東京外為:ドルが安値圏で小動き、米金利先安観で上値重い-106円前半

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ド ル=106円台前半と前日の安値圏で小動きとなった。前日には対ユーロで史上初 の1ユーロ=1.51ドル台を付けるなど、急ピッチにドル安が進んだが、その動 きも取りあえず一服。ただ、米国で予想を下回る経済指標が相次ぎ、景気の後 退懸念が一段と強まるなか、米金利先安観を背景に引き続きドルの上値は重か った。

三井住友銀行市場営業部の高木晴久グループ長は、クレジットの問題など 市場を取り巻く基本的な環境は大きく変わっておらず、「再びリスクアバージ ョン(回避)の相場に戻る可能性は十分ある」としながらも、「今のところは モメンタムで動いており、基本的にドルは買えない通貨であるため、目先は取 りあえずこの流れについていくしかない」と語る。

ドル安一服

この日のドル・円は106円台半ば付近で早朝の取引を開始すると、その後 も同水準付近でのもみ合いが継続。前日の海外市場では一時、約3週間ぶり安 値となる105円96銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが売 られたが、「106円割れの水準では、しっかりとしたドル買い需要」(UBS銀 行東京支店外国為替部FXアドバイザー・牟田誠一朗ディレクター)が確認さ れたことで、再度ドル売りを仕掛ける動きは見られなかった。

もっとも、引き続きドルの上値は重く、東京時間日中の取引レンジは106 円51銭から106円21銭と30銭にとどまった。

海外市場で史上初となる1ユーロ=1.51ドル台に乗せたユーロ・ドルも

1.5100ドル付近で比較的落ち着いた動きとなった。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉FXストラテジスト は、「今週発表されたドイツのIfo企業景況感指数が予想よりも強い内容と なり、米国は減速しているがユーロ圏は強いという認識がさらに強まったこと が足元でユーロが強含んでいることの一因になっている」とし、この日発表さ れるドイツの2月の失業率が強ければ、ユーロ高・ドル安の流れに拍車がかか る可能性があると指摘する。

一方、ユーロ・円は161円ちょうど付近で早朝の取引を開始したが、徐々 にユーロがじり安となり、午後には160円46銭までユーロが弱含む場面も見ら れた。

米失業保険申請件数、FRB議長証言

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は27日、半年ごとの下院 金融委員会での証言で、「米連邦公開市場委員会(FOMC)は経済見通しに 関する情報を慎重に判断し、成長を支援するほか、下振れリスクに対する十分 な保険を提供するのに必要な時宜にかなう行動をとる」と発言し、インフレ高 進の兆候があるにもかかわらず、追加利下げの用意があることを示唆した。

前日の下院金融委員会に続き、バーナンキFRB議長はこの日、上院の銀 行委員会で半期金融政策報告について証言する。ただ、基本的には同様の見解 が示される見通しで、相場への影響は限定的とみられる。

一方、経済指標では先週分の失業保険新規申請件数が発表される。JPモ ルガン・チェース銀の棚瀬氏は、「足元では申請件数が上昇してはいるものの、 過去のリセッション(景気後退)期に比べるとさほどでもないため、これが具 体的に40万件ぐらいに近づくか、あるいはそれを超えるようなところまでペー スが加速するかどうかというのが1つの見所になる」としている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、先週の 新規失業保険申請件数は前週比35万件と前週の34万9000件とほぼ同水準が見 込まれている。

そのほか、昨年10-12月期(第4四半期)の米国内総生産(GDP)の改 定値も発表されるが、速報値から予想外の大幅修正とならない限り、相場の波 乱要因となる可能性は低そうだ。

ドル・円は安値もちあい

日本銀行の水野温氏審議委員は28日午後、大分市内で会見し、金融政策運 営について「利下げすることによる効果よりも、副作用に対して慎重にならな ければいけない」として、金利の引き下げには否定的な見方を示した。また、 将来的にも利下げの効果は「大きくない」との見方を示した。

一方、朝方発表された日本の1月の鉱工業生産指数は前月比2%低下した。 米国の景気減速や欧州の成長鈍化の影響などを受け、2カ月ぶりに低下、市場 予想も下回った。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の橋本将司調査役は、米指標の悪化に反応 する形でドル安が進んでおり、目先はこうしたドル安の動きがもう少し出てく ることを警戒する必要があると指摘する。一方で、米景気の影響により、日本 でも今後、景気減速の動きが見込まれるなか、「円はやや買われすぎの面もあ る」といい、ドル・円は「当面は106円から107円を中心とした安値もちあい で推移する」と予想している。

--共同取材 柿崎元子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

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