NY外為:ドルは対ユーロ最安値更新、失業保険申請やGDP嫌気(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対ユーロで過去最安値を更新した。ここ3日でのドルの下落率は

2.5%となった。労働市場の軟化と景気減速で、少なくともあと2回の追 加利下げがあるとの観測が強まったことが背景。

ドルは対円で2年半ぶりの安値に接近、対スイス・フランでは過去 最安値を更新した。2001年のリセション(景気後退)以上に対応が難し いといっても過言ではないというバーナンキ米連邦準備制度理事会(F RB)議長の発言で、ドルの下落が拡大した。

三菱東京UFJ銀行の世界通貨調査責任者、ポール・チャートコウ 氏は「ドル危機という可能性がかなり現実的に懸念されている」と指摘。 「危機という言葉を安易に使うことはしないが、ドルは特にユーロに対 し、未踏の領域に入っている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.5213ドルと、前日の同1.5120ドルから下落。一時は99年1月のユー ロ導入以来の最安値となる同1.5229ドルを付けた。ドルは円に対しては 1ドル=105円34銭と、前日の同106円49銭から下げた。ドルは対ス イス・フランでは一時、1ドル=1.0485フランに下落した。

円は主要通貨に対し上昇。株価の下落を受けて、投資家が円を調達 資金とするキャリートレードを手じまったことが背景だった。

04年以来の大幅安

ドルのここ3日間の下落は04年1月以来で最大。23日に終わった 週の新規失業保険申請件数が1万9000件増の37万3000件となったこと を受けて、ドルの下げが拡大した。また米商務省が朝方発表した第4四 半期(10-12月)の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改 定値は前期比年率0.6%増加と、速報値と変わらず。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(0.8%増)を下回った。 第3四半期は4.9%増だった。

ドルは対ユーロで過去1年間では13%下落している。サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失や住宅市場の低迷、信用 コストの上昇を受けて、米国では昨年9月以来5回の利下げが実施され ている。

南アフリカ・ランドは主要16通貨中で最も軟調となり、ドルに対し ては1.7%下げた。米経済がリセッションに陥るとの懸念が強まってい ることから、世界経済の成長や商品需要に関連の深い通貨が手じまわれ た。

キャリートレードが解消されるなか、円は南ア・ランドに対し

2.7%上昇、ニュージーランド(NZ)ドルに対しては1%上げた。

強いドル

ブッシュ米大統領はこの日の記者会見で、政府は「強いドル」を支 持していると表明した。

ユーロは導入時の水準から30%上昇。2000年10月に付けた過去最 安値からは84%高となっている。

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