米国株:下落、GDPや議長発言でリセッション懸念-金融株が安い

米株式相場は下落。実質国内総生産(G DP)伸び率が市場予想を下回り、新規失業保険申請件数が増加したことに加 え、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が一部の銀行が破たんす る可能性があるとの見解を示した。そのため、リセッション(景気後退)は避 けられないとの見方から売りが膨らんだ。

JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、アメリカ ン・インターナショナル・グループ(AIG)などに売りが出たため、S&P 500種株価指数の金融株は3週間ぶりの大幅安。センテックスやD.R.ホー トン、レナーなどに売りが出たため、S&Pの住宅建設株指数は1月4日以来 の大幅な下げとなった。米携帯電話事業者3位のスプント・ネクステルは5年 ぶりの安値。28日発表した2007年10-12月(第4四半期)決算が295億 ドルの純損失となったことが響いた。

S&P500種株価指数は前日比12.34ポイント(0.9%)下げて

1367.68で終えた。ダウ工業株30種平均は112.10ドル(0.9%)安の

12582.18ドル。ナスダック総合指数は22.21ポイント(0.9%)下落し

2331.57。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対3。

トラスコ・キャピタル・マネジメント(バージニア州リッチモンド)のシ ニア投資ストラテジスト、アラン・ゲイル氏は「住宅市場の悪化は続いており、 信用収縮もまだ収まっていない。信用関連のニュースが出るたびに悪材料とな る」と述べた。

S&P500種は年初から6.9%下落。サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローンの崩壊と景気失速により、企業利益がむしばまれるとの懸念が 背景にある。28日発表の2007年第4四半期(10-12月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比年率0.6%増加と、速報値と 変わらず。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 (0.8%増)を下回った。新規失業保険申請件数は37万3000件と、前週から 1万9000件増加。予想中央値の35万件を上回った。これを背景にS&P500 種の全10セクターのうち8セクターが下げた。

業績不振

ブルームバーグのデータによると、現在までにS&P500種構成企業のう ち440社が07年第4四半期の決算を発表。平均で16%の減益になっている。 アナリストの平均予想では第1四半期は1.6%の減益が見込まれている。

JPモルガンは4.4%安。ダウ平均の構成銘柄の中では下落率首位となっ た。ゴールドマン・サックス・グループとメリルリンチはJPモルガンの収益 見通しを下方修正した。ホームエクイティ・ローンの価値減少に伴う評価損を 計上するとの見通しが理由。BOAも安い。

AIG

AIG株は4%下落。チョルノキー氏らゴールドマン・サックス・グルー プのアナリストはAIGが1-3月(第1四半期)に5年ぶりに純損失に転じ る恐れがあると指摘した。

S&P500種の金融株指数は3%安。全10セクターで下げが最もきつい。 バーナンキ議長は「恐らく一部の銀行は破たんするだろう」と指摘した。ただ、 大手銀については資本が十分にあるとして、破たんを逃れる可能性が高いとの 見方を示した。

KBW地銀指数は3.2%下落。構成する50銘柄のうち48銘柄が下げた。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスはサスケハンナ・バンクシェアズや トラストマークなど地銀や地域銀行8行の格付けを引き下げた。商業用不動産 で損失を出す可能性があることが理由。サスケハンナは2.2%下げ、トラスト マークは3.8%下落した。

ノット・キャピタル・マネジメントの最高経営責任者(CEO)、マイケ ル・バロン氏は「住宅不況と個人の信用問題からの悪影響は続くだろう。今年 下半期の収益見通しはまだ高過ぎる」と述べた。