日本株(終了)輸出中心に反落、円高影響と生産陰り-売買は実質最低

東京株式相場は、輸出関連株中心に反落。 米国の追加利下げ観測を背景とした海外時間での円高進行に加え、鉱工業生産 が予想より下振れたことも上値を抑えた。中でもトヨタ自動車をはじめ、輸送 用機器株の下げが目立つ。原料高による影響が懸念される海運株や食品株、電 気・ガスなども安い。

大和住銀投信投資顧問株式運用部の窪田真之シニアファンドマネージャー は、「ドル安が新しいレンジに入ってきている。対円ではドル安がそれほど進 んでいなかった面もあり、今後の為替の落ち着きどころが分からない」と、市 場にある不安心理を解説した。

日経平均株価の終値は前日比105円79銭(0.8%)安の1万3925円51銭、 TOPIXは11.42ポイント(0.8%)安の1353.10。東証1部の売買高は概 算で18億5995万株、売買代金は2兆1221億円にとどまり、ともに半日立ち 会いの大発会を除いて今年最低となった。値上がり銘柄数は685、値下がり銘 柄数は921。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が7、値下がり業種が 26に達した。下落寄与度が大きいのは輸送用機器、電気機器、銀行、保険、 化学、食料品、医薬品、小売、電気・ガスなど。

ドル安、鉱工業生産下振れ

騰落レシオなどテクニカル的な短期過熱感を指摘する声が多い中、景気へ の懸念が売りにつながった。米国では1月製造業耐久財新規受注が予想を下回 り、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は景気てこ入れのため、 追加利下げの用意があると示唆。27日の海外時間ではドルは対ユーロで最安 値となり、対円でも3週間ぶりの1ドル=105円台までのドル安が進んだ。 「金利差の縮小観測から一時的に円高に向かいやすい可能性があり、テクニカ ル的には101円までの円高もあり得る」(丸三証券の牛尾貴投資情報部長)と いう。

また、鉱工業生産の下振れも投資家心理に影を落とした。1月の鉱工業生 産指数は、米景気減速などから前月比マイナス2.0%(ブルームバーグ調査は マイナス0.8%)と2カ月ぶりの低下。1月の生産の押し下げ寄与が大きかっ たのは電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、一般機械工業など。しんきん アセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は「景気後退懸念がある 中で、生産にも陰りが出てきた印象。先行き不安が大きくなった」との見方だ。

輸送用機器の下げ目立つ

業種別では輸送用機器の下げが目立った。トヨタ自動車が2日ぶりに 6000円台を割り込んだほか、ホンダやデンソーが反落。マツダやいすゞ自動 車は大幅安となった。「新興国需要が下支えしながらも、北米の景気後退と円 高の影響は出てくるだろう」(しんきんアセットの藤原氏)という。

大和総研が28日午後に発表した企業業績見通しによると、自動車業界の 経常利益予想は07年度の前期比11%増に対し、08年度は7.1%減が見込まれ る。前回調査では08年度は0.4%増と微増益を見込んでいたものの、円高な どの影響で一転して減益が有力となりつつある。

5日移動平均で下げ渋る、米GDP改定値控え

日経平均は一時236円安の1万3794円まで下げる場面もあったが、投資 家の短期的な採算ラインを示す5日移動平均(28日終値で1万3839円)近辺 で下値の堅さを確認すると、取引終了にかけては下げ渋った。東証1部の騰落 レシオ(25日平均)は一般的に120%以上が「過熱気味」とされるが、27日 は136%に達していた。「米金融保証会社(モノライン)問題が終息に向かっ ていることから、戻りの中での小さな一服」(丸三証の牛尾氏)との見方もあ った。

大和住銀の窪田氏によると、「鉱工業生産はネガティブだが、1-3月期 の景気後退が軽い調整になるかどうか市場の見方は分かれている」そうだ。一 方向に持ち高を傾けにくい上、米国時間28日に10-12期国内総生産(GD P)改定値など週末にかけて米国では多くの経済指標を控えているだけに、売 買代金は一段と細った。

イビデンが反落、シャープは続落

個別では、スモールミーティング開催により、新規工場での生産性改善の 遅れなどが懸念されたイビデンが6日ぶり反落。任天堂の携帯型ゲーム機「D S」向け液晶の納入で、公正取引委員会が立ち入り検査を行ったことが明らか になったシャープは続落した。ゴールドマン・サックス証券が目標株価を引き 下げたSFCG、みずほ証券が格下げした日本郵船や商船三井もそれぞれ安い。

その他金融や非鉄金属は高い

半面、ポケットカードが東証1部値上がり率首位となるなど、その他金融 株が高い。朝日新聞オンライン版は28日午後、三井住友フィナンシャルグル ープが、傘下の信販・カード会社であるセントラルファイナンスとオーエムシ ー(OMC)カード、クオークの3社を経営統合する方向で最終調整している と報じた。これを受けて業界再編観測が広がり、セントファとOMCカドは買 い気配となった。

このほか、金属市況高から大平洋金属など非鉄金属株も高い。空港の外資 規制見送りの報道を受け、外資流入期待が高まった日本空港ビルデングが急伸。 新光証券がアウトパフォームの投資判断で新規調査を開始した合同製鉄が6連 騰となり、自社株買い実施を発表したあいホールディングスは続伸した。

新興市場は上昇、投資家心理に変化も

国内新興市場は上昇。ジャスダック市場でこのところ低位株が大商いにな るなど、「投資家がマーケットにリスクを取りに来ていることは見逃してはな らない大変化」(豊証券の菊池由文取締役)との指摘がある。ジャスダック指 数の終値は前日比0.24ポイント(0.4%)高の66.37、東証マザーズ指数は

18.07ポイント(2.6%)高の708.34とそれぞれ続伸。大証ヘラクレス指数は

15.72ポイント(1.5%)高の1066.73と4連騰。

個別では、大和総研が格上げしたサイバーエージェント、M&A(企業の 合併・買収)目的で東京海上日動火災保険を引受先に新株を発行するタケエイ が大幅高。増配を発表したODKソリューションズは値幅制限いっぱいのスト ップ高。半面、楽天、アルデプロ、デジタルアーツなどは安い。

--共同取材:近藤 雅岐   Editor:Shintaro Inkyo

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