1月鉱工業生産指数は予想下回る2.0%低下-第1四半期マイナスへ(3

1月の日本の鉱工業生産指数は、電子部品・ デバイスや輸送機械などを中心に、事前の予想を大幅に下回り、2カ月ぶりの 低下となった。米国の景気減速など世界経済の先行き不透明感が強まる中、1 -3月期の生産は4期ぶりに低下する見込みだ。

経済産業省が28日発表した鉱工業生産指数(速報)によると、1月は前月 比2.0%低下し、109.8(季節調整済み、2000年=100)となった。指数水準は、 前年同月比では2.5%の上昇だった。同時に発表した2月の製造工業予測指数は 前月比2.9%の低下、3月は2.8%の上昇となった。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を発した米景 気減速に伴い、世界経済と国際金融市場への影響が年明け以降特に強まってお り、日本経済の先行きが一段と不透明感を増している。日本政府は2月の月例 経済報告で、景気は「このところ回復が緩やかになっている」とし、基調判断 を1年3カ月ぶりに下方修正し、生産は「増勢が鈍化している」と指摘した。

同省経済解析室の久武昌人室長は発表後の記者説明で、「予測指数がそのま ま実現した場合、1-3月期の生産指数は前期比2.5%低下になる」との試算を 示した。昨年10-12月期は前期比1.3%増加と、3四半期連続で増加していた。

統計発表後のドル円相場は小動きで、午前10時35分現在、1ドル=106円 44銭前後で推移している。発表前は同106円39銭前後だった。同時刻現在の日 経平均株価は前日比206円23銭安の1万3825円07銭。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は発表後、事前予想から「下振れ るネガテイブサプライズの結果になった」と指摘。南氏は「予測指数によれば、 10月に直近のピークをつけた鉱工業生産は少なくとも年度内はそれを下回る状 況が続くことを予測しており、景気の足踏みを示唆している」と語った。

三菱総合研究所の大島一宏エコノミストは、ブルームバーグ・テレビジョ ンで、「数字は悪いと言えば悪いが、基調判断としては、減速しつつも拡大基調 はまだ保たれていると判断」と述べ、「出荷、在庫、在庫率のバランスは悪化し ていない。良好な状態が保たれている」と指摘。さらに、「アメリカの実体経済 の減速感がはっきり分からないのでマイナスが出やすいが、3月はプラスにな っており、景気の拡大基調が完全に崩れているわけではない」と語った。

景気判断

経済産業省は1月の統計を受け、「生産は横ばい傾向で推移している」とし て、前月の判断を維持した。ブルームバーグ・ニュースが事前にエコノミスト 45人を対象に調査したところでは、1月の鉱工業生産指数の予想中央値は前月 比0.8%低下、前年同月比では3.7%上昇だった。

経産省の久武氏は、1月の生産低下について、電子部品・デバイスと輸送 機械がそれぞれ3割程度、一般機械が1割強寄与していると指摘、「この3つで かなりの部分が説明できる」と語った。品目別には、普通自動車、モス型半導 体集積回路(メモリー)、デジタルカメラの順で低下の要因となった。普通自動 車は、中近東、北米、アフリカ向け輸出が減少した。メモリーは内外需ともに 減少した。

大田弘子経済財政相は22日の月例経済報告に関する関係閣僚会議後の記者 会見で、今後、米国向け輸出などが一段と減少し、生産活動も低下すれば、日 本経済は「踊り場に入る可能性も視野に入れておく必要はある」と警戒感を示 していた。

--共同取材 吉川淳子 竹内カンナ Editor:Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki

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