日本株:輸出中心に反落、円高影響と生産陰りを警戒-売買細る(2)

午前の東京株式相場は、トヨタ自動車や シャープ、コマツなど輸出関連株中心に反落。米国の追加利下げ観測を背景と した海外時間での円高進行に加え、朝方発表された鉱工業生産が予想より下振 れたことなどが嫌気された。原油価格の最高値更新によるコスト増への懸念な どから、海運株は値下がり首位。化学株や電気・ガス株も軟調だった。

景気や企業業績の不透明感に加え、米国時間28日に10-12期国内総生産 (GDP)改定値なども控え、売買代金は1日立ち会いで今年最低だった27 日の午前時点をさらに6%下回る低調ぶり。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、鉱工業 生産について「景気後退懸念がある中で、生産にも陰りが出てきた印象。先行 き不安が大きくなった」と指摘した。

中でも自動車に関しては、「新興国需要が下支えしながらも、北米の景気 後退と円高の影響が午後出てくるだろう」(藤原氏)と予測する。

日経平均株価の午前終値は前日比208円6銭(1.5%)安の1万3823円 24銭、TOPIXは21.05ポイント(1.5%)安の1343.47。東証1部の売買 高は概算で8億9025万株、売買代金は9631億円。値上がり銘柄数は397、値 下がり銘柄数は1196。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種がその他金融と非鉄金 属のみで、値下がり業種が31に達した。下落寄与度が大きいのは電気機器、 輸送用機器、銀行、保険、化学、食料品、卸売、機械など。

悪材料重なり、やや一服

米国景気の減速が、円高と景気指標の悪化となって戻り相場の上値を抑え た。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は景気てこ入れのため、 追加利下げの用意があると示唆。27日のニューヨーク外国為替市場では、ド ル・円相場は3週間ぶりの1ドル=105円台まであり、東京時間午前は106円 台前半での動き。「金利差の縮小観測から一時的に円高に向かいやすい可能性 がある」(丸三証券の牛尾貴投資情報部長)という。

円高を受けてシンガポール市場の日経平均先物3月物は1万3900円で取 引を開始したが、1月の鉱工業生産発表後は下げ幅が1万3790円まで広がっ た。1月の鉱工業生産指数は、米景気減速などから前月比マイナス2.0%(ブ ルームバーグ調査はマイナス0.8%)と2カ月ぶりの低下。同時発表の2月の 製造工業予測指数は前月比2.9%の低下、3月は2.8%の上昇だった。

また市場では、「騰落レシオの過熱感が出ていたことで、調整に入りやす い状況だった」(新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニア・テクニカルアナ リスト)との声も上がっている。東証1部の騰落レシオ(25日平均)は、一 般的に120%以上が相場は「過熱気味」とされ、27日は136%に達していた。

IT・デジタルの変調

輸送用機器と電気機器指数が、そろって午前の東証1部業種別の下落率上 位を占めた。1月の生産の押し下げ寄与が大きかったのは電子部品・デバイス 工業、輸送機械工業、一般機械工業など。1月の実現率で特に下落幅が大きか ったのは電機機械工業、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業だった。

専門家の間からは、「今まで回復色を強めていたIT・デジタル分野でも、 再び生産・在庫を抑制する動きが見られ始めた点は見逃せない」(野村証券金 融経済研究所の木内登英チーフエコノミスト)との指摘が聞かれた。

東急ストア急落、合同鉄は6連騰

個別に材料が出た銘柄では、減損処理などから今期連結最終損益が一転し て赤字見通しとなった東急ストアが急落。KBC証券が投資判断を買いからホ ールドに引き下げたコーエー、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を引き 下げたSFCG、みずほ証券が格下げした日本郵船や商船三井もそれぞれ安い。 スモールミーティング開催により、新規工場での生産性改善の遅れなどが懸念 されたイビデンは6日ぶり反落。

半面、新光証券がアウトパフォームの投資判断で新規調査を開始した合同 製鉄が6連騰。中期経営計画に対する期待が高まった日阪製作所、自社株買い 実施を発表したOKK、日本郵政グループの郵便事業株式会社と共同出資会社 を設立する山九株がそろって急伸。空港の外資規制見送りの報道を受けて外資 流入期待から日本空港ビルデングも約1カ月半ぶりの高値水準となった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE