、「景気は引き続き悪化している兆候を示すだろう。市場参 加者は資産ポートフォリオを株式から債券へと振り向けている」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時4分 現在、5年債利回りは前日比18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント) 低下して2.71%。5年債(表面利率2.875%、2013年1月償還)価格は27/32 上昇して、100 3/4。10年債利回りは14bp下げて3.71%。

3カ月物TB利回りは9bp下げて1.87%。一時は2004年以来の低水準 となる1.82%をつけた。

3カ月物TBと3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の利回り格 差である「TEDスプレッド」は1.21ポイントと、1月22日以来の高水準を 記録した。

5年債入札

米財務省がこの日実施した5年債入札(発行額160億ドル)の結果によると、 最高落札利回りは2.755%と、入札直前の市場予想の2.763%を下回った。

外国中央銀行を含む間接応札が落札全体に占める割合は22%で、過去10回 平均の同27%を下回った。前日実施された2年債入札(260億ドル)での同割 合は、少なくとも2003年5月以降で2番目に低い水準だった。

米商務省が発表した第4四半期の実質GDP(季節調整済み、年率)改定値 は前期比年率0.6%増加と、速報値と変わらず。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値(0.8%増)は下回った。第3四半期は4.9% 増だった。

米労働省が発表した23日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は37万3000件と、前週から1万9000件増加した。前週は35万 4000件と速報値の34万9000件から上方修正された。

金利見通し

金利先物市場の動向によると、3月18日の連邦公開市場委員会(FOMC) 会合までにフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が現行の3%から2.25% まで引き下げられる確率は32%となっている。1週間前は4%だった。3月18 日のFOMC会合でFF金利が0.5ポイント引き下げられる確率は68%となっ ている。

メリルリンチのデータによると、全償還期限を対象にした米国債の投資リタ ーンは年初から前日までに2%と、2004年以来で最高となっている。

ブルームバーグがエコノミストを対象にまとめた調査によると、10年債利回 りは6月末までに3.55%に低下するとみられている。2年債利回りは同2.06% への上昇が見込まれている。

○NY外為:ドルが対ユーロで過去最安値を更新した。ここ3日でのド ルの下落率は2.5%となった。労働市場の軟化と景気減速で6月までの 米利下げ観測が強まったことが背景。

ドルは対円で2年半ぶりの安値に接近、対スイス・フランでは過去 最安値を更新した。2001年のリセション(景気後退)以上に対応が難し いといっても過言ではないというバーナンキ米連邦準備制度理事会(F RB)議長の発言で、ドルの下落が拡大した。円は主要通貨に対し上昇。 株価の下落を受けて、投資家が円を調達資金とするキャリートレードを 手じまったことが背景だった。

三菱東京UFJ銀行の世界通貨調査責任者、ポール・チャートコウ 氏は「ドル危機という可能性がかなり現実的に懸念されている」と指摘。 「危機という言葉を安易に使うことはしないが、ドルは特にユーロに対 し、未踏の領域に入っている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.5213ドルと、前日の同1.5120ドルから下落。一時は99年1月のユー ロ導入以来の最安値となる同1.5229ドルを付けた。ドルは円に対しては 1ドル=105円34銭と、前日の同106円49銭から下げた。ドルは対ス イス・フランでは一時、1ドル=1.0485フランに下落した。

円は主要通貨に対し上昇。株価の下落を受けて、投資家が円を調達 資金とするキャリートレードを手じまったことが背景だった。

04年以来の大幅安

ドルのここ3日間の下落は04年1月以来で最大。23日に終わった 週の新規失業保険申請件数が1万9000件増の37万3000件となったこと を受けて、ドルの下げが拡大した。また米商務省が朝方発表した第4四 半期(10-12月)の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改 定値は前期比年率0.6%増加と、速報値と変わらず。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(0.8%増)を下回った。 第3四半期は4.9%増だった。

ドルは対ユーロで過去1年間では13%下落している。サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失や住宅市場の低迷、信用 コストの上昇を受けて、米国では昨年9月以来5回の利下げが実施され ている。

南アフリカ・ランドは主要16通貨中で最も軟調となり、ドルに対し ては1.7%下げた。米経済がリセッションに陥るとの懸念が強まってい ることから、世界経済の成長や商品需要に関連の深い通貨が手じまわれ た。

キャリートレードが解消されるなか、円は南ア・ランドに対し

2.7%上昇、ニュージーランド(NZ)ドルに対しては1%上げた。

強いドル

ブッシュ米大統領はこの日の記者会見で、政府は「強いドル」を支 持していると表明した。

ユーロは導入時の水準から30%上昇。2000年10月に付けた過去最 安値からは84%高となっている。

○英国債:相場は1カ月ぶりの大幅高となった。イングランド銀行の利下げ観測 が広がったのに加え、株式相場下落で安全投資としての国債需要が高まった。

景気減速と企業業績の悪化を背景に英株式相場の指標であるFT100指数 が下落したことを受け、10年債相場は続伸。同利回りは一時、2週間ぶりの低 水準まで低下した。小売売上高と住宅価格の低迷で、2月の英消費者信頼感指 数 が13年ぶり低水準となったことも、国債相場を支える一因となった。

10年債利回りはロンドン時間午後4時55分までに、前日比10ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げ4.60%。一時は今月5日以来で最大の11 bp下げた。同国債(2018年3月償還、表面利率5%)価格は0.84ポイント 上げ103.23。2年債利回りも10bp下げ4.19%。

○欧州債:相場は上昇。世界的な株安に加え、対ドルで過去最高値を更新したユ ーロが欧州の経済成長を抑制するとの懸念が広がり、安全投資としての国債需要 を押し上げた。

ドイツ2年債利回りは2日連続で低下した。バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長が追加利下げを示唆したことを受け、欧州中央銀行(ECB) はインフレが加速しているにもかかわらず、利下げを余儀なくされるとの観測が 広がった。2月のフランスの消費者信頼感指数は過去最低まで落ち込んだ。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ペーター・ミューラー氏(フランクフ ルト在勤)は、「ECBは利下げを渋っているが、向こう数週間のデータで米利 下げが景気浮揚に結びつかなかったことが示されたら、避けることはできなくな るだろう」との見方を示した。「ユーロがドルに対して上昇したのも、利下げ観 測を支えた」と指摘した。

2年債利回りはロンドン時間午後4時1分までに、前日比9ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)下げ3.28%。同国債(2009年12月償還、表面利 回り4%)価格は0.15ポイント上げ101.21。10年債利回りは8bp下げ

4.01%となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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